"seaside theatre" from shonan beach FM 78.9

with DJ johnny SHIDA since2020

2022年01月

特集「あてどない冬のドライヴ・サウンドトラック」

ザ・ファブル The Fable チャーリー・コーセイ × Test?Flights
ルパン三世 カリオストロの城 トロピカル・ウェイヴ 大野雄二
ドライブ・マイ・カー
We'll Be Through The Long, Long Days, And Through The Long Nights  石橋英子
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君の名前で僕を呼んで Call Me By Your Name Mystery Of Love Sufjan Stevens 
コフィー Coffy Shining Symbol Roy Ayers
タクシー・ドライバー Taxi Driver
I Still Can't Sleep/They Cannot Touch Her (Betsy's Theme) Bernard Herrmann
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追悼 ジャン=ジャック・べネックス監督
IP5 愛を探す旅人たち IP5 L'ile Aux Pachydermes 
J'arrete La,Je Laisse Tomber~Le Petit Poucet Gabriel Yared 
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tokyo.sora 
Medley: 破片~時速12キロのフリンジ~彼女の温度~ウイークエンド 菅野よう子
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ベイビー・ドライバー Baby Driver Easy Commodores
ハルハートリー シンプルメン End Credits: Simple Men Ned Rifleネッドライフル
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ドライヴ / ヤコペッティの残酷大陸 Drive / Addio Zio Tom
Oh My Love Riz Ortolani Feat. Katyna Ranieri 
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after report by johnny SHIDA
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今回は冬のドライヴに似合うサウンドトラックというテーマで選曲してみました。昔はドライブで聴く用に、カセットテープに好きな曲をダビングしてオリジナル・テープを作ったり、MDの時代になってからも同様にエディットして作ったりしていましたが、今はスマホでストリーミングサイトからどんな曲でもポンポンと選んで再生できるので、とりわけ車内でお手軽DJができてしまうわけですよね。あの頃の「世界に一つしかない自分だけのオリジナル・アルバム」なんて発想は無くなり、日常の中の音楽事情も、なんともフレキシブルでフリーダムになったものだと感じます。

そんな中で、じゃあ好きな曲を選んでみようというときに、映画のサントラなんかを果たしてピックアップするだろうか、とお思いでしょうが、これが意外にもやっぱりサントラって言い方を変えれば映像を際立たせる「BGM」であり、光景や風景に対しての音の「演出効果という役割」だったりしますから、場合によってはその楽曲がめちゃくちゃその状況にマッチして、それこそ映画の主人公になっちゃうような瞬間も訪れたりしてしまうわけです。まぁそんなの個人の感想だったりもしますが、少なくとも夜の首都高速を走りながら「ブレードランナー」のラブ・テーマなんかを聴いた日にはかなりヤバい精神状態に陥りますし、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のテーマや「ルパン三世」のテーマなんかが選曲されたりしたら無駄に走行速度があげてしまうような高揚感にも発展したりするわけです(ボクだけでしょうか)。

今回はそんなアドレナリンをあげるような曲は皆無ですが、しかしリズムやBPMがあがればそれに呼応してスピードもアップ、ということは多分にあると思うのです。そのギリギリのところを狙いつつ、エモーショナリズムが高まりドライブと音楽が一体化していくような楽曲を選曲してみたのが今回のリストだったりするわけです。肌感覚がほとんどでピックアップしてますからこのようなリストは日によって、または場所によって変わっていくものだとは思いますが、イメージとしてはMCでもお伝えしたようにひたすら海岸線をあてどなく走っている感じでして、海という大きな印象にいい意味でシンクロするような曲がいいなと思いながら直観9割で選びました。もう何を言っているのかよくわかりませんが、そもそもドライヴってそういう楽しさがあったよなぁというおっさんの嘆きでもあるので困ったものですね。

