特集「モンドサントラ A GO GO!」
01 ベイビー・ドライバー Baby Driver Simon & Garfunkle
02 シャレード ★チャロさんご希望曲
03 バーバレラ Barbarella The Glitterhouse & Bob Crewe 04 ナック The Knack And How To Get It John Barry 05 唇からナイフ Modesty Blaise David & Jonathan
feat. Almando Trovajoli / アルマンド・トロヴァヨーリ 06 黄金の七人 Sette Uomini D'oro 07 続・黄金の七人 レインボー作戦 Il Grande Colpo Dei Sette Uomini D'oro 08 新・黄金の七人 7×7 7volte7 09 黄金の七人 1+6エロチカ大作戦 Homo Eroticus
10 紳士泥棒/大ゴールデン作戦 After The Fox Peter Sellers & The Hollies 11 欲望 Blow-Up(Main Title?Bring Down The Birds) Herbie Hancock
12 茂みの中の欲望 Here We Go 'Round The Mulberry Bush Traffic 13 あの胸にもういちど Girls On A Motorcycle Les Reed
from japanese ost 14 窓からローマが見える Roma Dalla Finestra(The Green Rake?Olga's Theme) Paul Mauriat
15 続・エマニエル夫人 Emmanuelle2(L'amour D'aimer) Sylvia Kristel & Francis Lai 16 世界残酷物語 Mondo Cane(More) Nino Oliviero / Riz Ortolani
after report by johnny SHIDA
03 バーバレラ Barbarella The Glitterhouse & Bob Crewe 04 ナック The Knack And How To Get It John Barry 05 唇からナイフ Modesty Blaise David & Jonathan
feat. Almando Trovajoli / アルマンド・トロヴァヨーリ 06 黄金の七人 Sette Uomini D'oro 07 続・黄金の七人 レインボー作戦 Il Grande Colpo Dei Sette Uomini D'oro 08 新・黄金の七人 7×7 7volte7 09 黄金の七人 1+6エロチカ大作戦 Homo Eroticus
10 紳士泥棒/大ゴールデン作戦 After The Fox Peter Sellers & The Hollies 11 欲望 Blow-Up(Main Title?Bring Down The Birds) Herbie Hancock
12 茂みの中の欲望 Here We Go 'Round The Mulberry Bush Traffic 13 あの胸にもういちど Girls On A Motorcycle Les Reed
from japanese ost 14 窓からローマが見える Roma Dalla Finestra(The Green Rake?Olga's Theme) Paul Mauriat
15 続・エマニエル夫人 Emmanuelle2(L'amour D'aimer) Sylvia Kristel & Francis Lai 16 世界残酷物語 Mondo Cane(More) Nino Oliviero / Riz Ortolani
after report by johnny SHIDA
モンドという定義、嫌いじゃないんです。しかも単なる自己定義ですが、"ちょっと変わってる" という総体的イメージなんですね。映画でも音楽でも、やや基本からはみ出ているような、よく言えば"新たなアプローチ"、逆に言えば"脱線気味でなんだか変"、みたいな。そんな脇道にそれたような演出やサウンドメイキングを作品に昇華させているものたちを、自分としては "モンドだなぁ、うん、これはモンドだ" と決めつけ、また愛でているわけです。
芸術臭が匂えばもはやシネフィルだし、技巧派でテクニックがあればその音楽はプログレと言われるでしょう。でも"モンド"はそんな高尚なフィールドには入りません。映画館で言えばユーロスペースかアップリンクか、音楽で言えばブックオフのCDコーナーの380円以下の棚にあるCDたち。それぐらい評価は割れ、でも人によっては個人的偏愛度がとても高い存在、だったりするんですね。(決して卑下してません。寧ろ大好物で褒めています...念のため。)
