"seaside theatre" from shonan beach FM 78.9

with DJ johnny SHIDA since2020

2020年07月

seaside theatre #18
2020.8.2 play list

prologue
01 インターステラー Interstellar
  (Do Not Go Gentle Into That Good Night〜Cornfield Chase) Hans Zimmer
02 エターナル・サンシャイン Eternal Sunshine  Jon Brion
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Featuring
特集 いつか見た未来は今
03 未来は今 The Hudsucker Proxy  Carter Burwell
04 未来世紀ブラジル Brazil (Central Service) Michael Kamen 
05            (Sam Lowry's 1st Dream) Kate Bush
seaside theatre_18_3
06 フィフス・エレメント The Fifth Element (Five Millenia Later) Eric Serra
07 ブレード・ランナー Blade Runner  (Main Title) Vangelis
08 メトロポリス The Legend Of Babel  Giorgio Moroder
seaside theatre_18_4
09 A.I.  For Always  Josh Groban & Lala Fabian / Music by John Williams
10 フォーエバーヤング Forever Young (Love Theme From  Forever Young) Jerry Goldsmith
seaside theatre_18_5

from Japanese ost
11 海辺の映画館 キネマの玉手箱
  別れの曲(ピアノ 大林宣彦) 〜オープニングテーマ 山下康介
seaside theatre_18_6

epilogue
12 グッド・ウィル・ハンティング/ 旅立ち Good Will Hunting  Danny Elfman(かりやんさんご希望曲)
13 ノッティングヒルの恋人 Notting Hill (Notting Hill) Trevor Jones
14                  (She) Elvis Costello (遊迦さんご希望)
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opening / ending
from Le Grand Bleu (Deep Blue Dream) Eric Serra
BGM
Talk To Him Eric Serra
Abandoned In The Woods John Williams



after report by johnny SHIDA
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いつか見た、というキーワードは大林宣彦監督の「EMOTION=伝説の午後=いつか見たドラキュラ」からの引用で、未来は今、はコーエン兄弟の映画タイトルそのままで、この二つが自分の中で無意識に合流していたのが、今回の特集タイトルです。

前々から映画の中の"未来像"に関しては漠然と興味を抱いていて、それはまさに2000年代に入った辺りから、現実が映画に追いついてしまった頃からでしょうか。かつての映画の中での未来像は空想アイディアで溢れていて、特に世代的には「バック・トゥ・ザ・フューチャーII」あたりなどはかなり楽しい世界観でしたが、昨今はより現実的な描写、つまり既に想定未来が今と重なり、単なる空想論だけでは茶番になってしまうと。するとあらゆる検証と分析を駆使し、近未来に有り得るであろう、ある程度の"予見事象"を"リアルフィクション"として物語に導入するケースが増えてきた、そう捉え始めたんですね。はい、簡単に言います。「これまだ実際は無いけど、もうちょいで出来ちゃうでしょ」というニュアンスです。

まだミニチュア撮影が普通だった「ブレード・ランナー」などから果敢にトライアルされてきた"未来像の提示"は、CG全盛になってからはその表現域の拡大からあらゆるイメージが具現化されて溢れ出し、やや食傷気味になりつつあった事も否定出来ません。だからこそ、サイエンス・フィクションの時代からサイエンス・ファクト=リアル・フィクションの時代へと提示の仕方も変わっていったのではないかと思うのですね。「マイノリティ・リポート」の非接触型スクリーンや網膜スキャナー、「A.I.」における思考成長型コンピューターの在り方などはそういう類いかなと思いながら観ていた気がします。

面白いのはそういった未来像を描いてきた映画たちも、時を経て進化していけば行くほど、その未来すら過去になっていくという事です。今描いた未来が明日には過去になる、その未来が今、という意識。映画の歴史ならではのタイム・パラドックスではないでしょうか。時が経てば古くなる、そんなの当たり前じゃんというかもしれませんが、私たちが持っていた未来への意識を思い返せば、この時間軸の反転を面白がれるかもしれません。

とにかくそんな小難しい事を考えながら、最終的にはシンプルに、未来を描いた映画たちのサウンドトラックを編纂してみようと企画を温め始めていました。するとそこに、大林監督のコロナ禍で公開延期になっていた最新作「海辺の映画館 キネマの玉手箱」の公開再設定日の報せが届いたのです。7月31日。これだ、と未来映画企画をこのタイミングで放送しようと決めました。