いくらドライヴとは言え、レフン監督の「ドライヴ」や、コンピサントラCDが大人気になった「ベイビー・ドライバー」なんかからピックアップするのも別にイイと言えばイイのですが、今回は逆に「タクシー・ドライバー」だったり「ドライブ・マイ・カー」のようなイメージでした。バーナード・ハーマンの「タクシー・ドライバー」はトム・スコットのサックスがメロウなおかげでどうしても夜のイメージがありますが、実はどんなときに聴いても何か緊張感から解放されるリラクシン・サウンドです。とは言えハーマン節ですから、いつなんどき転調してダーク・サイドに陥るかわからないという、違う意味での緊迫感もあったりしますが、それもまたエモーショナリズムで面白いですよね。今話題の「ドライヴ・マイ・カー」の石橋英子の音楽も、昼夜問わずに落ち着いて聴ける楽曲ばかりで、これは本編を観た方ならおわかりになると思いますが、とにかく楽曲ひとつひとつが「間(ま)」として成立しているというか、物語と物語を繋ぐためのアナザー・ルートそのものとして成立している音楽なので、だからとても気持ちが良く聴けるのです。さきほど映像を引き立てるBGMという表現をしましたが、「ドライブ・マイ・カー」についてはそういった存在ではない何か不思議な立ち位置が音楽にあるんですね。アンビエントとして感じる瞬間もありますし、まるで小津映画における音楽的演出だなとも感じました。

そんな空気のゆらぎのような音楽が移動する車窓というスクリーンに寄り添うと、文字通り映画の中の一人として気持ちが浸透していく。長々と説明してしまいましたが、今回の曲たちはそんな演出のもとに束ねたサウンドトラックたちでした。


次回、2022/2/6は、特集「やっぱりスピルバーグが好き」をお送りいたします。どうぞ、お楽しみに。

お知らせ
★「seaside theatre」放送回リスト
★志田の番組「波の数だけAOR」公式ブログはこちら。(twitterは@namikazu_AOR)

今週の特集は「あてどない冬のドライヴ・サウンドトラック」
寒い季節はこうしたテーマで選曲したくなるんですね。
今週は結構邦画からのチョイスも多めです。
だって日本のロードをドライブするんですから、
日本の楽曲が似合うに決まってますからね。
BGMにもってこいだし、なかなか捨てたもんじゃないんですよ、
日本映画のサウンドトラックも。
あとは先日急逝したフランスの映画監督、
ジャン=ジャック・ベネックスの追悼コーナーも、
ドライブの流れる景色を見ながら一緒に聞きこんでいきたいと思っています。
どうぞ、お楽しみに。

特集 あてどない冬のドライヴ・サウンドトラック
ザ・ファブル
ルパン三世 カリオストロの城
ドライブ・マイ・カー
君の名前で僕を呼んで
コフィー
タクシー・ドライバーtokyo.sora
ベイビー・ドライバー
シンプルメン
ドライヴ / ヤコペッティの残酷大陸

追悼 ジャン=ジャック・べネックス監督
IP5 愛を探す旅人たち
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今回は冬のドライヴに似合うサウンドトラックというテーマで選曲してみました。昔はドライブで聴く用に、カセットテープに好きな曲をダビングしてオリジナル・テープを作ったり、MDの時代になってからも同様にエディットして作ったりしていましたが、今はスマホでストリーミングサイトからどんな曲でもポンポンと選んで再生できるので、とりわけ車内でお手軽DJができてしまうわけですよね。あの頃の「世界に一つしかない自分だけのオリジナル・アルバム」なんて発想は無くなり、日常の中の音楽事情も、なんともフレキシブルでフリーダムになったものだと感じます。
(以下、OA後UPのafter reportにつづく)

