"seaside theatre" from shonan beach FM 78.9

with DJ johnny SHIDA since2020

映画音楽専門番組 "seaside theatre" 
構成・選曲・DJ ジョニー志田
毎週日曜20時〜21時放送
湘南ビーチFM >> https://www.beachfm.co.jp/
SBCラジオ(SBC信越放送) >> https://sbc21.co.jp/blogwp/radio/
★毎週OA前に特集内容を公開しています。

特集「燃えよ、ブルース・リー!
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今週は特集 燃えよ、ブルース・リー!
いよいよ李小龍の登場です。
香港映画?アクション映画?
いえ、ブルース・リー映画です。
これは一つのジャンル化しているほど、
確固たる地位にある作品群なのです。
唸る鉄拳!
響く雄叫び!
炸裂するヌンチャク!!
ハリウッドをも圧倒したブルース・リー映画たち。
酷暑の夏とふざけた時代に、あえて喝!!!

OA予定曲…
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燃えよドラゴン
ドラゴン危機一髪
ドラゴン怒りの鉄拳
ドラゴンへの道
グリーンホーネット
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死亡遊戯
死亡の塔
ラストドラゴン
ドラゴン ブルース・リー物語
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★新作映画のご紹介
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ミーガン 公開中

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世界のはしっこ、小さな教室


海辺の映画館からの手紙 志田一穂
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言わずもがな自分はジャッキー・チェン全盛期が青春オンタイムですから、ブルース・リー御大はさらにさらに上の存在なわけです。あの真剣勝負な作品群には毎度圧倒されましたし、その鍛え上げられた肉体ならば有り余る強さに偽りなし、敵に負けるなんて絶対有り得ん、そんな絶対的存在として作品を観ていました。しかし彼の映画を観ていき、映画雑誌などで記事を読んでみると、どうもおかしい。え?この人もう亡くなっているの!?と。しかも自分がスゴイスゴイと思いながらテレビで観ていた「死亡遊戯」は半分が代役だって?どういうことなのか最初は理解できませんでした。だってそのあとに「死亡の塔」という新作まで出てきているわけじゃないですか。友達と話していても辻褄が合わないわけです。

当時はネットもないので情報量が乏しいんですね。「死亡遊戯」の撮影中にあの背の高い黒人との撮影で頭を蹴られて亡くなったのかなとか(それぐらい凄いバトルだし…)、そもそも「怒りの鉄拳」のラストを再現していた通りあの銃弾はホントにホントで撃たれて既に死んでいて、そのあとの映画は全部ニセモノなんじゃないか?とか(葬式シーンまで出すリアルさに本気で銃殺されたのかと…)、挙句は香港マフィアに殺されたに違いないとか(ジミーさんという俳優がいてそういう世界があるのねなんてことを知ったもんだから…)。そんなアホみたいな都市伝説なんて、そういう子供らのいい加減なデタラメで、それこそ日本語曲を平気で本編に付けちゃう配給会社もいたわけですし、真実などどこにも見当たらない時代でした。だからこそブルース・リーの存在は拍車をかけて伝説化していったのだとも思うんですね。
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そんなわけで僕が見たブルース・リーはいつもテレビの映画番組でした。「燃えよ」も「鉄拳」も「道」も。でもなぜか「危機一髪」だけは見逃していた。だから80年代中半になって、東映がブルース・リー映画リバイバル・フェアを打って出てきたときは本当に嬉しかったんです。もちろん「危機一髪」もやりますし、大スクリーンで、しかもテレビみたいにCMも入らないオリジナル版ですから嬉しいことこの上なしだったのです。当時の東映はジャッキー映画全盛期でカンフー映画ならなんでも当たる!と確信していたのではないかと。であれば真打ちのブルース・リーだろうと、宣材ポスターやチラシもめちゃくちゃカッコいい、今風のデザインで攻めてこられたわけです(80年代としては最先端的な…という意味ですね)。

で、そのフェアの第一弾、「鉄拳」&「危機一髪」の二本立て上映を観に行きました。そこで驚いたのは、なんと「鉄拳」のラストバトルのシーンに新たなイメージソング(もちろん日本で製作)が付けられちゃって、当時の80sミュージック・クリップみたいになっちゃってたのです。いやはやこれはいかがなものかと。別に悪い曲ではないんですけど、どこかで聴いたような洋楽ロックバラッドですし、女性ボーカルでバトルシーンにあってるんだかなんだか微妙大爆発ですし。まぁ東映ジャッキーも度々発言しているように、香港映画なのにもんた&ブラザーズの日本語曲を平気で本編に付けちゃう配給会社ですからね(くどい)。そもそもが意味不明なのでまだちょっとだけ許容範囲かなとは思いましたが…。
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しかしこういう細かいところも含めて香港映画のアバウトな部分、多々あるわけです。だからこそ代役仕立てで新作まで作られてしまう。残されたわずかなシーンでも利用してビジネスに繋げたり、権利処理もしないまま音楽を付けていたばっかりに、世界市場へ売ったはいいが、処理はそちらでと差し替え自由と契約の一文に気軽に入れてしまう(くらいのことをやっていたのではないでしょうか)。そういう業務感覚でしかない超アバウトな国だったと思わざるを得ないわけですね。だから実は“日本語曲を平気で本編に付けちゃう配給会社”である東映ですが(また言う)、それはそれでもう少し考えてやってよと思いつつ、大元がこれだからね~ということもあるわけです。映画製作、しっかりしてほしいですよね、まったく。

だけど時は流れてそうした作品群も今は若い世代含めリスペクトされていることが今回の何度目かになるリバイバル・シリーズ上映で明らかになるわけです。いや、もう既に第二次オタク世代の筆頭であるタランテイーノなどのリスペクトによる功績によってそれは定着していると思っています。アバウトなところも真剣もところも、何よりカッコいいところもすべて含めて楽しんでもらえる時代になって良かった。今は本気でそう思っているんですね。80年代東映リバイバルは残念ながら「鉄拳」&「危機一髪」だけで客が入らず継続中止になってしまったので、今回は頑張っていただきたい。いや、そんなことまでも杞憂に終わるでしょう。自分も文句を言いながら今回の番組では例の「鉄拳」イメージソングをOAしますしね。世に出れば、経緯はともかくイイかイマイチかでしかないわけですから。そう、曲は確かに悪くはないのです。であればそれを次へと繋げていくだけです。そうか、東映の方々も、そんな思いがあったからこそいろいろと手を加え…、だったのかな?全部ひっくるめて、ブルース・リーの数々の偉業を繋げていきたいです。
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ワールド・ブルース・リー・クラシック2023開催!
【公式】『ブルース・リー没後50年 ワールド・ブルース・リークラシック2023』オフィシャルサイト (wblc.jp)


OA曲リスト

★新作映画のご紹介

ミーガン Megan  Silicon Chip  Basil Kirchin

公開中


特集 燃えよ、ブルース・リー!

吠えろ!ドラゴン Kung Fu Fighiting Carl Douglas


燃えよドラゴン Enter the Dragon Lalo Schifrin


ドラゴン危機一髪 The Big Boss Joseph Koo

ドラゴン怒りの鉄拳 Fist of Fury スタンリー・マックス・フィールド・オーケストラ

ドラゴンへの道 The Way of the Dragon スタンリー・マックス・フィールド・オーケストラ


グリーンホーネット The Green Hornet Billy May & His Orchestra

カトーのテーマ The Green Hornet/Kaito Billy May & His Orchestra


Return Of The Dragon(ドラゴン怒りの鉄拳/リバイバル・テーマ曲) The Super Dragon Band


死亡遊戯 Game of Death John Barry

死亡の塔 Tower Of Death/Game Of Death Ⅱ Alone In The Night Brute East Family(music by キース・モリソン)


ラストドラゴン The Last Dragon Upset Stomach Stevie Wonder

ドラゴン ブルース・リー物語 Dragon The Bruce Lee Story Randy Edelman


★新作映画のご紹介

世界のはしっこ、小さな教室 Teach Me If You Can Remi Boubal(feat.Anja Fougea)

7/21公開



★志田からのお知らせ★

超映画総合研究所 志田ゼミ開催!

https://note.com/kataru_lib/n/nc952a569a6ed
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好評発売中!!
「映画音楽はかく語りき
   いつか見た映画、時をかける音楽」志田一穂・著

志田一穂(ジョニー志田)、初の著書、好評発売中です!
2022年4月27日発売(ユニコ舎より) ★ご購入はコチラ
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他、いろいろな情報は志田のTwitter @shidakazuho でチェックしてください!

特集「ライブコンサート映画アラカルト
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今週は特集 ライブコンサート映画アラカルト。
別に夏が近づいているから、
フェス的にやろうというわけではありません。
ライブ映画=音楽映画というジャンルを
最近しっかり見直したいなぁと思っていて、
書籍の企画も出したりしているんですけど、
なかなか企画が通らないのでこうしてラジオでも煽ろうかと。
あとジョージ御大とイベントもやりますしね。
とにかく音楽をメインとした映画の変革期が、
まさに今だと思っています。

OA予定曲…
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ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間
スティング/ ブルータートルの夢
U2 魂の叫び
ジギー・スターダスト
ルー・リード / ベルリン
コンサート・フォー・ジョージ
ザ・ビートルズ Get Back:ルーフトップ・コンサート
ストップ・メイキング・センス
ラスト・ワルツ 

★新作映画のご紹介
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Close クロース
7/14公開


海辺の映画館からの手紙 志田一穂
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ライブ映画特集です。7月14日にジョージ・カックルの叔父貴と曙橋のBar461にて同じテーマでトークショーやりますので、その前哨戦的勢いでお送りいたします。しかしライブ映画って微妙なんですよね。いきなり申し訳ないんですが、やっぱりお気に入りのアーティストのライブにこそ観に行く、聴きに行くってことじゃないですか。そりゃ映画になっても同じだと思うんですよ。誰も興味ないアーティストのライブ映画なんてわざわざ行かない。付き合ってる彼女がファンとか、どうも流行ってるらしいからちょっと観てみるか、話についていけないとなんだから、とか。そんなちょっとした動機でも、結構重い腰をあげるようなものなんですよ、ライブ映画なんてのは。