映画「海辺の映画館 キネマの玉手箱」は、映画そのものがタイムマシーンみたいなものなんですね。監督はそのタイムマシーンを映画館に見立て、我々観客全てが乗客、という設定ではないかと捉えています。運転手はもちろん大林監督で、その集合体全体を"キネマの玉手箱"とネーミングしたわけです。

そこには過去、現在、未来が交錯し、因果応報と現況継続、そしてこれからの試練と希望が描かれています。この凄惨な過去が未来の姿だとしたら?あるいは現在が過去の焼き直しで、繰り返す未来はレベルアップされた過去なのでは?と、あらゆる時空の亡者となって判断が乱れていきさえします。そんな映画が、監督の追悼と共に遂に公開となる。まさにそのタイミングと意識は、いつか見た、未来は今、と繋がったわけです。

また偏屈な説明になってしまいましたが、気軽なノリでSF映画特集と捉えていただいていても全然大丈夫です。情感溢れるサウンドトラックたちが、そのメッセージをささやかに補完してくれていると思いますので…。



コンシェルジュのつぶやき…(Twitterより)
先日の"特集 波の数だけサントラを" の放送の最後に、ロバート・ゼメキス監督、トム・ハンクス主演「キャスト・アウェイ」のサントラ(音楽はアラン・シルヴェストリ)をかけたのですが、このエンドロール曲は後半になると波の音と短いオーケストラの単音を繰り返すだけの、いわゆる環境音と単なる楽器音がそれぞれ独立して現れるアンビエントな構成となっていて、リスナーの方々にこういう(ある意味実験的な)曲というものは果たして受け入れてもらえるだろうか?と不安だったのですが、全く杞憂で、寧ろそのコンセプトをしっかり理解していただき、多々好評を得られたので、選曲した者にとっては本当に嬉しかったです。当番組のリスナーの皆さんの感性、素晴らしいですね。



コンシェルジュのつぶやき…(にしては長文)
北野武監督論を請われたのでちょっと考えてみました。まず異業種監督でありながら多々作品を撮り続けている事には脱帽します。他でも述べたように一時期異業種監督祭りになった時代がありましたが、北野氏は止まらずに作品を発表していて、かつそれぞれに話題性もあるし評価が高いものもあり、何より自身が映画作りを楽しんでいるように感じるんですね。それが無い人たちに映画作りは続かない。まずそこが前提にあると思います。北野氏は映画が好きで寧ろ監督に専念したいくらいなんでしょうね。その背中を押すのはやはり氏の類稀なる感性だと思います。映画監督に必要なのはその感性=ビジョンを、いかにあらゆる要素らでまとめて総合芸術に着地させるか、これに尽きると。長回しで一気に撮りたい、殺陣に頼らずリアルに表現したい、シネフィルに気取らず印象的なメロディーを付けたい、時代考証は無視してファンタジーでいきたい、などなど。北野氏には明確なイメージと映画的ビジョンがあり、それらをしっかり映像化させるディレクション力もある。でなければあれだけの個性的な作品群を連発するのは不可能だし、亜流であれば途中で失速するに決まっているからです(そういう監督もたくさんいます)。

で、作品論。これだけバラエティーに富んだ作品たち一つ一つを語ると大変ですし、自分も全て観ているわけではないので総論で。「cool」「alone」「sexism」。キーワードはこの3つかなとぼんやり思ってまして。coolは文字通りで、邦画でしっかりとこのようなクールな情景を描いてきたものはなかなか無かったのではないかと。いわゆる70年代のシネ・ノワール的なアプローチ。あるいは80年代のニューヨーク・インディペンデントな佇まい。これを北野氏がデビュー作「その男、凶暴につき」であっさり表現してしまった事は衝撃であり、一般的な受け取られ方としては当然「カッコいい」「ハラハラドキドキ」「意外すぎ」となって一気にブレイクしましたよね。

「alone」はストーリーテリングの事を称していて、主人公らが押し並べてバックボーン含め孤立しているということ。この孤独感があの独特な遠景カットや長回し、キタノブルーに発展していると捉えています。ニュー・ジャーマン・シネマの踏襲さを感じますね。そして「sexism」ですね。とても性悪説に満ちていて、どこまで観客を突き放すのか、毎回そこが興味深いんですね。これはもう北野氏の性格、人格、生き様がそのままメッセージになっているんだろうなと想像しています。こういった自走型、単独走型の映画はヌーヴェルバーグの思想とも似ていて、我がルールに決まりナシなスタンス。しかもタレントであり、お笑い芸人であるビートたけしがその術をこなす事がよりその興味深さを増幅させますし、だからこそ必然的に成立しているとも感じます。