★聴きたいサウンドトラックのご希望にも出来るだけ対応してまいります。
Twitter @SeasideTheatre のメッセージへお送りくださいませ。

Litsen Here
★湘南ビーチFM 公式ホームページから。
★インターネットjpradio.jpやスマホアプリTune In Radioにて湘南ビーチFMを選択
★湘南逗子界隈のリスナーの方々は78.9MHzラジオにてお聴きいただけます。
是非、環境にあったかたちで番組にアクセスしてください。

prologue soundtrack
追悼 ピーター・ボグダノヴィッチ
 ペーパームーン It's Only A Paper Moon  Paul Whiteman & His Orchestra
追悼 シドニー・ポワチエ
 夜の大捜査線 In The Heat Of The Night  Quincy Jones
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特集 デイヴ・グルーシンのグルーヴィンな映画音楽
レーサー Winning  Everybody's Hero(Main Title)
キャンディ/ オーシャンズ12  Ascension To Verginity
卒業 The Graduate  A Great Effect
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ジャスティス And Justice For All  Something Funny Goin' On
天国からきたチャンピオン Heaven Can Wait
チャンプ The Champ
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トッツィー Tootsie  An Actor's Life
恋におちて Falling in Love  Mountain Dance
テキーラ・サンライズ Tequila Sunrise  Jo Ann's Song  (feat. David Sanborn)
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フォー・ザ・ボーイズ For The Boys  Dreamland  Bette Midler  music by Dave Grusin
ザ・ファーム 法律事務所 The Firm  How Could You Lose Me?
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黄昏 On Golden Pond
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after report by johnny SHIDA
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デイブ・グルーシンの特集は前々からやってみたかった企画です。70年代中頃からのフュージョン・ブームの波に、ジャズ出身のグルーシンはうまく乗って一躍時代のサウンド・メイカーになった印象があり、気に入ったサウンドトラックが多々あったからです。それまで「キャンディー」や「卒業」などでそつなく、しかしグルーヴィンなBGMを提供していた彼が、映画音楽家として頭角を現してきたのはやはり70年代後半、いわゆる80s前夜あたりからのことかと窺えます。

グルーシンの奏でる音楽はジャズが土台に敷かれているためか、基本的にクールさが際立つためグルーヴが目立つのはそのためだと思いますが、一方でそこに彼の個性とも言うべき印象的なポップなメロディーが描かれるので、どれも聴いていて単なる映画音楽ではない、ジャズ・フュージョンとして楽しめる曲が多いと感じています。劇伴というよりグッド・インストゥルメンタルというべき楽曲たちなんですね。「ジャスティス」や「天国からのチャンピオン」、「トッツィー」などはその代表例で、シリアス、ヒューマンドラマ、コメディーなど、ジャンルは違えどなぜかサウンドトラック・アルバムがグルーシンのジャズ・フュージョン・アルバムとしてしっかりと成立している、そんな類まれなるスタイルも時代性が色濃く出ていて、特に80s育ちの自分としては映画本編ともども、とても気に入っているのです。

こうしたエリアから映画の世界で活躍したアーティストは他にあまり見受けられないんですね。チャック・マンゾーネやボブ・ジェームズなど、楽曲単体が映画とジョイントするようなことはあっても(例えばマンゾーネは「キャノンボール」、ボブはテレビシリーズの「タクシー」など)、グルーシンのようにサウンドトラック全般を手掛けるとなるとなかなか他に例がなかったかと思われます。デヴィッド・フォスターはどちらかと言うとAORエリアの人ですが、割とこのジャズ・フュージョン系、アダルト・コンテンポラリー系としても評価されることがあり、そういう意味ではグルーシン同様映画界へしっかりと一時代コミットしていったコンポーザーだと言えます。要はプレイヤー・アーティストではなく、コンポーザー・アーティスト気質が強い作家の方が、映画との相性が良かったということなんでしょうね。

日本で一番近い存在で言うとやはり大野雄二が挙げられます。氏もジャズ・ミュージシャンとして活躍したのち、テレビドラマやCMの音楽を多く手掛けてきたコンポーザー・アーティストです。当然ルーツはジャズですから、グルーヴィンなところはグルーシンと同じ匂いを感じるんですね。代表作「ルパン三世」や、角川映画などの担当したサウンドトラック・アルバムを聴くとそれがさらに理解できますが、アルバム一枚が劇伴集ではなく、完全にジャズ・フュージョン・アルバムとして成立しているわけです。これはもう日本のグルーシンと呼ぶに相応しい存在ですよね。大野雄二もグルーシンもほぼ同時代に映画界で活躍していたことからも、とても比較しがいのあるコンポーザー・アーティストだと思っています。大野雄二の映画音楽も隙あらばチョイスしてOAしているのですが、是非特集としてトライしてみたいですね。