じゃあなんでここまで推薦フィーチャーするのかねって話なんですけど、自分は結構観るもんで、ライブ映画。もちろんちょっとだけ興味があったり、音楽全般が好きだからなんでも観ちゃうってのもあるんですけど、でもですね、それでも観るまではよく知らないアーティストやバンドでも、観てみるとですね、かなりハマるんです(笑)。これはもう映画館の全集中的な体感経験の威力ってヤツですよね。大スクリーン&爆音で、うわこのバンド凄いなぁとか、これいい曲だあとでチェックしようとか、なんだかホントにライブ会場にいて、フェスでお気に入りのバンド見つけた!みたいな気持ちにもなったりするんですね。
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それこそそのフェス体験てそういうものじゃないですか。まぁあちらはバンドサブスクみたいなものですから、一日かけてゆったりまったりと音楽を楽しむノリなので、そりゃあ前週中ってわけじゃないとは思うんですけど、だけど原理は一緒だと思うんです。知らないまま聴き込んでいたらちょっとイイゾってなるあの感覚。もちろんお目当てアーテイストやバンドだったらその勢いもマックスに駆け上っていくわけですけど、やっぱり新しい音楽、新しいアーティストに出会えたときの新鮮な喜びも大切だと思うのですよ。だから増え素感覚で、あぁこのバンド、名前は知っているけど聴いたことがなかったなと。ライブ映画としてロードショー公開されるぐらいなんだからイイのかもしれない、響くかもしれない、観てみるかと。そういう一歩って大切だと思うんですよね。僕としてはそういうちょっとしたきっかけで、もっともっと映画や音楽という文化が多様性含めて広がっていって、特に若い世代の人たちの感性に影響を与えていくことになったら素晴らしいなと思っているんですけどね。
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今回は皆さんお馴染みのライブ映画ばかりかもしれませんが、それでも未見の作品、あるのではないかと思うのです。何か新たな発見になってくれたら嬉しいですし、さらに深堀りしてみたくなったら是非Bar 461にも遊びに来ていただきたいです!


大人気イベント第二弾開催決定
Johnny & George On The Road volume.2
-Live Movie & Music-
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前回、ルート66にまつわる映画と音楽のをネタから始まった
ジョージ&ジョニーのノンストップトークライブ。
待望の第二弾は新旧 "ライブ・ドキュメンタリー映画" について、
またまたビール呑みつつレコードも聴きながら語り倒します。
是非一緒に楽しみましょう!

Bar461 (東京都新宿区舟町12 1F)
2023年7月14日(金) 19:00~
¥3,000 + drink order
申し込み受付 Bar461 / 03(3358)7283
※定員になり次第受付終了します。


OA曲リストはのちほど

クロース  Bliss(Main Theme)  Valentin Hadjadj ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間 Somebody To Love  Jefferson Airplane ブルータートルの夢 Driven To Tears Sting U2 魂の叫び I Still Haven't Found What I'm Looking For U2 ジギー・スターダスト Changes David Bowie ベルリン Intro~Berlin Lou Reed コンサート・フォー・ジョージ While My Guitar Gently Wheep Various Artists ザ・ビートルズ Get Back:ルーフトップ・コンサート One After 909 The Beatles ストップ・メイキング・センス Psycho Killer Talking Heads アメリカン・ユートピア Road To Nowhere  David Byrne ラスト・ワルツ Helpless(fest. Neil Young) The Band


★志田からのお知らせ★
7月9日、浅草KAMINARIにて開催の"お洒落ロック"にDJ志田一穂が参加します。
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狛江の美味しい薪窯焼きピッツァ&自然派ワインのお店
Pitatti 10thアニバーサリーイベント
ジョージ・カックル&ジョニー志田
『ワインと映画』トークショウ
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お酒大好きな二人が、ワインを呑みながら観る映画ならコレだ!
と言える作品群をいろいろと語ります。もちろんワインを呑みながら…!

2023年7月15日(金) 
open 19:00 start 19:30
3,000円/ワンドリンク&ワンフード・オーダー制
申し込みはこちら


江東シネマパラダイス
この夏、名画をチャップリンとともに...
映画『キッド』『犬の生活』
16ミリフィルム上映会
上映前解説 志田一穂
こちらは申し込み完売いたしました!

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日時 2023年7月8日(土)
場所 江東区総合区民センター レクホール
   (城東図書館のあるビル2階です)
料金 無料
★申し込みは電話 03(3637)2751 城東図書館まで!


好評発売中!!
「映画音楽はかく語りき
   いつか見た映画、時をかける音楽」志田一穂・著

志田一穂(ジョニー志田)、初の著書、好評発売中です!
2022年4月27日発売(ユニコ舎より) ★ご購入はコチラ
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他、いろいろな情報は志田のTwitter @shidakazuho でチェックしてください!

特集「雨音はピアノサントラの調べ
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今週は特集 雨音はピアノサントラの調べ であります。
しっとりとした構成を想像しますが、
必ずしもそうではない感じかもしれません。
雨のときこそステップを踏みたくなったり、
軽快に心浮かれたり、
はたまたなんとなく雨に打たれても良いかと。
梅雨にもいろいろあるけれど、
当番組ではピアノな調べでございます。

OA予定曲…
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バビロン
レイニーデイ・イン・ニューヨーク
シェルブールの雨傘
ティファニーで朝食を
雨の訪問者
日日是好日
静かな生活
ハウルの動く城
アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜
ピアノレッスン

★新作映画のご紹介
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キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩
Carol of the Bells


海辺の映画館からの手紙 志田一穂
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梅雨の季節です。やはり雨がテーマの様々なアプローチがテレビやラジオやウェブに溢れますね。当番組でも久々やってみようと思います。というのも、リスナーの方から雨の映画特集のご希望いただきましたから。あわせてピアノサウンドの映画音楽もとご希望があったので、であれば合体させましょうかということになりました。

雨とピアノ。昔から雨音はショパンのなんとかと言いますから、それはもうマッチングはぴったりですよね。かつて2020年の6月にも特集 映画館で雨やどり、と銘打ち選盤しているのですが、そういえばあまり曲をダブりたくないぞと思って、確認してみたら作品は3作品ダブっていましたが、同じ曲は1曲だけでした。つまり同作品があっても曲は変えていたということなんですね。映画音楽(サントラ)はそんな組み換えができるから良いです。聴いてほしいサントラって、その映画から1曲だけとは限らないですからね。

で、雨特集に限らず、この時期になるとどうしても「雨に唄えば」をかけたくなってしまうんです。しかもジーン・ケリーのオリジナルではなく、人気曲だからカバーもたくさんあるから、そのときの雰囲気に合わせていろいろな「雨に唄えば」をかけたりしているわけです。で、今回も久々かけるかということで、2曲もカバーを用意してしまいました。まぁ厳密に言うとジーン・ケリーの歌もオリジナルではなくてカバーなんですが、一番人気で浸透してますから(もちろんあれも定期的にはかけるんですけどね)。あと、そもそも大好きな映画でもありますから。
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しかし映画音楽はさすがBGMの極致のような音楽ジャンルなので、季節に寄り添い見事にマッチする楽曲がそのときどきに出てきてくれるんですね。でも音楽ってそもそもそういうものでしょうか。そのとき、その空間、その風景に合う音楽って、映画音楽に限らずその人その人の頭の中で勝手に鳴り出したりするじゃないですか。あれ?それ自分だけですかね。自分は映画音楽が多いんです、頭の中で鳴り出すのが。だからこの季節は、やっぱりなんだかんだ言って雨が降り出すと、大抵ジーン・ケリーなんですね。

OA曲リスト

キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩 ウクライナの民謡シェドリック/Carol Of The Bell バビロン Singin' In The Rain The Cast Singin' In The Rain Sheila B. Devotion レイニーデイ・イン・ニューヨーク Misty Erroll Garner レイニーデイ・イン・ニューヨーク It Could Happens To Me Chet Baker シェルブールの雨傘 Les Parapluies de Cherbourg Michel Legrand ティファニーで朝食を Breakfast at Tiffany's Henry Mancini 雨の訪問者 Le Passager De La Pluie(Waltz) Francis Lai 雨の訪問者 Le Passager De La Pluie Francis Lai 日日是好日 アナザーエンディング 世武 裕子 静かな生活 森のバラード 大江光 ハウルの動く城 世界の約束 ジブリジャズ アバウト・タイム?愛おしい時間について? About Time Nick Laird-Clowes ピアノレッスン Deep Into The Forrest Michael Nyman キッド The Kid Charles Chaplin 1900年 Novecento Ennio Morricone


★志田からのお知らせ★
7月9日、浅草KAMINARIにて開催の"お洒落ロック"にDJ志田一穂が参加します。
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大人気イベント第二弾開催決定
Johnny & George On The Road volume.2
-Live Movie & Music-
phonto (3)
前回、ルート66にまつわる映画と音楽のをネタから始まった
ジョージ&ジョニーのノンストップトークライブ。
待望の第二弾は新旧 "ライブ・ドキュメンタリー映画" について、
またまたビール呑みつつレコードも聴きながら語り倒します。
是非一緒に楽しみましょう!

Bar461 (東京都新宿区舟町12 1F)
2023年7月14日(金) 19:00~
¥3,000 + drink order
申し込み受付 Bar461 / 03(3358)7283
※定員になり次第受付終了します。


狛江の美味しい薪窯焼きピッツァ&自然派ワインのお店
Pitatti 10thアニバーサリーイベント
ジョージ・カックル&ジョニー志田
『ワインと映画』トークショウ
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お酒大好きな二人が、ワインを呑みながら観る映画ならコレだ!
と言える作品群をいろいろと語ります。もちろんワインを呑みながら…!

2023年7月15日(金) 
open 19:00 start 19:30
3,000円/ワンドリンク&ワンフード・オーダー制
申し込みはこちら


江東シネマパラダイス
この夏、名画をチャップリンとともに...
映画『キッド』『犬の生活』
16ミリフィルム上映会
上映前解説 志田一穂
こちらは申し込み完売いたしました!

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日時 2023年7月8日(土)
場所 江東区総合区民センター レクホール
   (城東図書館のあるビル2階です)
料金 無料
★申し込みは電話 03(3637)2751 城東図書館まで!