歌も歌う、小説も書く、論評もこなす、こういった人が行き着くところは、もう「映画」しかないんです。古くはボリス・ヴィアンがそうでした。セルジュ・ゲンズブールに、伊丹十三さんも同じだったと思います。もちろん有り余る表現欲求が爆発的に昇華されるタイミングも大事なのですが、北野氏はそれすらもうまく流れを作り、波に乗ったのだと思います。そしてその波乗りが自身としてはきっとそこそこ、いや、かなり楽しい事だったのではないかと思うのです。

今週もありがとうございました。
次回8/9は特集「熱い夏、スタローンと行け!」をお送りいたします。

seaside theatre_18_予告1
今週の「seaside theatre」特集は、
「いつか見た未来は今」
様々なかたちで描かれ続けている映画の中の"未来"の姿。
では"今"はまだ"過去"?
既に"未来"?
サントラを聴きながら、検証していきましょう…。
いつものように新旧取り交ぜての構成と選曲で、
下記作品の映画音楽をお送りいたします。

2020年8月2日放送
「seaside theatre / いつか見た未来は今」
ブレード・ランナー
メトロポリス
未来世紀ブラジル
未来は今
フィフス・エレメント
フォーエバー・ヤング
A.I.
seaside theatre_18_予告2
そしていよいよ7/31から公開となる大林宣彦監督最後の作品、
「海辺の映画館 キネマの玉手箱」も一緒に紹介していきます。
seaside theatre_18_6
特集の前後にもフリーチョイスや日本映画のサウンドトラックと、
たくさんの映画音楽をお楽しみいただきます。
是非、日曜の夜は湘南ビーチFMの “seaside theatre / 海辺の映画館” へご来館ください。
OA後には放送された楽曲の全リストをサントラのジャケットと共に掲載。
当館コンシェルジュ、ジョニー志田によるアフターリポートもアップいたします。
お楽しみに。

★8月からは聴きたいサウンドトラックのご希望にも出来るだけ対応してまいります。
Twitter @SeasideTheatre のメッセージへお送りくださいませ。

Litsen Here
★湘南ビーチFM 公式ホームページから。
★インターネットjpradio.jpや、スマホのラジオアプリTune In Radioにて、湘南ビーチFMを選択
★もちろん湘南、逗子界隈のリスナーの方々は78.9MHz、ラジオにてお聴きいただけます。
是非、環境にあったかたちで番組にアクセスしてください。

seaside theatre #17
2020.7.26 play list

特集 波の数だけサントラを
01  グラン・ブルー The Big Blue Overture〜Let Them Try  Eric Serra
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02  エンドレス・サマー The Endless Summer (Theme Of The Endless Summer)  The Sandals
03  稲村ジェーン (美しい砂のテーマ)  Southern All Stars and All Stars
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04  南太平洋 South Pacific (Bali Hai)  Richard Rodgers
05  モアナと伝説の海 Moana (How Far I'll Go)  The Cast feat. Alessia Cara
seaside theatre_17_3
06  波の数だけ抱きしめて
〜FM 76.3 MHz Kiwi Jingle
07  波の数だけ抱きしめて
〜Love You Like I Never Loved Before  僕のラブソング  John O'banion
08  波の数だけ抱きしめて
〜(For You) I'd Chance A Rainbow  虹を追う男  Kalapana
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09  ビッグ・ウェンズデー  Big Wednesday
  (The South Swell (Passing Of The Years I) / Main Title / Three Friends Theme  Basil Poledouris
10  あの夏、いちばん静かな海 (Silent Love〜Forever)  久石譲
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11  ジャック・マイヨールの海と夢 Whale's & Jacques's Voice〜Main Theme  John Lulie
12  海を飛ぶ夢 Mar Adentro (Gracias, Rosa)  Alejandro Amenabar
13  キャスト・アウェイ Cast Away (End Credits)  Alan Silvestri
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opening / ending
from Le Grand Bleu (Deep Blue Dream) Eric Serra