次回、2022/1/30は、特集「あてどない冬のドライヴ・サウンドトラック」をお送りいたします。どうぞ、お楽しみに。

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今週の特集は「デイヴ・グルーシンのグルーヴィンな映画音楽」
文字通り、ジャズ・フュージョン / クロスオーバーの雄、
デイヴ・グルーシンが手がけた映画音楽を多々お送りいたします。
実はこれまでも結構グルーシン・サウンドトラックは選曲しているのですが
こうして特集として組むのは初めてなんですね。
グルーヴとは言え、ソフトでメロウなサウンドもスタンバイ。
是非、個性溢れるグルーシン・グルーヴをお楽しみに!
★追悼 ピーター・ボグダノヴィッチ&シドニー・ポワチエの映画音楽も準備中です。

特集 デイヴ・グルーシンのグルーヴィンな映画音楽
レーサー
キャンディ/ オーシャンズ12
卒業
ジャスティス
天国からきたチャンピオン
チャンプ
トッツィー
恋におちて
テキーラ・サンライズ
フォー・ザ・ボーイズ
ザ・ファーム 法律事務所
黄昏
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デイヴ・グルーシンの特集は前々からやってみたかった企画です。70年代中頃からのフュージョン・ブームの波に、ジャズ出身のグルーシンはうまく乗って一躍時代のサウンド・メイカーになった印象があり、気に入ったサウンドトラックが多々あったからです。それまで「キャンディー」や「卒業」などでそつなく、しかしグルーヴィンなBGMを提供していた彼が、映画音楽家として頭角を現してきたのはやはり70年代後半、いわゆる80s前夜あたりからのことかと窺えます。(以下、OA後UPのafter reportにつづく)

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prologue soundtrack
01 グッドモーニング・ベトナム Good Morning Vietnam  
DJ Dialogue by Robin Williams ~What A Wonderful World  Louis Armstrong
✻安岡さんご希望曲
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特集 クリント・イーストウッドのメロディー
02 クライ・マッチョ Cry Macho Find A New Home Will Banister
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03 荒野の用心棒 A Fistful of Dollars Titoli(さすらいの口笛) Ennio Morricone
04 奴らを高く吊るせ! Hang 'Em High Dominic Frontiere
05 荒鷲の要塞 Where Eagles Dare Ron Goodwin
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06 恐怖のメロディ Play Misty for Me Misty Eroll Garner
07 ガントレット The Gauntlet  Jerry Fielding
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08 ダーティー・ハリー Darty Harry Darty Harry's Creed Lalo Schifrin
09 ダーティー・ハリー4 Sudden Impact San Francisco After Dark Lalo Schifrin
10 シティヒート City Heat Joe Williams
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from japanese ost[番外編]
11 硫黄島からの手紙 Letters From Iwo Jima Kyle Eastwood & Michael Steevens
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epilogue soundtrack
12 ハドソン川の奇跡 Sully Flying Home(Sully's Theme) The Tierney Sutton Band 
13 許されざる者 Unforgiven Claudia's Theme Lennie Niehaus & Clint Eastwood
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after report by johnny SHIDA
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自分にとってのイーストウッドは中学生のときにテレビで観た「アルカトラズからの脱出」でした。脱獄モノの傑作中の傑作で、その主人公であるイーストウッドのなんたる堂々とした脱走の準備っぷりよと、ブラウン管に釘付けになって観た記憶があります。しかもこう言ったらなんですがめちゃくちゃ暗い映画なんですね。だけどどうなるどうなる?とワクワクしながら観てしまう。この映画は当時度々テレビで放映されていたのでそのたびに必ず再見してましたね。当然ビデオにも録りましたしDVDも買いました。それぐらいあの淡々とした脱獄劇を追走することにハマっていたのです。