好評発売中!!
「映画音楽はかく語りき
   いつか見た映画、時をかける音楽」志田一穂・著

志田一穂(ジョニー志田)、初の著書、好評発売中です!
2022年4月27日発売(ユニコ舎より) ★ご購入はコチラ
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他、いろいろな情報は志田のTwitter @shidakazuho でチェックしてください!

特集「映画の中にヒーローはいる
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今週の特集は、映画の中にヒーローはいる...
新作『ザ・フラッシュ』も公開され、
マーベルに立ち向かうかのような
オールスターヒーローで参戦するDC!
映画の中のヒーローたちは、
またもや観客を魅了してくれるのか?
00年代以降、ヒーロー像も変容してきて、
正義と悪の狭間で苦悩する、
かつての日本の特撮ヒーローみたいな
キャラになりつつありますが、
しかし本来はそんな生身の思いを持った者、
それこそが共感に値しリスペクトできる
ヒーロー像かもしれません。
そんなさまざまな視点、角度から、
映画の中のヒーローとは?を問いかけていきます。

OA予定曲…
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フットルース
ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー
バットマン
アベンジャーズ
サンダーバード
トゥルーライズ
ダークマン
七人の侍
映画 妖怪人間ベム
009 RE:CYBORG
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★他、秋の映画上映イベントのお知らせや、
 リスナー様からのご希望曲も!

海辺の映画館からの手紙 志田一穂
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ヒーローの定義、しかも映画の中のヒーローについてなんですが、やっぱりすべての映画の主人公って皆ヒーローだなと。あ、誤解なきようにですが、ヒーローという言葉の中にヒロインも含んでおります念のため。要するに、映画の中に主人公はいるってことか当たり前だろそんなの、と言われそうですが、そういう単純なことを言っているわけでもないんですね。物語の主人公って、今回ピックアップした映画たちのように特殊能力使う正義の味方もいれば、復讐に燃える異端もいる。はたまた人のためにしか動かないヤツらとか、虐げられたりしても自分の未来のために頑張って生きていくヤツらとか、とにかく映画の中の主人公って、何があっても前進していく、自分にとってはそんな主人公たち皆ヒーローと呼べる存在なんですね。逆にそれをヒーローと言わずしてなんなんだって、そういう話なわけです。

高校生の頃に「オレはヒーローになりたい」ってタイトルの8ミリ映画を作ったんですけど、なんのことはない、単なる自分がやってたバンドのライブ映像の記録映画なんです(厳密に言うと長編映画の中の1エピソード)。高三ですから、思春期真っ只中のバンド野郎なのでもう世の中すべてが敵だし何もかもが矛盾の対象で、日夜悩みながらよくわからない何かと戦っていたんですね。そのときのヒーロー像がなんなのかもわからない、でも、ヒーローになりたいとただただ歌い叫びまくる、そんな姿を映し出した映画なんです。これは若気の至りというよりも、れっきとした青春の記録であって、間違いなくヒーローに憧れる主人公による"ヒーロー映画"なんですよね。そもそも映像に出てくるバンドメンバーや熱狂する観客たち、それらが皆してヒーローだったのでは、という熱い存在だったと思うんです。

映画って何が大切かと言うと、自分の中では共感性なんです。主人公がどんなにカッコよくてもダメダメでも、事なかれでも最悪でも人格者でもろくでなしでも、共感度が高ければ高いほどその映画の主人公は自分にとってのヒーローであり、映画もまた心に残ると。先日観たレア・セドゥの『それでも私は生きていく』という日常ドラマ映画ですらそうなんです。あの、どんなことが日日の生活に起ころうと、時間だけは順当に流れていくし、ルーティンのスケジュールは放っておいても容赦なくやってくる。それでも彼女は、とにかく何があっても生きていく、生きていかねば、生きていくしかないわけです。これはもう共感せざるを得ない主人公。自分の心の中にある弱さ、傷み、トラウマなどをささやかに支えて共に感じてくれる、まさにヒーロー的存在なのです。映画の効力というか効能というか、そういうの、あるんですよ。それは刺さるときは結構強烈に刺さるものだから、皆もっともっと映画観ようよって、そういうことを言いたかったりもするんですけどね。
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OA曲リスト

キャノンボール The Cannonball Run Ray Stevens 志田produce 『キャノンボール』上映会 10/25開催決定! フットルース Footloose Holding Out For A Hero Bonnie Tyler ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー The Super Mario Bros. Movie Super Mario Bros. Opus Brian Tyler バットマン Batman Danny Elfman アベンジャーズ Marvel's The Avengers Alan Silvestri サンダーバード Thunder Birds Thunder Birds Are Go! Busted トゥルーライズ True Lies Brad IRA Fiedel ダークマン Darkman Danny Elfman 七人の侍 早坂文雄 映画 妖怪人間ベム サキタハジメ 009 RE:CYBORG 川井憲次 甘い生活 La dolce vita Nino Rota イル・コンテ・ロッソ (il conte rosso)さんご希望曲 それでも私は生きていく Un Beau Matin/One Fine Morning Love Will Remain Bill Fay


★志田からのお知らせ★
再び松本でイベントが決定!
“カフェあげつち” 再オープン記念イベント
映画の街 上土で映画音楽のレコードを聴こう!
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志田一穂(ジョニー志田)が映画音楽レコードをたくさん用意してまいります。
聴きながら映画のエピソードもお話しいたします!

カフェあげつち
2023年6月24日(土)14時〜16時
参加費(飲み物・お菓子付き)2,000円
主催 上土商店街振興組合


大人気イベント第二弾開催決定
Johnny & George On The Road volume.2
-Live Movie & Music-
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前回、ルート66にまつわる映画と音楽のをネタから始まった
ジョージ&ジョニーのノンストップトークライブ。
待望の第二弾は新旧 "ライブ・ドキュメンタリー映画" について、
またまたビール呑みつつレコードも聴きながら語り倒します。
是非一緒に楽しみましょう!

Bar461 (東京都新宿区舟町12 1F)
2023年7月14日(金) 19:00~
¥3,000 + drink order
申し込み受付 Bar461 / 03(3358)7283
※定員になり次第受付終了します。


狛江の美味しい薪窯焼きピッツァ&自然派ワインのお店
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ジョージ・カックル&ジョニー志田
『ワインと映画』トークショウ
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お酒大好きな二人が、ワインを呑みながら観る映画ならコレだ!
と言える作品群をいろいろと語ります。もちろんワインを呑みながら…!

2023年7月15日(金) 
open 19:00 start 19:30
3,000円/ワンドリンク&ワンフード・オーダー制
申し込みはこちら


江東シネマパラダイス
この夏、名画をチャップリンとともに...
映画『キッド』『犬の生活』
16ミリフィルム上映会
上映前解説 志田一穂

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日時 2023年7月8日(土)
場所 江東区総合区民センター レクホール
   (城東図書館のあるビル2階です)
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★申し込みは電話 03(3637)2751 城東図書館まで!


好評発売中!!
「映画音楽はかく語りき
   いつか見た映画、時をかける音楽」志田一穂・著

志田一穂(ジョニー志田)、初の著書、好評発売中です!
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特集「そのサントラ、違う!そうじゃない!
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今週の特集は、
そのサントラ、違う!そうじゃない!
なんなんだそのタイトルはと思われますよね。
遂に志田もネタ切れなのかよと。
違うんです。
何かが違う…でもこれ本命盤って書いてあるし、
正式な、公式なヤツなんだよ…ネ?
と疑心暗鬼になる時代が
確かにかつてあったのでございます。
奇しくも放送日の前日(6/17、つまり今日が16だから明日)に
場所は急遽会場変更になりましたが、
予定通り「サントラレコードバトルGO WEST!」が開催されるわけですが、
もうそのイベントでもそんなレコードが紹介されたりするわけです。
そう、レコードの時代ですね。
違う!そうじゃない!公式早よ!って思う音源がたくさんあったんです。
まぁ聴いてくださいませ。
これらは当時、イージー・リスニングとも謳われてきたので、
全編聴きやすいことは間違いないと思うのですがね(笑)

OA予定曲…今回は聴いてのお楽しみにしておきましょう♪
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海辺の映画館からの手紙 志田一穂
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今回の特集「違う!そうじゃない!」っていうのは、まぁご多分にもれず、鈴木雅之さんの歌から拝借しているわけですけれども、タイトルを。要はなんでこんなタイトルをつけたかといいますと、最近、と言ってもこのラジオ番組を始めてからですが、映画音楽DJと名乗る方々とたくさん知り合いになれまして。僕の他にもそんな方々がいらっしゃるんだなぁ、なんて思ったりもしつつ、その方々が本当に面白くて楽しいDJをプレイして聞かせてくれるんですね。それはどういうことかと言うと、昔のサントラレコード…、と言うのは今あるサントラCDとか配信とか映画で使われたそのままの楽曲全てが聞けるようなものではなくて、LPレコードも収録分数が両面で限られておりますので、これまで非常に「あくまでもサントラ用の音源」として収録されてきたと言うパターンが多かったわけですね。

そしてその中からテーマ曲だけをピックアップして、シングル盤として発売もしていました。そのシングル盤と言うのも、当然3分半から4分位までがマックス。で、ラジオや有線、そういったところに売られていって、宣伝アイテムとして活用されていたわけですけれども、今はもうそういった構成パターンの商品もありませんし、CDや配信などで全てが聞けるのはいいことなんですけれども、結局劇中使ったそのままの音楽になりますので、非常に短い曲が多いんですね。0分台、1分台なんていうのは当たり前で、何しろ映画のBGMですから。そうしますと、聞いている方ももちろん映画を再体験できる…、とは思うんですけれども、何か昔聞いていたLPレコードのA面 B面のサントラレコードを楽しんでいた感じではないな…ということになってくるんですね。
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何を言いたいかといいますと、その映画音楽DJの皆様は昔のサントラレコードを当然かけてくれると。しかもその中からホントに珍しい音源等もピックアップして楽しませてくれるわけです。それは前述したような、映画でそのまま使われた曲をレコードで全て聴くと言う時代では昔はありませんから、つまりそれは「レコード用にいろいろ作り直した曲」、今で言えば、「カバー・バージョン」ですね。しかもシングル盤はその時間に合わせた短縮版で楽しめるバージョンになっていたりするわけです。そしてそのバージョンを聴くと、なんかちょっと違うな…と(笑)。何か、映画で聴いたバージョンではない、ということが明らかになってくるわけです。そしてそのカバー・バージョンもずいぶんといろいろなアレンジを施されたり、ちょっとやり過ぎじゃないかと思えるようなものもある。今回はそういったカバー・バージョン、あるいはレコード用に作られたもの、そういった音源を集めてみようかなと考えたわけです。