BGM
Black Sand  Kalapana
Synchronised Instant  Eric Serra


after report by johnny SHIDA
seaside theatre_17_1
小学校時代、中学校時代、どちらも放送委員会でした。昼休みや下校時にレコードをかけたりアナウンスをしたり。そして高校では放送部に入り、やはり昼休みや校内イベントで、好きなレコードやリクエストが来た曲などをかけたりしていました。ある時クラスの友人が、どうも6組の山田(仮名)はミニFMをやっているらしい、という情報を仕入れてきて、ミニFMってなんだ?となりまして。山田は1年の時同じクラスだったからちょっと聞いてみるかと話をしにいったわけです。ミニFMのウワサが広がっている事に多少自慢気な様子の山田は、興味あるなら一度見に来いよと言うので、週末の夜に見学に行ってみました。山田宅は割と大きな一戸建てで、なぜか自分の部屋ではなく、家屋の一番奥の広い居間に通されたのです。そしてその居間のさらに一番端っこへ行くと、小さいテーブルの上に黒い鉄の箱が置いてあり、これが送信機だよ、と言うわけですね。送信機?これで電波を出してるの?と聞くと、そうだ、そして出来るだけ電波を飛ばせるようにうちの端っこから発信するんだ、裏は畑だし、こっちから町だから、と。いろいろ事情があるのだなと思いつつ、この送信機はどうやって手に入れたんだ?と質問を続けると、山田は、兄貴が作ったんだ、と言うではないですか。作ったという事はこれは市販のものではないのかと。実のところミニラジオ局だったら自分も是非やってみたかったと思っていたから、そのノウハウを聞きさえすれば自分も簡単に出来るだろうぐらいに考えていたので、手作り送信機とはこりゃ参ったな、と出鼻を挫かれたわけです。

「えーそれでは今夜も夜な夜なラジオ局スタートです。まずは音楽を。」山田はたどたどしくもなんとなくそれなりにラジオDJぶっておしゃべりしつつ、カセットデッキの再生ボタンを押してタイミング良く曲をかけたりするのですね。で、この電波はどれぐらい飛んでるわけ?と聞くと、こないだやった時は藤原も聴いてたって言ってたなぁと言うので、藤原?あいつの家って駅二つぐらい向こうじゃん!と驚かされました。このブラック送信機、どんだけの威力なんだよと。かなり飛ばせるように作ったみたいで、これ電波法に完全に違反してて見つかったらヤバイんだよね、と、山田はこれまた偉そうに海賊放送だぜと胸を張るので、いやはやミニFMとは言えラジオ局ってのはなかなか命がけなものなんだなと思いました。

それでも興味は尽きず、その後もいろいろ勉強して、ミニFMはどれだけ電波を飛ばしていいかとか、見つかったらこんだけ罰せられちゃうとか、だけどどうやらかなり飛ばせる裏技はあるようだとか、なるほどなるほどとなってきたところで、市販されているミニFMキットというものがある事を知るわけです。どうやら山田の兄貴はそういうものを改造してあのブラック送信機を作り上げたようで、よし、それならオレもと休みの日に秋葉原へと向かいました。今みたいにネットで見つけてハイ注文、なんて便利な時代ではなく、秋葉原もオタク街じゃなくてまだ電気街。とにかく電気の事なら秋葉原!といった時代。かくしてラジオセンタービルの狭くて迷路のような雑居各店を物色し、憧れのミニFMキットを発見。嬉々として帰宅し、プラモデル作りで鍛えたハンダゴテを駆使し、オモチャのような送信機を作り上げたのでした。

テスト送信はカセットデッキから出力した音楽で、恐る恐るラジオの周波数を合わせてみるとちゃんとその曲が聴こえてきたじゃありませんか!スゴイ、遂に自分もラジオを始められるのだといたく興奮しました。そしてこんな面白い事なら、音楽が好きな友達らも呼んで一緒にやろうと、テッちゃんとビリー、2人に声をかけたら2人ともやろうやろう!と大乗り気。早速休みの日に皆で集まり、3人だからトライアングルラジオと名乗ってテスト配信スタート。これが本当に楽しくて、自分らのお喋りと選曲が電波に乗って飛んでると思うとそれだけでワクワク感も増すもので、テストなのに「リクエストお待ちしてます!」とか言い出す始末。で、次からは本格的に宣伝して開局だ!と意気込みつつ、近所にチラシまで投函して第一回を放送したわけです。隣の部屋では妹も聴いていて、終了後は「面白かった!」となかなかの高評価。するとテッちゃんが、一体どれぐらい電波は飛んでたのかなと言うので、ラジオを持って外に出て電波がどこまで入るか聴いてみようという事になりました。で、ウキウキしながら皆で玄関を出たところでそのラジオはザーッと砂嵐が...。え?ここまで?と愕然となりましたね。ビリーが笑いながら「約3メートル!」と叫びました。つまりリスナーは妹一人。皆で呆れ返り、苦笑にならない笑みを浮かべ、所詮はオモチャなFMキットを睨みました。