今考えるともちろんドン・シーゲル監督のドキュメンタリズムを盛り込んだ演出の手腕も傑作である理由とは思うのですが、やはりイーストウッドのあの無心で朴訥とした演技が凄い。しかもその内には、この脱走は絶対に成功させねばならないという、自由を掴み取るための信念と、モラルのないアルカトラズ刑務所、及びその看守関係者たちへの怒りの思いがマグマのように煮えたぎっていて、それがもうじわじわと伝わってくる。そうした名演が、極めて自然にあの映画全体をとりまく緊張感にも繋がっているんですよね。その後のイーストウッドの映画を観ても、たとえ脱獄者や用心棒やダーティーな刑事を演じようと、あの鋭いハンターのような目で凄味をきかされたら作品の世界観なんて簡単に左右されてしまうんですね。それぐらい個性が強いイーストウッドによるイーストウッド映画でしかないと思いながら観ていました。

あわせて「ダーティー・ハリー4」や「ハートブレイク・リッジ」、「ルーキー」などで、この人は監督もやるんだなと認識しました。70年代の監督作「恐怖のメロディ」もややアメリカン・ニューシネマな雰囲気もあって良かったですね。その後90年代に入ってからはそれまでのクール&ワイルドキャラからなんとなく正義感を持った役が多くなっていった印象もありました。年齢が増していくとやはり演技がさらに重厚になっていくのかと思いきや、しかしながらイーストウッドは決してアメリカの象徴のようなキャラでも、ハリウッドを牽引していくような存在でもないんですね。たとえ正義感に満ち溢れていてもヒーローではないというか、あくまでもワン・アンド・オンリー、孤高のスタンスだけは変わらない、そんな印象もまた大きくあったような気がします。

そして、現状未だにその印象が変わらないということが凄いじゃないですか。映画で残すべきジャーナリスティックな視点でのノンフィクションものや、人間の真なるドラマとして胸を打つ題材など、映画人としての役割を淡々と粛々と作り続けている。ただそれだけのスタンスなのに、その姿とアプローチがいかに重要で大切なものか。イーストウッドがレジェンドと謳われる理由は、まさにそんな「映画」の扱い方にまっすぐ真摯なところであるからこそだと、思ったりするのです。

次回、2022/1/23は、特集「デイヴ・グルーシンのグルーヴィンな映画音楽」をお送りいたします。どうぞ、お楽しみに。

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91歳にして現役バリバリの映画界レジェンド、
クリント・イーストウッド!
最新作「クライ・マッチョ」公開タイミングにて、
満を持しての氏の特集を組めることを嬉しく思います。
マカロニ・ウエスタン、戦争映画、サスペンス、
アクション、そして人間ドラマ…
様々なジャンルでもイーストウド節はすべてに君臨。
まさにレジェンド中のレジェンドの作品群、
そのサウンドトラックを存分に堪能してください!

特集 クリント・イーストウッドのメロディー
荒野の用心棒
奴らを高く吊るせ!
荒鷲の要塞
恐怖のメロディ
ガントレット
ダーティー・ハリー
ダーティー・ハリー4
シティヒート
許されざる者
硫黄島からの手紙
ハドソン川の奇跡
クライ・マッチョ
★そしてエピローグ・サウンドトラックもいつものようにまったりと…。
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自分にとってのイーストウッドは中学生のときにテレビで観た「アルカトラズからの脱出」でした。脱獄モノの傑作中の傑作で、その主人公であるイーストウッドのなんたる堂々とした脱走の準備っぷりよと、ブラウン管に釘付けになって観た記憶があります。しかもこう言ったらなんですがめちゃくちゃ暗い映画なんですね。だけどどうなるどうなる?とワクワクしながら観てしまう。この映画は当時度々テレビで放映されていたのでそのたびに必ず再見してましたね。当然ビデオにも録りましたしDVDも買いました。それぐらいあの淡々とした脱獄劇を追走することにハマっていたのです。
(以下、OA後UPのafter reportにつづく)