ですから、僕なりのその映画音楽DJの方々へのリスペクトの気持ちを込めてお送りするような内容にもなっているわけですね。もっと言えばその映画音楽DJの皆さんがDJプレイでかけたレコードも、僕がレコード屋でその後発見して、あーこれが彼らが描けてたレコードだ、と僕も入手して、それも紹介してしまおうと言う。つまりすっかり映画音楽DJの皆様に、僕は大変お世話になっていると言うことでございます。

OA曲リスト
★追悼 ティナ・ターナー
マッドマックス サンダードーム We Don't Need Another Hero Tina Turner
007 ゴールデン・アイ Golden Eye  Tina Turner

★特集 そのサントラ、違う!そうじゃない! part.1
バック・トゥ・ザ・フューチャー 栗コーダーカルテット

イージー・ライダー スクリーン・サウンド・オーケストラ
刑事コロンボ アンサンブル・プチとスクリーンランド・オーケストラ

スパイ大作戦 vs ラテンパーカッション アンサンブル・プチとスクリーンランド・オーケストラ
スパイ大作戦 vs ノルウェーの森 クロード・フィリップ・オーケストラ

★生誕記念 ラロ・シフリン
ダーティー・ハリー Dirty Harry Lalo Shifrin
ブリット Bullitt Lalo Shifrin

★特集 そのサントラ、違う!そうじゃない! part.2
エクソシスト パーシー・フェイス・オーケストラ
スーパーマン レーモン・ルフェーヴル楽団

エマニエル夫人 ポール・モーリア・グランド・オーケストラ
ラ・ブーム Reality~愛のファンタジー ポール・モーリア・グランド・オーケストラ

★リスナー様からのご希望曲
砂の器 芥川也寸志

E.T.  栗コーダーカルテット


★志田からのお知らせ★

再び松本でイベントが決定!
“カフェあげつち” 再オープン記念イベント
映画の街 上土で映画音楽のレコードを聴こう!
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志田一穂(ジョニー志田)が映画音楽レコードをたくさん用意してまいります。
聴きながら映画のエピソードもお話しいたします!

カフェあげつち
2023年6月24日(土)14時〜16時
参加費(飲み物・お菓子付き)2,000円
主催 上土商店街振興組合


大人気イベント第二弾開催決定
Johnny & George On The Road volume.2
-Live Movie & Music-
phonto (3)
前回、ルート66にまつわる映画と音楽のをネタから始まった
ジョージ&ジョニーのノンストップトークライブ。
待望の第二弾は新旧 "ライブ・ドキュメンタリー映画" について、
またまたビール呑みつつレコードも聴きながら語り倒します。
是非一緒に楽しみましょう!

Bar461 (東京都新宿区舟町12 1F)
2023年7月14日(金) 19:00~
¥3,000 + drink order
申し込み受付 Bar461 / 03(3358)7283
※定員になり次第受付終了します。


江東シネマパラダイス
この夏、名画をチャップリンとともに...
映画『キッド』『犬の生活』
16ミリフィルム上映会
上映前解説 志田一穂

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日時 2023年7月8日(土)
場所 江東区総合区民センター レクホール
   (城東図書館のあるビル2階です)
料金 無料
★申し込みは電話 03(3637)2751 城東図書館まで!


好評発売中!!
「映画音楽はかく語りき
   いつか見た映画、時をかける音楽」志田一穂・著

志田一穂(ジョニー志田)、初の著書、好評発売中です!
2022年4月27日発売(ユニコ舎より) ★ご購入はコチラ
phonto (1)

他、いろいろな情報は志田のTwitter @shidakazuho でチェックしてください!

特集「知られざる、坂本教授のサウンドトラック
phonto (2)
今週の特集は、
知られざる、知られざる、坂本教授のサウンドトラック。
追悼特集の第二弾、
そしてタイトル通り、
知られざる、映画音楽です。
あえてそう言いました。
それはもっと知っていただきたい、
それだけの強い思いであります。
とにかく坂本龍一さんが手がけた映画音楽の数は
尋常じゃありません。
こんなにもあったのかと驚きます。
本業が映画音楽作曲家であれば別ですが、
アーティストとして二足のわらじでこれだけのサウンドトラックに
音楽を託していたとは、ということなのです。
是非、聴いてください。
そしてこれもほんの氷山の一角であります。

OA予定楽曲
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特集 知られざる、坂本教授のサウンドトラック
トニー滝谷
ファム・ファタール
だいじょうぶ マイフレンド
ELEPHANTISM/エレファンティズム
新しい靴を買わなくちゃ
シルク
一命
怒り
怪物
東京日和 

新作映画のご紹介は…
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海辺の映画館からの手紙 志田一穂
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坂本龍一教授の映画音楽についての原稿依頼を受け、改めてほぼすべての担当された映画音楽の確認作業に没頭していたのが先月でした。そこでやはりと言うか、こんなにもまだ名曲たちがいるのだなと、聴き続けるたびに驚愕したんですね。熱心なファンの方たちは聴き込んでいらっしゃるとは思うのですが、一般的認知度はそれこそ『戦メリ』や『ラストエンペラー』に比べたら雲泥の差だろうと。そう思ったので、今回追悼第二弾という特集を組み、大変失礼ながら、“知られざる”とあえて追記し、できるだけ多くの方に聴いていただきたいと思いつつ選曲いたしました。

海外作品が多い中で特に推したかったのはブライアン・デ・パルマ監督の『ファム・ファタール』のサントラです。この作品のエンディング楽曲、「ボレリッシュ」は、ラヴェルのボレロのリメイクのようなアレンジで、そういうリクエストを監督からもらったのはいいけれど、そこはさすが教授、“みたいなもの”と言われて憤慨したのか、オリジナルを想起させながらも、しかし実に巧妙な曲作で完成させてしまうのですね。今回はライブバージョンでお送りしますが、要はライブでも堂々この曲をやってしまうところがとにかくニクイと思いまして。
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あとはさまざまなコラボレーションも、サントラの中でかなり多く行っているんですね。commmonsレーベルからデビューさせたコトリンゴとのセッション・サントラ『新しい靴を買わなくちゃ』などは本当に新鮮な曲ばかりですし、『怒り』の2CELLOSとの共演なども、もっと広く聴いてもらうべき名曲だなと思っているのです。あとはアナログでしか聴けない『だいじょうぶマイフレンド』への提供曲もしっかり構成の中に入れました。そのように今はもう聴けない(聴ける機会が少ない)楽曲もたくさんあると思いますし、今後はそれらのアーカイブ化が、奇しくも没後カタログとして充実していくのでしょうね。残念この上ない展開ではありますが、期待はしてしまいます。
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何か坂本教授という人は、映画音楽という大役を任されたにも関わらず、そのフィールドでさまざまな音楽制作における実験を繰り広げていたりするんですね。もちろんそれらは自身のソロ・アルバムとしっかり連動しているし、精神的なアップ&ダウンの影響も当然あるだろうと。だけど概して映画にはそのサウンドが徹底的にマッチしているから、そこはとにかくスゴイ…と思っているのです。時代とシンクロしているのか、それとも教授が時代のモードを牽引しているのか、それすらも分析が難しいハイレベルなアプローチの数々なので、総じて結論はしっかりと言えないのですが、これだけは言えるとすれば、「教授は自由に音楽とともにいた」ということだと思うんですよね。

OA曲リスト
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トゥーランドットより 誰も寝てはならぬ Turandot~Nessun dorma Luciano Pavarotti
inspire select from「テノール!人生はハーモニー」

Sweet Revenge 坂本龍一

トニー滝谷 Solitude 坂本龍一
ファム・ファタール Bolerish(20130509_suntory hall) 坂本龍一 (from「Playing the Orchestra」)

だいじょうぶ マイフレンド ドアーズのテーマ 坂本龍一

ELEPHANTISM/エレファンティズム Masai Children's Songs~Great Africa 坂本龍一 
新しい靴を買わなくちゃ コトリンゴ プロデュース・作詞/坂本龍一

シルク Silk Mill Theme 坂本龍一
一命 Harakiri Endroll 坂本龍一

怒り 許し forgiveness 坂本龍一 feat. 2CELLOS
怪物 20220302 坂本龍一 (from「12」) 

エリック・クラプトン アクロス24ナイツ Eric Clapton - Across 24 Nights Wonderful Tonight Eric Clapton

東京日和 東京日和(Orchestra Version) 大貫妙子 オーケストラアレンジ/坂本龍一


★志田からのお知らせ★
嬉しいことに、再び尾道へ!
大林映画を楽しむ夕べ♪volume.2
志田一穂×大林千茱萸トークライブと、
大林宣彦監督の 8ミリ映画『尾道』上映会
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好評だった本年2月の「ピアノこたつを囲んで大林映画音楽の夕べ♪」。
続いて東京では4月の大林監督命日にあわせて
「A MOVIE ALIVE~大林映画に集う日」を開催し(写真)、盛況のうちに終了。
その熱も冷めやらぬ6月、
早くも再び尾道松翠園にて大林映画を楽しむ最新イベントの開催が決定。
今回もまた大林千茱萸と志田一穂コムビによる大林映画、
大林映画音楽についてのトークライブを決行。
あわせて大林監督がはじめて故郷尾道をスケッチ風に撮影し一篇の作品に仕上げた
自主製作8ミリ映画『尾道』(1963/17分)の上映も行います。
是非、“尾道で観る『尾道』”を体験して戴きたい。
大林映画の素晴らしい世界をまた皆で共有いたしましょう!
どうぞお気軽にご参加ください。

★上映作品『尾道』
 製作/大林宣彦 1963/17分/8ミリ作品(上映はDVDになります)
 
2023年6月14日(水) 18:30〜20:30
松翠園大広間 (広島県尾道市西土堂町1-26)
http://ma.onomichisaisei.com/
参加費/2,000円
※チケットは当日会場のみとなります。
✻レアなお土産プレゼント付き!
✻小学生までは無料!
 