ラジオごっこはそれ一度きり。そんな事を、湘南ビーチFM誕生のエピソードを聴いた時思い出したのですね。映画に触発されて本当にコミュニティラジオ局を作ってしまった気持ち、凄く凄くわかる、と。カタチや規模はどうあれ、音楽が好き、ラジオが好きならちょっとしたチャンスでもしっかり掴んで絶対トライアルしたい、ラジオってそれぐらいの存在だと思うし、自分もそうだったなぁと。さらにそれが街の為のコミュニティFMであれば考え方も変わるし意義も大きい。地域の為のラジオ局だなんて本当に素晴らしく大切なこと。きっかけやチャンスがほんの一握りなものでも、一歩踏み出すアクションひとつでこれだけの広がりに成長するのだ。そういうルーツに共鳴してきた当局、不思議な縁で今はその湘南ビーチFMに参加させていただいてますが、そんな初期衝動の気持ちやリスペクト精神を大切にしつつ、しっかりとブランドを守って並走していきたいなぁと、改めて思うわけです。

長くなってしまったので、肝心の海の話はまた今度...。

今週もありがとうございました。
次回8/2は、大林宣彦監督 映画「海辺の映画館 キネマの玉手箱」 公開記念
特集「いつか見た未来は今」をお送りいたします。
お楽しみに。

seaside theatre_17_予告1
今週の「seaside theatre」特集は、
「波の数だけサントラを」をお送りします。
梅雨明けはまだてすが、間もなく本格的な夏到来。
しかし、迎えているのはいつもとは違う夏。
今回は、そんな季節に少しでも海を感じてもらえたらと
最初から最後まで、海をフィーチャー。
そもそも海辺の映画館と名乗っているのに、なかなかこの特集をやらなかったのは、
やっぱり夏が来てからと思っていたからです。

2020年7月26日放送
「seaside theatre / 波の数だけサントラを」
南太平洋
エンドレス・サマー
ビッグ・ウェンズデー
波の数だけ抱きしめて
稲村ジェーン
グラン・ブルー
あの夏、いちばん静かな海
ジャック・マイヨールの海と夢
海を飛ぶ夢
キャスト・アウェイ
モアナと伝説の海
seaside theatre_17_予告2
特集の前後にもフリーチョイスや日本映画のサウンドトラックと、
たくさんの映画音楽をお楽しみいただきます。
是非、日曜の夜は湘南ビーチFMの “seaside theatre / 海辺の映画館” へご来館ください。
OA後には放送された楽曲の全リストをサントラのジャケットと共に掲載。
当館コンシェルジュ、ジョニー志田によるアフターリポートもアップいたします。
お楽しみに。

特集の前後にもフリーチョイスや日本映画のサウンドトラックと
たくさんの映画音楽をお楽しみいただきます。
是非、日曜の夜は湘南ビーチFMの "seaside thatre / 海辺の映画館" へご来館ください。
OA中はTwitter (@Seaside Theatre) にてサウンドトラックのジャケットを掲載しながら
リスナーの皆さんとのコミュニケーションも充実しております。
映画音楽を繋がりにして映画の輪が広がっていけたらいいですね。
そしてOA後には放送された楽曲の全リストも当ブログにて掲載。
当館コンシェルジュ、ジョニー志田によるアフターリポートもアップいたします。
お楽しみに!

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★もちろん湘南逗子界隈のリスナーの方々は78.9MHzにてお聴きいただけます。
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seaside theatre #16
2020.7.19 play list

prologue
01  弾丸特急ジェットバス The Big Bus  David Shire
02  1941  (March) John Williams
seaside theatre_16_2
featuring
特集 ブルース・ブラザーズの絆
03  Can't Turn You Loose (The Blues Brothers Band)
04  Everybody Needs Somebody to Love (The Blues Brothers Band)
05  Peter Gunn Theme (The Blues Brothers Band)seaside theatre_16_3
06  Perry Mason Theme  (The Blues Brothers Band)
07  Theme from Rawhide /ローハイドのテーマ (The Blues Brothers Band)
08  Stand by Your Man  Tammy Wynette
seaside theatre_16_4
09  Think / シンク (Aretha Franklin & The Blues Brothers Band)  
10  Shake a Tail Feather(Ray Charls & The Blues Brothers Band)
11  The Blues Brothers 2000  Turn On Your Love Light  John Morton, The Blues Brothers, John Goodman,
Dan Aykroyd & J.Evan Bonifant
12  Jailhouse Rock / 監獄ロック  (The Blues Brothers Band)
seaside theatre_16_5