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prologue soundtrack
01 サンダーバード Thuderbirds Are Go! (Pressure Mix)  remixed by 3 to The Power
original material by Barry Gray
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特集 ロック・ミュージシャンと映画の関係
02 トミー Tommy  Pinball Wizard  Elton John
03 ピンクフロイド ザ・ウォール  The Wall
Another Brick In The Wall  Pink Floyd
04 フラッシュ・ゴードン  Flash Gordon  Flash's Theme   Queen
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05 SING/シング: ネクストステージ Sing 2  Your Song Saved My Life  U2
06 ベルベット・ゴールドマイン Velvet Goldmine  Ladytron  Venus In Furs feat.Thom Yorke
07 マン・オン・ザ・ムーン Man On The Moon
 Mighty Mouse Theme(Here I Come To Save The Day)  The Sandpipers
 The Great Beyond  R.E.M.
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08 ラビリンス 魔王の迷宮 Labyrinth  Magic Dance  David Bowie
09 ホームボーイ Homeboy  Eric Crapton
10 ソウルフル・ワールド  Soul  Just Us  Trent Reznor & Atticus Ross
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from japanese ost
11  119  夢見るシーサイドライン 忌野清志郎
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epilogue soundtrack
12 LIFE!/ライフ The Secret Life of Walter Mitty
  Space Oddity(Mitty Mix)  David Bowie with Kristen Wiig
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after report by johnny SHIDA
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去年のこの時期はデヴィッド・ボウイの命日追悼ということでボウイ映画を徹底して集めてお送りしました。今年は命日が放送日の翌日なのでもちろん追悼しなければと思ったのですが、去年と一緒にするわけにもいかないかなと、ロック・アーティストと映画というテーマにし、そこにボウイ映画(楽曲)も盛り込んでいくことにしました。なんでいきなりロック・アーティストと映画の関係なのかと思われたかもですが、理由はそういうことです。

で、いざそんな映画を集めようと調べ始めると、案外他の特集でかけてしまっている映画ばかりでなかなか新鮮味がない。夏に「seaside thatre ROCK MOVIE FES」などと銘打って、クイーンもエルトンもU2もスティングもかけまくってしまっているから、ここともカニバらないよう選曲しなくてはと、案外苦労してしまいました。それでもあるんですね、まだまだロックな映画たちが。まぁアーティストがダブってしまうのはご勘弁いただくとして、クイーンの「フラッシュ・ゴードン」があったじゃないかと、U2は久々新曲で映画に提供しているぞと。あとはザ・フーの「トミー」やピンクフロイドの「ザ・ウォール」なんかも記憶の中から蘇ってきたり、クラプトンも何かあった筈だと思って調べたら、そうそう「ホームボーイ」があるじゃないかと。そんに風に集まった曲たちの中になんとなくボウイを潜りこませ、オーラスでもフィーチャーする構成にして、少なからずなんとか今年も追悼いたしました。

もともと映画も好きならロックも大好きなのでこういう特集を製作するのは楽しかったです。他にもこれまで別途かけてきたロック映画はたくさんありますし、さらに深堀りさせていくと結構果てしない内容になるのだろうとも思ったり。というのも、そもそもロック映画の根源とは?となると、50年代中半の「監獄ロック」のプレスリーまでさかのぼらなくてはなりませんし、その少し前にはビル・ヘイリーの「ロック・アラウンド・ザ・クロック」をフィーチャーした「暴力教室」といった作品もあるんですね。さらに過去になるとブルーズやジャズなどの時代なのでなかなかロックとは言えなかったりするのですが、考えてみたらこのあたりもルーカスの「アメリカン・グラフィティ」なんかと一緒にかつてかけたりしていました。かたちを変え構成を変えながらロックと映画の関係は結構度々取り上げていたので、そういえばそんなオールディーズのロックも盛りこんだことで新旧ミックスされ、結構面白い内容になっていたっけ、と思い出しました。