※詳細はこちら


なんとあの爆笑トークイベントが関西地区へ遠征決定!
サントラレコードたくさん担いで湘南の海から馳せ参じます!
DJ Hit Me! & ジョニー志田 in
サントラレコードバトル"GO WEST!"
phonto (2)
湘南ビーチFM「Pops In The Box」「Hits Around The Clock 80s」の人見“Hit Me!”欣幸と、
同局「seaside theatre」のジョニー志田(志田一穂)が、
ひょんなことから映画音楽の雑談で意気投合。
だったら何かやりましょうかと、2022年秋に逗子にて「サントラレコードバトル」と題し、
アナログレコードで映画音楽をただ披露しあうという謎のイベントを開催。
しかしこれまた何故か満員御礼となり、
調子に乗って企画した第二弾もチケットは瞬殺SOLD OUTに。
こうなったらさらにヤルっきゃないとまたまた勘違いしてしまい、
遂に関西遠征作戦を水面下にて遂行。
そんなわけで、逗子の海から河内長野の
自然豊かな山あいに佇む人気の古民家カフェへのへのさんへ、
シーク(Chic)とジャッキー・チェンのことしか考えていない
DJふたりが突撃することになりました。
しかも大胆不敵な“二部構成”というアイドル並の上から目線。
これはもうレコードと共に玉砕必至の大イベント。
違う意味で伝説となること間違いないので、
そこんとこ夜露士区するとともに是非是非遊びに来て下さいませ。

2023年6月17日(土)
★愛と青春のサントラ編
open 11:30 start 12:00(end 13:30)
charge ¥2,000 + 要lunch(drink付) order
★存在の耐えられないサントラ編
open 14:00 start 14:30(end 16:00)
charge ¥2,000 + 要food+drink order

★一日通し券 charge ¥3,000 + 要food+drink order

ご予約はメールにて hitmenagisa@gmail.com
(お名前、参加回、参加人数、返信アドレスを明記してお申し込みください。
定員になり次第締め切ります)

古民家カフェへのへの(音カフェHENO HENO)
大阪府河内長野市河合寺282 tel 0721-21-1303


好評発売中!!
「映画音楽はかく語りき
   いつか見た映画、時をかける音楽」志田一穂・著

志田一穂(ジョニー志田)、初の著書、好評発売中です!
2022年4月27日発売(ユニコ舎より) ★ご購入はコチラ
phonto (1)

他、いろいろな情報は志田のTwitter @shidakazuho でチェックしてください!

特集「00年代映画から何が見える?
phonto (1)
今週の特集は、00年代映画から何が見える?
何が見えてくるのか、実は自分自身が、
一番興味深く凝視しているんですね。
それぐらいわからない、
この00年代の正体が…!
まだ20年、されど20年。
周期としてはもう、少しずつ明確化されてきても
良いのではと思っているのですが、
映画音楽を聴くだけで、果たして見えてくるのでしょうか…
いや、何か、何かが見えてくる!はず…。

OA予定楽曲
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特集 00年代映画から何が見える?
キューティー・ブロンド
(500)日のサマー
マリー・アントワネット
電車男(TV version)
リトル・ミス・サンシャイン
ムーラン・ルージュ
トゥームレイダー
プラネット・テラー in グラインドハウス
座頭市
ダークナイト
ラストサムライ
アバター
ベンジャミン・バトン 数奇な人生

海辺の映画館からの手紙 志田一穂
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00年代のはじめ、西暦2000年からもう20年以上経ちつつあるのですね。だいたい文化のブーム周期は約20年と言われていて、そろそろその00年代の流行が一体どんなものだったのか、はっきり具体化してくるころだと思うのです。なにしこんなに不確かに形作られてきた時代はありませんから。それらを現す一番わかりやすいのはやっぱり音楽だったりファッションだったり、日常にそのまま溶け込んでいるものではないかとも思うんですね。映画はもう少しコアなゾーンで、90年代のCG全盛以降余計その存在が等しく作品ごとに差別化しにくくなってきている感があるのと、シネコンが増えたおかげで映画鑑賞時の印象度がやや薄れていったことで(つまりシネコンはどこも一緒、かつてのそれぞれの映画館の風景がなくなり、そういう意味で印象の捉え方に違いがあるという意味)、どうもはっきりとした輪郭として伝わってこないんですね。

それでも今回、00年代で自分的に記憶に明確に残っているさまざまなジャンルの作品を想起させ、またそのサウンドトラックもチェックして音楽的にも、これ00年代サウンドではないかな?と感じるものをチョイス。これらが形作るものこそ00年代ブームのフォルムとなる…かな?と、とにかく疑問符ばかりのまま突き進んだという、つまりはリサーチ的なアプローチで構成してみた次第なのです。

ですので恐らくまだまだ00年代と言えばコレ!と言ったご意見ご感想も他にたくさん出てくるかもしれませんが、トライアル企画としてやらせていただいたということですね。それぐらい80年代や90年代に比べると00年代から一気に不透明になります。まぁ個人の感想ですが、本当にわからない。せめて日本の歌謡曲などをサンプルケースに出来ればまだ理解しやすくなるのでしょうが。
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先ほどブームは20年周期と書きましたが、そうなると00年代の仕掛け人たち、特に若手クリエイター(30~40代)たちは、ちょうど1970年前後、あるいは1980年前後に生まれた世代だと想定できるわけです。早ければ、ですけど。そうなるとその彼らが10代の多感な頃を過ごしたのは80~90年代ということになる。MTVからオルタナ、リバイバル、スクラップ&ビルトの時代。これらがさまざまな応用によって新たな文化=00年代を形どっていったという推測は手っ取り早くですができるわけですね。要するに根底にそれらの要素が敷き詰められて新たなナニかが生まれていったのではないかと。たとえば進化したミュージック・クリップ映像や、タランティーノが蒔いた“引用”という映画手法のタネ、そしてスクラップ&ビルトならぬコピー&ペーストの時代に突入、みたいな。

それらをベースにしながら、どんな新しいサウンドやビジュアルが生まれていったのか。00年代もまた70s,80s,90sなどの各カラー同様、明確に色分けできる存在となり得るのか。それが自分自身、まだまったくその回答か出せていない、今回のテーマなんですね。ですからお聴きいただいたリスナーの皆様からも是非いろいろな意見をいただきたいしお聞きしたいと思っています。勉強させていただければ幸いです。それぐらい、時代の色分けには興味がありますし、何よりそこを明瞭化することで、いかに映画や音楽、つまり文化というものが時代の流れとともに在るかということが証明出来ていくからなのです。これはですね、講演でお話する際にも、とても説得力のあるネタとなるのです。だからこそしっかりと理解しておきたいのですね。


OA曲リストはのちほど…

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キューティー・ブロンド Legally Blonde Perfect Day (hris Lord Alge Mix) Hoku


(500)日のサマー (500) Days Of Summer

 Please, Please, Please, Let Me Get What I Want She & Him

 Please, Please, Please, Let Me Get What I Want The Smiths

マリー・アントワネット Marie Antoinette  I Want Candy (Kevin Shields Remix) Bow Wow Wow


電車男 Prologue~Twilight ELO

リトル・ミス・サンシャイン Little Miss Sunshine The Winner Is DeVotchKa ・ Mychael Danna

ムーラン・ルージュ Moulin Rouge! Your Song Ewan McGregor & Alessandro Safina


トゥームレイダー Lara Croft: Tomb Raider  Elevation  U2

プラネット・テラー in グラインドハウス Planet Terror Grindhouse (Main Titles) Robert Rodriguez

座頭市 Festivo 鈴木慶一


ダークナイト The Dark Knight Introduce A Little Anarchy Hans Zimmer

ラストサムライ The Last Samurai Red Warrior Hans Zimmer

アバター Avatar I See You Leona Lewis


ライフ・イズ・ビューティフル La Vita E Bella Barcarolle from Offenbach “The Tales Of

Hoffman ”

WOLFMANさんご希望曲


ベンジャミン・バトン 数奇な人生 The Curious Case of Benjamin Button Sunrise on Lake Pontchartrain Alexandre Desplat


★志田からのお知らせ★
嬉しいことに、再び尾道へ!
大林映画を楽しむ夕べ♪volume.2
志田一穂×大林千茱萸トークライブと、
大林宣彦監督の 8ミリ映画『尾道』上映会
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続いて東京では4月の大林監督命日にあわせて
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どうぞお気軽にご参加ください。

★上映作品『尾道』
 製作/大林宣彦 1963/17分/8ミリ作品(上映はDVDになります)
 
2023年6月14日(水) 18:30〜20:30
松翠園大広間 (広島県尾道市西土堂町1-26)
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参加費/2,000円
※チケットは当日会場のみとなります。
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✻小学生までは無料!
 
※詳細はこちら


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サントラレコードバトル"GO WEST!"
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特集「東京を奏でた映画音楽
phonto (1)
今週の特集は、東京を奏でた映画音楽
東京、トーキョー、TOKYO...
今や世界中の注目を集めている文化の発信都市。
政治や経済はともかく、
ことジャパニーズ・カルチャーがあらゆる若者たちに与えている
影響たるや、と言ったところでしょうか。
それぐらい、今「東京」の存在には、
強力な重要性が満ちていると感じます。
今回はそんな我々の街、東京がテーマです。
いかにワールドワイドに取り上げられているか、
たとえそれが映画の世界であっても、
注視すべきところです!