from japanese ost
13  そろばんずく (あなどれない行進曲)  梅林茂
seaside theatre_16_6

epilogue
14  眠れぬ夜のために Into The Night  B.B.King
15  続・激突!カージャック Sugarland Express  John Williams
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opening / ending
from Le Grand Bleu (Deep Blue Dream) Eric Serra
BGM
Good Thing  paul Revere & The Raiders
Minnie The Moocher OST from Cotton Club by John Barry


after report by johnny SHIDA
seaside theatre_16_1b
作品単体で特集を組むという事が成立するかな?と最初はやや戸惑いもありましたが、構成・編纂してみると全然やれました。むしろ物足りないと怒られるのではないかとは思いますが、様々な応用も効かせながらの選曲はとても楽しく、全てはブルース・ブラザーズという特異な音楽映画の持つ力のおかげだと思っております。

さてその「ブルース・ブラザーズ」。初見は中学1年か2年の頃ですから84,5年でしょうか。土曜夜のフジテレビ、ゴールデン洋画劇場で初オンエアにて、しっかりビデオにも録って楽しみました。本作は軽く120分を越える133分という超大作なので当然二時間枠の映画番組の中ではバッサバッサと切っていかないと収まらないわけです。冒頭の留置所巡りの印象的なプロローグは全てカットされていたり、ナチのくだりも最初のきっかけが抜けていてどうして奴らがブルース・ブラサーズらを追い続けるのかもわからない。ゲスト・ミュージシャンたち演じるバンドの仲間たちのシーンも軒並みカットされているので、同様に登場人物らの繋がりも定かでないまま、とにかくその放送では“よくわからないまま”映画は突っ走るわけです。でもその“よくわからないまま”でも何故かとにかく面白かったのですね。ビデオに録って何度観たかわからないほどです。

それと、その放映時にとても印象に残った事が一つ。ジェイクとエルウッドの吹き替えなんですが、これがもう本当にぴったりあっていて驚いたのです。なぜなら、その吹き替えがコメディアンのせんだみつおさんと小野ヤスシさんだったから。もちろんジェイクがせんださん、エルウッドが小野さんですが、特にせんだみつおさんのジョン・ベルーシはハマリ役で、ほっといたらベルーシがせんださんに見えてくるくらい同化してました。その後の「アニマルハウス」でも、せんださんがブルート=ベルーシを吹き替えていて嬉しくなりましたね。「1941」はどうしてか熊倉一雄さんでしたが…。(因みにその後バブルガム・ブラザーズが吹き替えたバージョンもありましたが、そちらはどうしようもない出来でした)

話を戻します。カットだらけのテレビ放映版「ブルース・ブラザーズ」。本作のオリジナル全長版がビデオでリリースされてようやくその全貌を観た際は驚きました。長すぎる...と。これはもうテレビ放映版を何度も何度も観て楽しんでいたからそのテンポ、リズムに完全にハマっていたからだと思います。そちらは放映尺で95〜97分くらいまでシェイプされていましたから、いわゆるショートEDIT、それはそれは展開が速い。とは言え、もちろん初めて観るシーンの数々は新鮮で、繋がらないシークエンスや、これ誰?みたいな謎は当然全て解決された清々しさはありました。

やはりやや遅れてきた世代、本作に心酔したおかげで、自分の中で新たな興味が枝葉に分かれていった事は、10代半ばの感性を養う時期にとってとても重要な事でした。まず出演していたミュージシャンたち。これはもう初見時はやっぱり「誰?」ですから(レイ・チャールズぐらいは知ってましたが)、調べていくとこりゃ凄い人たちだと。あとは、ダン・エイクロイドは脚本にも参加していて多才な人なんだ、とか、ランディスとスピルバーグは仲良しで、だから「トワイライト・ゾーン」にも繋がるのか、とか、そもそもこのブルース・ブラザーズというものは「サタデー・ナイト・ライブ」というアメリカの人気番組から出てきたって?とか、その番組からたくさんのコメディアンが輩出されていて、チェビー・チェイスも?スティーブ・マーティンも?トム・ハンクスも?とか。チェック要項が多すぎて、スクリーン誌やロードショー誌のスクラップブックは増えるわ、関連する新作は随時観に行かなきゃだわ、挙句は手っ取り早くビデオレンタル屋でバイトを始め、閉店後手当たり次第借りていって徹夜で観賞し翌朝返却、なんて事をしながら要チェック映画を観まくったり。ある意味「ブルース・ブラザーズ」が自分の映画魂にさらに火をつけて、より炎上させてくれたと言っても過言ではないでしょう。