ロック・アーティスト自体も随分いろいろと映画と絡めて特集してきましたが、その究極はやっぱりデヴィッド・ボウイでしたね。彼ほど映画との親和性を訴えてきてくれるアーティストはいなかったと思っています。あとフィーチャーしてみたいのはやはりU2でしょうか。ボウイほどではないですが、一時期ヴェンダースとの蜜月で深く映画と関わっていた時期があり、以降は主題歌や挿入曲など、結構映画絡みで発表された楽曲があります。いつかやりたいと思っていたので、そろそろでしょうかね。「バットマン・フォーエバー」や「ギャング・オブ・ニューヨーク」、「トゥームレイダー」に「シティ・オブ・エンジェル」。ほっとくと全てボーカル曲のU2ナイトになりそうですが、それで新たにその映画たちを観てみたいと思っていただけるとすれば、それもまた良し。であれば理屈は置いといて、がんがんお送りしたいと思うのであります。映画の魅力はそうやって広がっていくものでもあるんですよね。

次回、2022/1/16は、特集「クリント・イーストウッドのメロディー」をお送りいたします。どうぞ、お楽しみに。

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今週の特集は「ロック・アーティストと映画の関係」と題して、
ロックがフィーチャーされている、
またはロック・アーティストが音楽を手掛けていたり、
映画製作に絡んでいるような作品群をピックアップしてみました。
ロックと映画の関係、なかなかあなどれないので、
一緒に調査・分析してみましょう。
そして、あの人の追悼もあわせて…

特集 ロック・アーティストと映画の関係
トミー
ピンクフロイド ザ・ウォール
フラッシュ・ゴードン
SING/シング: ネクストステージ
ベルベット・ゴールドマイン
マン・オン・ザ・ムーン
ラビリンス 魔王の迷宮
ホームボーイ
ソウルフル・ワールド
★日本映画からもリラクシンなサウンドトラックをスタンバイ。
★そしてエピローグ・サウンドトラックもいつものようにまったりと…。
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去年のこの時期はデヴィッド・ボウイの命日追悼ということでボウイ映画を徹底して集めてお送りしました。今年は命日が放送日の翌日なのでもちろん追悼しなければと思ったのですが、去年と一緒にするわけにもいかないかなと、ロック・アーティストと映画というテーマにし、そこにボウイ映画(楽曲)も盛り込んでいくことにしました。なんでいきなりロック・アーティストと映画の関係なのかと思われたかもですが、理由はそういうことです。(以下、OA後UPのafter reportにつづく)

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特集 新年、映画音楽の響き
ロッキー Rocky Gonna Fly Now Bill Conti
ロッキー3 RockyⅢ Eye Of The Tiger Survivor
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スター・トレック Star Trek-The Motion Picture Jerry Goldsmith
ジーザス・クライスト・スーパースター Jesus Christ,Superstar Superstar The Cast music by  Andrew Lloyd Webber
野生のエルザ Born Free John Barry
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ビッグ ウェンズデー Big Wednesday/Summer Of Innocence Big Wednesday Montage Basil Poledouris
ライトスタッフ The Right Stuff Yeager's Triumph Bill Conti
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アリー/ スター誕生 A Star Is Born
Trust Me [Dialogue] A Star Is Born 2018 Film Cast
Shallow(シャロウ 『アリー/ スター誕生』 愛のうた) Lady Gaga & Bradley Cooper
バック・ドラフト Backdruft The Show Goes On Bruce Hornsby & The Range
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from japanese ost
東京家族 久石譲
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リバー・ランズ・スルー・イット A River Runs Through It Mark Isham
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after report by johnny SHIDA
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2022年でございます。新年を迎えたとはいえ、当番組は粛々と進み続けるのですが、今年最初ということもありますのでできるだけリラクシンでたゆたうような楽曲をピックアップしましたので、是非お休みの日の夜のBGMにしていただけたなら幸いです。既に眠りにつかれているなら尚嬉しい限りですが。さて、2022年はどんな一年になるでしょうか。当番組ではいよいよリアル・イベントを仕掛けていこうと企んでいますので、うまくいけば夏頃にはseaside theatreだよ全員集合的なことが実現できるかもしれません。あと個人的なことを言えば去年よりももっと映画を観まくりたいですね。正直2021年は何かと忙しくてなかなか映画が観れなかったんです。こういう番組をやっていながらそれどうなの?という感じですが、裏を返せば忙しくても観たい映画があまりなかったんですね。基本的に観たいと思った映画を観るというのが信条なので、残念ながら(コロナ禍で劇場に行けなかったということもありますが)鑑賞履歴は激減したのです。