OA予定楽曲
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特集 東京を奏でた映画音楽
ブレット・トレイン
ALWAYS 三丁目の夕日
東京物語
東京暮色
ロスト・イン・トランスレーション
ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT
ウルヴァリン:SAMURAI
東京画
都市とモードのビデオノート
夢の果てまでも
異人たちとの夏
東京タワー tokyo tower

海辺の映画館からの手紙 志田一穂
001-Feature-Photo-by-Focus-Features-Vignette
前回の日本映画に続いて今週は「東京」をテーマに特集を組みます。東京がテーマの作品、東京が舞台となっている作品、そして東京という都市をなんだか勘違いして捉えながら作っちゃった作品…(笑)などなど。いろいろ集めてみると、まぁたくさんありますね。以前、世界の都市を舞台にした映画を一作ずつ集めて特集を組んだり、ニューヨークをテーマに、あるいはアジア全域をテーマに、といった、街や地域をターゲットにした特集もいろいろやりました。でも多分東京だけをメインにした特集はやってないんじゃないかなと。もうたくさん特集をやってきて忘れ気味で恐縮なんですけれども。
desktop-wallpaper-cars-movie-carros-disney
東京という都市の中で実際にロケしなくても、今はCGでいくらでもアニメの如く風景も街並みも作れてしまうので、そういう作品に限ってとんでもないイメージで作られていたりするので、東京に暮らす者の立場としては、そういのかなり笑っちゃいますよね。というかすっかりそういう“勘違いすっとこどっこいストレンジな東京”が、ハリウッド映画として定番になっているのもまた困ったもんです。一体どんなイメージで東京を観ているのかよと。いっそ『カーズ2』みたいなCGアニメなら、勘違い盛り盛りのニッポン&トーキョーも楽しめちゃうんですが。しかし古くは『ブレードランナー』の近未来的アジア都市の表現、あのイメージの植え付けの大罪たるや、と思いませんか。和の文化とサイバーパンクの融合はもちろん新鮮でしたが、重要なのはほぼほぼ「夜」のシーンとして描かれている独特の暗い雰囲気だったり、そこに降り続ける「雨」によって普通の街の情景がいつもごった返しているという演出だったり、それらに反射していちいちうるさい蛍光色バリバリの「ネオン」の数々だったりと、完全にそういったイメージが固定化され、既にそれらは「TOKYO-ISM」という映画的記号になっているのではないかと。現にそれらが踏襲されていって、他作品で描かれるアジア界隈、特に東京という都市は、いつもなんだかやっぱりどんよりした雰囲気なんですよね。

それでも東京を舞台にした普通のヒューマンドラマにして海外作品、というのもちゃんとあります。今回かなりそれらは割愛してしまったんですが(ミニシアター系だからというわけではなく、あくまでも音楽先行で選抜しているので)、例えば田所“ダイアモンド☆ユカイ”豊主演の『TOKYO POP』とか、スティーブン・オカザキ監督の『リビング・オン・TOKYO・タイム』とか、はたまた当番組ではよく紹介していた、HASYMOがテーマ曲担当のオムニバス映画『TOKYO!』(監督⇒ミシェル・ゴンドリー、ポン・ジュノ、レオス・カラックス)とか。これらはシネフィル的でありながらとても面白いドラマ映画で、東京の生活をメインとした日常の風景がしっかりと描かれている良作ばかりです。前述した和風サイバーパンクの世界とはとても対照的ですが、これはこれで多分きっと東京という街、都市を違う視点でイメージ化しているのでしょう。
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その中間地点というかどっちともとれないというか、マジマジと見つめてこの都市の中心地にダイブしていったのがヴェンダースの一連の“with 東京”作品群であり(『東京画』『夢の果てまでも』『都市とモードのビデオノート』)、その系譜のように突如現れたのがソフィア・コッポラの『ロスト・イン・トランスレーション』だったと感じるのです。この作品が未だ現在の東京の姿とオーパラップして観られるのは、やっぱり00年代から本格的に浸透していったジャパニーズ・カルチャー・ブームの影響だと思っています。カワイイファッションやアニメ、ゲーム、シティポップと、インターネットが世界に蔓延し、コアな世界をリスペクトするオタクたちが実は世界中に存在することが顕かになって、その集合体のパワーたるや市民権を得るほどの強大なものになっていったと。ソフィア・コッポラの作品にはそういう要素が多分に詰まっていて、マニアライクなアプローチこそがエッジの利いたカルチャーに強く反応する若者たちの感性と見事に調和していったのだと思うんですね。

しかも東京という都市こそが、そうした新しいオタク・ジェネレーションたちの聖地であると、実はこれまでの東京を舞台にした映画、アニメ、マンガなどで既に実証されてきていた。だから話は早かった、日本へ行くぞ、東京で遊ぶぞ、となっていったんだと思うのです。なので今、東京が一番最先端のカルチャー・フィールドになっているということなのではと。まったく、面白いですよね。東京でずっと映画や音楽を吸収し続けてきた自分にとって、今、海外旅行はハワイやハリウッドやニューヨークよりも日本、東京だって言うんですから。そういう意味ではまだまだ東京って未開の地だったりするのではないでしょうか。だからこそ、映画に登場する東京たちも、さまざまなイメージによってデコレートされ、楽しい表現領域として機能しているのかもしれません。『ブレット・トレイン』や『ウルヴァリンSAMURAI』の世界観て、まさにそうしたトーキョー・カルチャーをブレンドしたエンタメ映画なんでしょうね。
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そういえばこれを書きながら、リュック・ベッソンがプロデュースした東京ロケ映画、『WASABI』なんてのも思い出しました。この作品は日常ドラマと言えばそうなんですけど、なんだかんだでアクションだったりサスペンスだったり、主演の一人も人気絶頂時の広末涼子だったりと、今考えてみると結構オタク要素が詰まっている不思議な作品です。調べてみると2001年の作品。なるほどやはり00年代からってのは、やっぱりあるんでしょうかね。80年代のジャッキー・チェン&サモ・ハンの『大福星』も日本ロケ映画でしたが、うーむそちらは早すぎたアプローチだったんだなぁ(遠い目)

OA曲リスト

★ダニー・エルフマン 5/29 誕生日

ミッドナイト・ラン Midnight Run Danny Elfman

★特集  東京を奏でた映画音楽

ブレット・トレイン Bullet Train  I Just Want to Celebrate Rare Earth

ALWAYS 三丁目の夕日 佐藤直紀

東京物語 斎藤高順

東京暮色 斎藤高順

ロスト・イン・トランスレーション Lost In Transrlation City Girl Kevin Shields

ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT Mustang Nismo Brian Tyler feat. Slash

ウルヴァリン:SAMURAI The Wolverine Marco Beltrami

東京画 Tokyo-Ga Lanrent Petitgand

都市とモードのビデオノート Notnbook On Cities And Clothes Lanrent Petitgand

夢の果てまでも Until The End Of The World (I'll Love You)Till The End Of The World Nick Cave And The Bad Seeds

スカイ・ハイ The Man From Hong Kong Sky High(Main Title) Jigsaw

異人たちとの夏 篠崎正嗣

東京タワー 溝口肇


★志田からのお知らせ★
嬉しいことに、再び尾道へ!
大林映画を楽しむ夕べ♪volume.2
志田一穂×大林千茱萸トークライブと、
大林宣彦監督の 8ミリ映画『尾道』上映会
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好評だった本年2月の「ピアノこたつを囲んで大林映画音楽の夕べ♪」。
続いて東京では4月の大林監督命日にあわせて
「A MOVIE ALIVE~大林映画に集う日」を開催し(写真)、盛況のうちに終了。
その熱も冷めやらぬ6月、
早くも再び尾道松翠園にて大林映画を楽しむ最新イベントの開催が決定。
今回もまた大林千茱萸と志田一穂コムビによる大林映画、
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あわせて大林監督がはじめて故郷尾道をスケッチ風に撮影し一篇の作品に仕上げた
自主製作8ミリ映画『尾道』(1963/17分)の上映も行います。
是非、“尾道で観る『尾道』”を体験して戴きたい。
大林映画の素晴らしい世界をまた皆で共有いたしましょう!
どうぞお気軽にご参加ください。

★上映作品『尾道』
 製作/大林宣彦 1963/17分/8ミリ作品(上映はDVDになります)
 
2023年6月14日(水) 18:30〜20:30
松翠園大広間 (広島県尾道市西土堂町1-26)
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同局「seaside theatre」のジョニー志田(志田一穂)が、
ひょんなことから映画音楽の雑談で意気投合。
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アナログレコードで映画音楽をただ披露しあうという謎のイベントを開催。
しかしこれまた何故か満員御礼となり、
調子に乗って企画した第二弾もチケットは瞬殺SOLD OUTに。
こうなったらさらにヤルっきゃないとまたまた勘違いしてしまい、
遂に関西遠征作戦を水面下にて遂行。
そんなわけで、逗子の海から河内長野の
自然豊かな山あいに佇む人気の古民家カフェへのへのさんへ、
シーク(Chic)とジャッキー・チェンのことしか考えていない
DJふたりが突撃することになりました。
しかも大胆不敵な“二部構成”というアイドル並の上から目線。
これはもうレコードと共に玉砕必至の大イベント。
違う意味で伝説となること間違いないので、
そこんとこ夜露士区するとともに是非是非遊びに来て下さいませ。

2023年6月17日(土)
★愛と青春のサントラ編
open 11:30 start 12:00(end 13:30)
charge ¥2,000 + 要lunch(drink付) order
★存在の耐えられないサントラ編
open 14:00 start 14:30(end 16:00)
charge ¥2,000 + 要food+drink order

★一日通し券 charge ¥3,000 + 要food+drink order

ご予約はメールにて hitmenagisa@gmail.com
(お名前、参加回、参加人数、返信アドレスを明記してお申し込みください。
定員になり次第締め切ります)

古民家カフェへのへの(音カフェHENO HENO)
大阪府河内長野市河合寺282 tel 0721-21-1303


好評発売中!!
「映画音楽はかく語りき
   いつか見た映画、時をかける音楽」志田一穂・著

志田一穂(ジョニー志田)、初の著書、好評発売中です!
2022年4月27日発売(ユニコ舎より) ★ご購入はコチラ
phonto (1)

他、いろいろな情報は志田のTwitter @shidakazuho でチェックしてください!