まぁ普通はフツウに、「あー面白かった!」で済むのでしょうが...。


今週もありがとうございました。
次回は7/26です。お楽しみに。

seaside theatre_16_予告1
今週の「seaside theatre」特集は、
「ブルース・ブラザーズの絆」をお送りします。
1980年、アクション、コメディーそしてソウル&ロックンロール・ミュージカルと、
あらゆる娯楽要素と豪華キャストを詰め込んだエンターテイメント映画の金字塔、
「ブルース・ブラザーズ」を様々な角度から関連音楽とサントラをチョイス。
是非、熱いブルースの絆を堪能してください。

2020年7月19日放送
「seaside theatre /ブルース・ブラザーズの絆」
1980年の映画「ブルース・ブラザーズ」関連の楽曲に、
続編「ブルース・ブラザーズ2000」からもプラス。
さらにライブ音源、末サントラ楽曲のオリジナル音源等もスタンバイ。
seaside theatre_16_予告2
特集の前後にもフリーチョイスや日本映画のサウンドトラックと
たくさんの映画音楽をお楽しみいただきます。
是非、日曜の夜は湘南ビーチFMの "seaside thatre / 海辺の映画館" へご来館ください。
OA中はTwitter (@Seaside Theatre) にてサウンドトラックのジャケットを掲載しながら
リスナーの皆さんとのコミュニケーションも充実しております。
映画音楽を繋がりにして映画の輪が広がっていけたらいいですね。
そしてOA後には放送された楽曲の全リストも当ブログにて掲載。
当館コンシェルジュ、ジョニー志田によるアフターリポートもアップいたします。
お楽しみに!

Litsen Here
★湘南ビーチFM 公式ホームページから。
★WEBのjpradio.jpやスマホのラジオアプリTune In Radioにて湘南ビーチFMを選択
★もちろん湘南逗子界隈のリスナーの方々は78.9MHzにてお聴きいただけます。
是非、環境にあったかたちで番組にアクセスしてください。

seaside theatre #15
2020.7.12 play list

緊急特集 追悼 エンニオ・モリコーネ
〜心を揺さぶり、気持ちに寄り添うメロディーたち

01 ニュー・シネマ・パラダイス New Cinema Paradise
  (Nuevo Cinema Paradiso〜Childhood And Manhood〜Love Theme)
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02 海の上のピアニスト The Legend Of 1990 (1990's Theme)
03 ミッション The Mission (The Mission〜Gabriel's Oboe)
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04 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ Once Upon A Time In America
  (Deborah's Theme〜Cockeye's Song)
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05 シシリアン The Sicillian Clan
06 アンタッチャブル The Untouchables (The strength Of The Righteous〜End Title)
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07 夕陽のギャングたち Giu La Testa
08 ヘイトフル・エイト The Hateful Eight
  (レッドロックへの最後の駅馬車〜L'Ultima Diligenza di Red Rock)
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09 サハラ Sahara
10 ある天文学者の恋文 Correspondence (Una Luce Spenta)
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11 ウエスタン~ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト
  Westarn~Once Upon A Time In The West
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BGM
Four Interludes (New Cinema Paradise)
Silent Goodbye (The Legend Of 1990)
Frantic
The Vice Of KIling
Secret Of The Sahara
all composed by Ennio Morricone

opening
from Le Grand Bleu (Deep Blue Dream) Eric Serra


after report by johnny SHIDA
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マカロニ・ウエスタン特集の際にも書きましたが、やはり80年代リアルタイム育ちなのでモリコーネ氏の音楽との出会いは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」なのです。当時自分は中学2年生。日比谷の映画館エリアがちょうど大規模な建て直し時期で、立て続けに有楽座、日比谷映画劇場、みゆき座が閉館。代わりに有楽町マリオンが現れ、その中に日本劇場、日劇東宝、日劇プラザが登場し、次世代映画ファンの新たなる溜まり場になっていた時代です。その日本劇場のオープニング記念作品として堂々公開されたのがセルジオ・レオーネ監督の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」でありました。正直中2の少年にはなかなか刺激の強い、かつ今昔物語的構成でやや難解なギャング映画だった記憶がありますが、とにかく驚いたのはその音楽=サウンドトラックでした。メインテーマはもちろん、デボラのテーマ、アマポーラ、そしてコックアイズ・ソングと、各所それぞれが際立つメロディーとサウンドで、かつ何か音楽を全身で体感したようなねそんな驚きがあったんですね(日本劇場の巨大スクリーンと大音響のせいもあったのかもしれません)。