そのかわりテレビOAしている映画や配信などでは割と観たほうでしょうか。そういう場合はあまり「観た」というカウントにはしていないのですが、まぁそれでも結構観ました。世代的に吹替も好きなのでテレビでやる映画は楽しく観てしまうのと、配信にもちゃんと吹替版があるのでちょいちょい観てました。考えてみるとビデオレンタル店にも行かずに配信で観れること自体随分時代が変わったと思いますよね。コロナ禍によるステイホームのせいでリモート・ワークが主流になったということもきっかけとしてはありますが、正直これまでは片足つっこんでたくらいだったのでここで一気に配信ファーストになりつつです。良くも悪くも映画が身近にあるということは自分的にはイイことなんですが、まぁ相変わらず観たいと思う映画は映画館へ行って観たいもんだとは思っています。強いこだわりとまでは言いませんが、やっぱり、ね。

あと今年なんとか実現したいと思うのは、いい加減ハワイに行きたいということでしょうか。いや冗談ではなく、本当に行きたいのです。自分の故郷みたいに思っていますし、前世はハワイアンだと信じて疑わないほどなので、これでもうどれぐらい行けてないのだろうと思うと本当に眉間に皺がよりまくります。ハワイに行くとかなりパワーチャージされますし、この2,3年はコロナ含めてライフ・ダメージも多々あったのでさっさとハワイの海へ飛び込みすべてを浄化させてエネルギーを溜め込みたいなと。それができないのですっかり今は逗子にて癒されているわけですが、そろそろハワイにも行かねば本当に干からびてしまいそうでして。どうでも良い話ですが、自分的には最重要問題であります。

自分のことばかり綴って申し訳ないので映画の情報も。もう終わってしまうかもしれませんがジョン・ベルーシのドキュメンタリー「ベルーシ」はその構成と演出はともかく情報量は多かったので楽しかったです。ブルース・ブラザーズのアイディアはダン・エイクロイドからと思っていましたがこの映画を観るとブルーズにハマったベルーシの発案だったそうなんですね。脚本にエイクロイドが入っているからもちろん彼もブルーズ狂なんですが。あと日本映画の「ファブル」をなんとなく観ていたらこれ結構音楽がニクイことしていました。ルパン三世の曲みたいなのを自然にぶち込んでくるなぁと思って調べたらホントにチャーリー・コーセイのボーカル曲でした。これはいつか番組でかけるぞと思いましたね。グッド・チューンでした。そのほか、三船敏郎のドキュメンタリー「MIFUNE : THE LAST SAMURAI」はスティーブン・オカザキの監督作で、彼は「リビング・オン・TOKYOタイム」という映画で80年代に注目されたんですがもともとはドキュメンタリー映像作家なので、今でも初志貫徹されていて凄いなぁと思ったりしました。構成力が素晴らしい作品で音楽の使い方もとても良かったです。まぁこんなふうにちょいちょい映画を観ていますが、さらに2022年はどっぷり映画に浸っていきたいですね。ハワイももちろんですがやっぱり映画と音楽が自分のパワーの源ですので、これらをまだまだ貪欲にがっついていかないと新たなアイディアも生まれてきませんからね。

そういうわけで新たな時代の新たなアプローチがまたどんどん増やしていきたいと思います。期待してくださいね。seaside theatre, and other appearance. 今年もナニトゾ、ナニトゾでございます…。

次回、2022/1/9は、特集「ロック・アーティストと映画の関係」をお送りいたします。どうぞ、お楽しみに。

お知らせ
★「seaside theatre」放送回リスト
★志田の番組「波の数だけAOR」公式ブログはこちら。(twitterは@namikazu_AOR)

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