芸術臭が匂えばもはやシネフィルだし、技巧派でテクニックがあればその音楽はプログレと言われるでしょう。でも"モンド"はそんな高尚なフィールドには入りません。映画館で言えばユーロスペースかアップリンクか、音楽で言えばブックオフのCDコーナーの380円以下の棚にあるCDたち。それぐらい評価は割れ、でも人によっては個人的偏愛度がとても高い存在、だったりするんですね。(決して卑下してません。寧ろ大好物で褒めています...念のため。)
さて、そんな"ちょっと変わってる" 映画に出会うと、サウンドトラックにも期待が高まります。やはり郷に入れば郷に従え。ちょっと変わった音楽との出会いにもなっていくもので、結果それらが"モンドミュージック"と称される事も合点がいくわけです。今回ご紹介した「世界残酷物語」がその筆頭のようでして、いわゆる悪趣味風習ドキュメンタリーの元祖、だけど何故か世界中で大ヒットしてしまい、人間の持つ卑き好奇心がビジネスになるという、やや不快な実績をもたらしてしまった特殊ケース。文字通りモンドな展開という他ありませんよね。しかしさらにおかしな事に、この映画のサウンドトラックが意に反して美しすぎる名曲な出来栄えだったと。映画同様大ヒットになったメインテーマのコンポーザーはイタリアの作曲家、リズ・オルトラーニですが、アメリカ興業の際にそのメロディーに(勝手に)歌詞が付けられ、タイトルも「モア」と改題。より極上のラウンジソングに生まれ変わり、アンディ・ウィリアムズやシナトラまでもがライブのレパートリーに入れ始めるわ、どんどん楽曲が一人歩きしていって、当のオルトラーニ自身の知らぬところでいつの間にか自身の代表曲に成りあがっていった、なんてエピソード、全くもってして"モンド"な現象ですよね。(因みにあの最悪映画「食人族」の音楽もオルトラーニなんですが、これがまた素晴らしく美しいメロディー楽曲でなんなんだという感じでして...)
つまりそういう、へぇ〜なんか変!でもイレギュラーで面白い...、と言えるもの、好きなんですよね。そもそも映画が好きでハマってしまった人、音楽が好きでハマってしまった人たちにも、そういう傾向、あると思うんです。マニアな沼にハマってしまったというか、掘れば掘るほどハマるというやつ。90年代に流行ったリバイバルブームなんかは、そんな動きがうまく時代とマッチした例ですよね。60年代スウィンギンロンドンやヌーヴェルバーグ、70年代のアメリカンニューシネマやレアグルーヴサウンド、それらがミュージシャンやサブカル・ナビゲイターらによって、エッジが効いてたあの時代、オシャレでしょ?とレコメンドや焼き直しがなされ、同時に渋谷HMVが開店してそれらにまつわるCDやレコードやビデオが輸入され、カルチャーアンテナを張っていた若者たちの溜まり場、というか聖地にまでなっていったと。フリッパーズ・ギター、ピチカート・ファイヴなどが牽引し、そこに小泉今日子や渡辺麻里奈といった芸能界隈の方々まで合流。音楽用語としての"渋谷系"というキーワードも広がり、映画界でもかつてのモンドなレアムービーやインディペンデントムービーらが、渋谷はシネマライズや、前述したユーロスペースとか、PARCOスペースパート3、ステージラボなどで、続々リバイバル公開され始めました。オルトラーニの「モア」が再評価されたのもこの時期でしたし、かつて中古レコード屋で100円盤だったサントラも無駄に高値が付いたりしたものです。沼にハマれば皆もモロともな、とにかくこれも極端なイレギュラー・ムーブメントだったとは思いますが、未だにそれらかつての埋もれがちだったコンテンツの数々が伝承されているのは、そんなリバイバルな動きがあったからこそ、と言えたりするんですよね。全く、面白いものです。
ただ、自分はこのブーム時は会社員として働き始めだったので、正直10代の頃ほどそういう流れに乗ってハマりはしなかったのです。側から眺めていて、今頃そんな映画や音楽が流行るなんて、よほど熱中出来る新しい何かが周りに無いんだなぁとか、斜に構えていたりしていました。その頃リバイバルされていた映画は既に以前ほとんど観ていたものばかりでしたし、音楽も60sや70sの塗り直しばかりで何だか興醒めしていたんですね。でも多分どこかで、仕事が忙しく学生時代みたいに自由な時間が全く無くなってしまった事からの僻みもあったのかもしれません。結局映画好きですし、気になった作品はどんなに忙しくても観に行っていたわけで、音楽好きなのも基本的にずっと変わりませんので、今思えば、僻みながらもいちいち情報だけはチェックしていたなと。だから、いまだにモンド界隈の知識だけは蓄積されているのかな?と思ったりするのです。
次回は特集「ジェームズ・ディーンという名の青春」をお送りいたします。
お楽しみに。