特集「日本が奏でた映画音楽
phonto (1)
今週の特集は、
「日本が奏でた映画音楽」
日本映画特集と言っても、
全部が全部、やや暗いサントラではありません。
とにかく多種多様な映画音楽を集めてみました。
新旧取り混ぜて、というのは登番組のコンセプトですが、
まさに新旧ミックスすることによって
日本映画界もこれだけバラエティー感溢れる
映画音楽が放出されていたのかと理解してもらえるかと。
もちろん一時間の番組だけでは足りませんので、
この流れは次週にも続く予定。
二週に渡って、是非お楽しみください!

OA予定楽曲
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犬神家の一族
ルパン三世 カリオストロの城
復活の日
南極物語
天空の城ラピュタ
ソナチネ
この空の花 長岡花火物語
DEATH NOTE the Last name
L change the WorLd
カイジ ファイナルゲーム
海街diary
レジェンド&バタフライ

他、リスナー様からのご希望曲のご紹介も! 


海辺の映画館からの手紙 志田一穂
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日本映画の映画音楽、と言っても、やっぱりラジオ番組ですからあまりにも選曲に偏りが出るとよろしくないなと。本当は大島渚監督の『青春残酷物語』や『飼育』などを手がけた眞鍋理一郎さんの実験的な現代音楽もお送りしたい。さらに言えば、市川崑監督の『東京オリンピック』から小津安二郎監督の『お早よう』まで、縦横無尽に楽曲を提供された黛敏郎さんの映画音楽もたくさんお聞かせしたい。そしてやっぱり坂本龍一さんによる知られざる映画音楽の数々だって、まだまだたくさん紹介したい作品がある。でもまぁさすがにそうした自分好みばかりピックアップしても、やっぱり前述したように相当な“偏り”が生まれてしまうのではないかと。それは本日登壇して講演した、日比谷図書文化館の日比谷カレッジ「時をかけて、映画音楽の歴史の旅へ~日本映画を10倍楽しく聴く方法」の内容にも通じることでして、やっぱりどこかに皆さんが知っている、あぁ懐かしい、これこれそうだったそうだった!なんて思ってもらうネタが随所にないと、一時間強の講演だって(もちろんラジオ番組だって)難しい曲や難しい話、知らない話ばかりだと、簡単に飽きられてしまうと思うのですね。そう思ってしまう自分が、なんというか、いいんだか悪いんだかなぁ、とも思ったりしているわけです。

自分はアナログレコードのDJを15年くらいやってきたんですが、DJ無礼を披露する際、30分セットより1時間セットの方が難しい、と思っておりまして。一時間という長い時間を集中してもらうって、実はとても大変なわけです。巧妙かつ綿密な構成をしっかり考えて準備しても、どこかその場の空気に押されてしまってというか、流されてしまってというか、自分が送り出したかったレコードを無念にも諦めて、突発的に差し替え、その空間に合うもの(つまり想定外のもの)をかけてしまうことがあるんです。ライブというものはそういう緊張感と即興性ありきだとも思いますし、それはそれで大切なアプローチであり、必要な引き出しだとは思うのですが、一方ではそんな空気感などは無視して、自分がやりたいように貫けばいい、差し替え不要、やりたいようにやれ!的な意見があるのも確かなんです。そうした貫き型のDJの方々もこれまでたくさん見てきてますし、そんなスタイルこそ個性が突出するから単純にカッコいいわけですよ。あー自分もそうありたいわ~なんて思うこともありました。でもですね、なかなかそれが出来ないんですね。DJプレイは特に周りに流されてしまう。盛り上がってきたところで、自分の考えてきたセットリストは次の曲でクールダウン系なんだけど、これだけ盛り上がっていたらさらにキープしなきゃ…、とか、またはその逆も。とにかくなかなか初志貫徹出来ない自分がいるわけですね。
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で、ラジオや講演に置き換えると、やっぱりそうした同じ轍を踏まないよう、あらかじめストッパーがかなり強く置かれてしまうのです。マニアライクなもので統一したいけど、いやいや絶対このあたりでお客様やリスナー様たちは引き始めてしまうだろうから、ちょっとここでアクセント的に皆が知ってるこのあたりのを刺しこんでおくか、みたいな。そんなことを気にしながら構成したものが、普通だとか平凡だとか言われても仕方ないとは思うのですが(いや今のところ言われてませんが)、やっぱり自分がアピールするものってどこまでいっても自分自身というか、気遣っちゃうのも自分だし、いい意味で忖度するのも自分なんですよね。だからとにかく今回何が言いたいかと言うと、“相変わらずバラエティーに富んでます”ってことなんです。マニアックな曲もあります。あわせて皆大好きな曲もあります。賑やかな曲も、落ち着いた曲も、日本映画だからと言って暗い曲ばかりではありませんし、ましてや日本の音楽アーティストだけとは限らない。そういう意味で多種多様、バラエティー感満載の構成になっているので、もうそれを自分の個性として捉えても良いのかなと、最近は思い始めています。

友人から、Twitterを見てるけどとにかく君の趣味はバラバラだな、と。ゴダールにジャッキー・チェンにデヴィッド・ボウイに小津安二郎。さらにはアケルマンとかペネベイカーとかスカイハイとかよくわからないものばかり出てくると思えば、マーベルだ大林宣彦だ坂本龍一だとスタンダードな名前もよく出てくる。一体何が一番なわけ?と。客観的に見るとそういうシッチャカメッチャカなヤツって風に見えているんですね。わからなくもないんですが、でも結局それら一つ一つも自分なんでなんとも言えないですよね。そのバラバラ感が恐らく僕の個性だと思いますし、結果的にそれを毎週毎週具体化して発信しているのが、ラジオ番組「seaside theatre」だと思うのです。今後もいろいろなものに影響されていくとは思うのですが、自分自身であり続けながら、しっかり発信していくってことだけは忘れないようにしたいですね。

OA曲リスト

犬神家の一族 愛のバラード 大野雄二

ルパン三世 カリオストロの城 ミステリアス・ジャーニー 大野雄二

復活の日 You Are Love Janis Ian

南極物語 Theme From Antarctica Vangelis

天空の城ラピュタ 久石譲

ソナチネ 久石譲

この空の花 長岡花火物語 久石譲

DEATH NOTE the Last name

  Snow Red Hot Chili Peppers

 〜the Last name 川井憲次

L change the WorLd I'll Be Waiting Lenny Kravitz

カイジ ファイナルゲーム 菅野祐悟

海街diary 菅野ようこ

リッチマンプアマン

✴︎シークワーサーさんご希望曲

レジェンド&バタフライ 佐藤直紀


★志田からのお知らせ★
『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』
 上映特別企画DJイベント!
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5/26(金)21:45〜22:30 DJ 志田一穂
菊川 strangerにて
愛すべきボウイ、愛すべきstrangerにて、
映画『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』上映後に
DJさせていただきます。もちろんヴァイナルで⚡️
DJのみでもお楽しみいただけます!(カフェにて要ご注文)


小石川図書館 RETRO🎬CINEMA 開催
映画『東京物語』上映会
5月28日(日) 13:30〜
小石川図書館 第4ホール 入場無料
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いよいよ"レトロシネマ"に小津安二郎監督の不朽の名作『東京物語』が登場。この作品こそ小石川図書館のあのホール、あの座席、あのスクリーンで観るに相応しい名画。世界から絶賛され、今なお色褪せず観客に訴えかける感動作。是非ご来場いただきお楽しみください。もちろん今回も上映前の約15分で、さらに映画が楽しく観れる志田の解説トーク付きです。

『東京物語』1953年 日本映画 
監督 小津安二郎
脚本 野田高梧 小津安二郎
出演 笠智衆
   東山千栄子
   原節子
   香川京子
   杉村春子
   山村聡
音楽 斎藤高順

上映前解説トーク 志田一穂

好評発売中!!
「映画音楽はかく語りき
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特集「Back To The ゼメキス with シルヴェストリ
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今週の特集は、
「Back To The ゼメキス with シルヴェストリ」
ハリウッドで最強のタッグとされる、
ロバート・ゼメキス監督と、音楽アラン・シルヴェストリ!
5/15がゼメキス監督の誕生日ということで、
満を持しての大特集です。
そう、ゼメキス・フィルモグラフィーを特集するってことは、
同時にシルヴェストリ特集も実現するということなんですね。
そんなわけで、ゼメキス作品もリマインドしながら、
素晴らしいシルヴェストリ・サウンドも是非堪能してください!

OA予定楽曲
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ピノキオ
バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3
ロジャー・ラビット
ロマンシング・ストーン
永遠に美しく…
ホワット・ライズ・ビニース
ザ・ウォーク
コンタクト
マーウェン
フォレスト・ガンプ/一期一会
キャスト・アウェイ

新作映画のご紹介は、
5/5公開 帰れない山
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他、リスナー様からのご希望曲のご紹介も! 

海辺の映画館からの手紙 志田一穂
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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』をはじめて観たときはいろいろな意味で衝撃でしたし、映画についてのさまざまな思いがありました。まずこの邦題ですね。カタカナ表記の“バック・トゥ・ザ・フューチャー”というタイトルです。原題そのままなんですが、正直言って長いし読みにくいしで、どうしてもっと考えたタイトルにしなかったのかと、恐れながら最初にチラシを見てこの作品を知ったときからイライラしていたんですね。というのも同様のイライラタイトルが、このちょっと前にあったんです。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』…。これ、いい加減にしろよって思いました。長いのはもちろん、アポンってなんだよ?って。どうしてもっとギャング映画に相応しい、カッコイイ邦題にしないのか、不思議でフシギで仕方なかったですね。つまり、カッコワルイって思っていたのだと思います。