そしてその後すぐにNHK-FMにてこの映画のサウンドトラックの放送日を確認し、数曲をエアチェックするわけです(当時はFM雑誌にて、放送される曲をチェックしてカセットテープに録音していました)。すると曲ごとに映画のシーンが脳内上映され、あぁこの曲はあのシーンだ、といった具合に再び楽しみました。それぐらいモリコーネ氏の楽曲は音像がはっきりしていて、とても立体的だとも感じていたのだと思います。しかも普通にBGMとして聴いていても成立する楽曲なので、すぐさまレコードも借りにいき、やはりカセットテープにダビング。これはいいサントラと出会ったなぁと嬉しくなったものです。

ただ、その後も「ミッション」や「アンタッチャブル」といった話題作にてモリコーネ節に遭遇してはいましたが、正直「あ、またモリコーネだ」というぐらいの意識だったんですね。もちろん「やっぱりモリコーネはうまいなぁ」とは思うのですが、どちらかと言うと熱い旋律がグイグイ来るジェリー・ゴールドスミス派だったし、さすがに「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」を超える音楽はなかなかないのでは、なんて生意気な事を思ったりしていたものですから。でも結局、「ニュー・シネマ・パラダイス」で完全にひれ伏しました。この作品でエンニオ・モリコーネというコンポーザーはやっぱり最高峰なのだと認識したのです。もちろんそれまでの作品も良かった。でもこれは完全に特別で、素晴らしすぎるサウンドトラックでした。しかもまさにモリコーネ氏の音楽的人格(つまり作曲の個性)が映画にジャスト・フィットし、完璧な音像形成だと思ったのです。だから思った通り、映画もサントラも広がりを増していって大ヒットしました。楽曲もスタンダード化して、現在に至るまでたくさんの人に愛され、聴き入れられ、奏でられてきました。あれだけの作品ですから、当然の着地だと納得しています。

話を80年代に戻しますが、そのころ関光夫さんの映画音楽番組(やはりNHK-FM)にて、モリコーネ・サウンドをリマインドされた事があったんですね。関さんの番組は本当に自分のバイブル的なもので、月に一度、2時間に渡って映画音楽番組がOAされていたのですが、それを丸々録音し何度も聴いて楽しんでいたわけです。そんなある回で、テレビCMで聴いてとても気になっていたメロウな映画音楽が紹介されたのです。その曲がモリコーネ氏による「サハラ」のメインテーマだと関さんが解説されまして、え、この曲はあの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」のモリコーネの曲だったのか!と驚きました。やっぱり響くところは同じなのだなぁと嬉しくなりましたね。作曲家の個性というものは、そんな風に自然と伝わるのものなのだとも思ったものです。

今回、残念ながら追悼というかたちになってしまいましたが、改めてモリコーネ氏の楽曲を構成してみると、とは言え様々なテイストの楽曲に満ち溢れていて、とても新鮮な印象を受けた事も確かです。しかしながら一時間の中などには収まり切れないくらいの氏のサウンドトラック・ワークスがあるわけでして、今後も事あるごとにピックアップし、OAしていきたいと思っています。若輩ながらの選曲で大変恐縮でしたが、世代ならではのアプローチという事でご容赦くださいませ。重ね重ね、ご冥福をお祈りいたします。


次回7/19は特集「ブルース・ブラザーズの絆」をお送りいたします。
引き続きよろしくお願いいたします

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今週7月12日の湘南ビーチFM 「seaside theatre」では予定を変更して、
緊急特集 「追悼 エンニオ・モリコーネ」をお送りします。
seaside theatre_15_1
是非、日曜の夜は湘南ビーチFMの "seaside thatre / 海辺の映画館" へご来館ください。
OA中はTwitter (@Seaside Theatre) にてサウンドトラックのジャケットを掲載、
リスナーの皆さんとのコミュニケーションも充実しております。
映画音楽を繋がりにして映画の輪が広がっていけたらいいですね。
そしてOA後には放送された楽曲の全リストも当ブログにて掲載。
当館コンシェルジュ、ジョニー志田によるアフターリポートもアップいたします。

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