そして『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(以下『BTTF』)が追い打ちをかけてさらにカッコワル!!となったんです。意味がわからないとは言わない。まぁなんとなく言いたいことはわかる。だけどこれでは一般に伝わらないのでは?と思ったし、もっと劇場に客を集めたいんでしょ?わかりやすいタイトルにしたら?って本気で怒ってました(苦笑)。まぁ後々映画業界に入って、邦題をフィックスさせるにもわざわざ海外の権利元にお伺いを立ててゴーサインを貰わないと決められない、ということを知り、例えばですけど『タイムスリップ・ボーイの冒険』とか『タイムマシーンでぶっ飛ばせ!』みたいなタイトルを付けても(ひどいな)、それはそれで権利元が嫌がって了承されないかもしれない(まぁされないだろうな)。そんなことをしていると公開前の宣伝に間に合わなくなるから、もう原題そのままが無難だ!みたいなことになったりすることもあるんですね。こだわっても仕方ないからスムーズにいこうよ、みたいな。たまにね、そういうノリもあるんです。いや別にこの『BTTF』がそうだったとは言わないしそんなことは知る由もないのですが、とにかく当時は相当違和感があったんです、この邦題に。観る前ですよ?観る前。
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で、主演のマイケルJフォックスですよ。誰??って思ってました。だってまだ彼主演の映画は日本で紹介されてなくてこれが最初(『処刑教室』ってのに脇役で出ていましたけどそれこそフィーチャーされてませんからね)。もちろん既にアメリカでは大人気で映画ともども大ブームになっていたわけですが、そんなこと知らんわと。日本では「スピルバーグの」というだけで、あまりにも切り口が少ないうえ、それでも有楽町マリオンの巨大映画館、日本劇場を開けて公開するという有り様。え?え?こんな得体の知れないB級SF映画みたいな作品を日本劇場で!?と、さらにうろたえてしまったりしてました。とにかく観る前から、いったいなんなんだこの映画は?という思いでいっぱいだったんです。今思えば文字通り「観る前」から困ったものですが、さらに言えばその「スピルバーグの」ってのも、なんなのよ?って感じもありましたね。だって「製作総指揮」クレジットですからね。このクレジットは悪いけどレイモンド・チョウだけだからな?って意味不明なイラつきさえありました。そんな思いもむなしく、この時期東宝サイドで『BTTF』、松竹サイドでは『グーニーズ』や『ヤング・シャーロック』など、とにかくスピルバーグ・プロデュースものが横行していて、まあまあ随分といいご身分になったもんだな!なんて思いながら、「これじゃ全部追いかけなきゃダメじゃないかよ、小遣い足りねぇ!!」みたいな。結局そこかよって感じですし、どこまで文句言いながら映画観てるんだって感じもありますが、なんともすべては若気の至り、実際に映画を観てみて、その面白さと楽しさにびっくりするまでは、いやはや大変失礼いたしましたという感じでございました。数々の暴言と取り乱し、心からお詫び申し上げます、でしたよ。その後、マイケルJ、ゼメキス、そしてシルヴェストリの音楽にぞっこんになっていったのは言うまでもないんですよね。
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『BTTF』のサントラは即買いでした。LPレコードですが、なんでもっとシルヴェストリの曲が入ってないんだ!と怒りつつも(結局また怒る)、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのオープン/エンドの2曲や、マイケルJバージョンの「ジョニーBグッド」なども入っていたから、それはそれで良かったなぁなんて思ったり。テレビOA時の吹き替えもなんで宮川一朗太から三ツ矢雄二に変えんだバカ!とまたまた激怒したりと(いい加減にしろ)、とにかく三部作完結まで『BTTF』シリーズには物凄く堪能させていただき、今となってはもう何回観たかわからないほど大好きです。PART.3でシルヴェストリの音楽が西部バージョンになったときのカタルシスなどは、やっぱりこの人はわかっているよなぁと感激したりもしたものです(怒ってばかりではない)。その他のゼメキス&シルヴェストリ作品で言えば『コンタクト』もかなり衝撃でした。内容もそうですが、よくあの原作をこれだけ映像化したなとか、メロディアス&ダイナミックな音楽もとにかく素晴らしいとか、個人的には大絶賛ものでした。このときの音楽は『花嫁のパパ』2部作と何気に共通していて、どちらも大好きな作品だったのですべてサントラはゲットしましたね。『花嫁のパパ』ももちろんシルヴェストリの音楽です。

あとは『キャストアウェイ』の音楽演出も素晴らしかったです。実はあの作品、飛行機事故でトム・ハンクスが無人島に辿り着いてからほとんど、というか完全に音楽が無くなるんです。だけど、なぜか自然の音が音楽のように響いている気がして、あとで、途中から音楽を意図的、かつ演出的に無くしている、と知ったときは心から驚きました。なんというか、そのときもはや自分の中で、ゼメキス作品には自然とシルヴェストリの音楽が共存していて、波の音や森の音、風の音までがシルヴェストリ・サウンドとして聴こえていたのかもしれない…のか?と、唖然としたんですね。ちょっと何を言っているのかわからないかもですが、本当にそう感じたんです。それだけの不思議な2人への信頼感というか、身を委ねて映画の世界に入り込んでいたからこその衝撃というか、そういうことなんですね。トムとゼメキスとシルヴェストリと言えばもちろんこの前に『フォレスト・ガンプ』があって、当然こちらも素晴らしいリレーションでしたが、あちらは結構アメリカン・ロックが全編にフィーチャーされているので印象としてはそうした既成曲が目立っていたと思います。それでもあれだけのテーマ・メロディを随所に塗し、今やオリジナル楽曲の方が大人気になっているのはさすがだなと。まぁそれぐらい彼らのタッグの親和性が強いのでしょうね。それを実感していたからこそ、『キャストアウェイ』にも思わぬ感情が生まれたのかもしれません。
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最近の作品で言えば、シルヴェストリがあの『アベンジャーズ』のテーマを聴かせてくれたのは嬉しかったですね。スピルバーグと組んだ『レディ・プレイヤー1』も良かった。ちょっと聴けば、あ、シルヴェストリだ!と思えたり、さすがゼメキスだなぁなんて作品を観ながらも思えたり。そういうのってファンならではの嬉しさがあるんですよね。

OA曲リスト

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像 Armageddon Time Armagideon Time~ハルマゲドン・タイム The Clash

5/12公開

ピノキオ Pinocchio Tom Hanks / Alan Silvestri

バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3 Back to the Future Part III Alan Silvestri

ロジャー・ラビット Who Framed Roger Rabbit Alan Silvestri

ロマンシング・ストーン 秘宝の谷 Romancing the Stone Alan Silvestri

永遠に美しく… Death Becomes Her Alan Silvestri

ホワット・ライズ・ビニース What Lies Beneath Alan Silvestri

ザ・ウォーク The Walk Alan Silvestri

コンタクト Contact Alan Silvestri

マーウェン Welcome to Marwen Alan Silvestri

フォレスト・ガンプ/一期一会 Forrest Gump Alan Silvestri

キャスト・アウェイ Cast Away Alan Silvestri

110番街交差点 Across 110th Street Bobby Womack

オダテクさんご希望曲

帰れない山  Le Otto Montagne Like There Was A Door  Daniel Norgren 5/5公開


★志田からのお知らせ★
『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』
 上映特別企画DJイベント!
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5/26(金)21:45〜22:30 DJ 志田一穂
菊川 strangerにて
愛すべきボウイ、愛すべきstrangerにて、
映画『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』上映後に
DJさせていただきます。もちろんヴァイナルで⚡️
DJのみでもお楽しみいただけます!(カフェにて要ご注文)

志田一穂トークライブ
「日本映画音楽を10倍楽しく聴く方法」!
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5月19日は、好評「時をかけて映画音楽の歴史の旅へ」シリーズ第三弾!
日比谷図書文化館主催による日比谷カレッジ、
志田一穂トークライブ「日本映画音楽を10倍楽しく聴く方法」!
いよいよこのシリーズもマニアライクでオモシロ楽しいディープな世界に突入していきます。
是非また日比谷図書文化ホールでお会いしましょう!
お申込みはこちらまで

日比谷図書文化館3階には志田監修による特別展示も!
こちらをのぞいていただくと、より講演が楽しめます!!
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小石川図書館 RETRO🎬CINEMA 開催
映画『東京物語』上映会
5月28日(日) 13:30〜
小石川図書館 第4ホール 入場無料
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いよいよ"レトロシネマ"に小津安二郎監督の不朽の名作『東京物語』が登場。この作品こそ小石川図書館のあのホール、あの座席、あのスクリーンで観るに相応しい名画。世界から絶賛され、今なお色褪せず観客に訴えかける感動作。是非ご来場いただきお楽しみください。もちろん今回も上映前の約15分で、さらに映画が楽しく観れる志田の解説トーク付きです。

『東京物語』1953年 日本映画 
監督 小津安二郎
脚本 野田高梧 小津安二郎
出演 笠智衆
   東山千栄子
   原節子
   香川京子
   杉村春子
   山村聡
音楽 斎藤高順

上映前解説トーク 志田一穂

好評発売中!!
「映画音楽はかく語りき
   いつか見た映画、時をかける音楽」志田一穂・著

志田一穂(ジョニー志田)、初の著書、好評発売中です!
2022年4月27日発売(ユニコ舎より) ★ご購入はコチラ
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他、いろいろな情報は志田のTwitter @shidakazuho でチェックしてください!

特集「オール・ザット"スター・ウォーズ"
phonto
今週の特集は「オール・ザット"スター・ウォーズ"」。
May the Forth(4th) Be with You...
そう、5月4日はいつしか
「スター・ウォーズの日」と謳われてきましたね。
そういうわけで当番組でもはじめて単独特集、
スター・ウォーズをいろいろな角度から
楽しんでしまえという企画。
オリジナルはもちろんさまざまなカバー曲に、
何気に紐づいている(ような)関連曲など
いろいろご用意いたしましたので是非お楽しみください!

OA予定楽曲
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スター・ウォーズ エピソード4 / 新たなる希望
スター・ウォーズ エピソード5 / 帝国の逆襲
スター・ウォーズ エピソード1 / ファントム・メナス
スター・ウォーズ エピソード6 / ジェダイの帰還

Star Wars Main Theme 各種
宇宙からのメッセージ
宇宙空母ギャラクティカ

★新作映画のご紹介は、5/12公開の「ター Tar」
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他、リスナー様からのご希望曲のご紹介も! 

海辺の映画館からの手紙 志田一穂
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「スター・ウォーズ」を観たのは8歳の頃、小学2年生ぐらいでしょうかね。父と一緒に行ったのですが、どこの劇場で観たのかは、まだその頃は認識していなかったですね。しかもよく覚えてるのは、途中から劇場に入って、冒頭オープニングを見逃しているってこと(笑)。レイアがR2にメッセージを吹き込んで助けを託す、あのシーンからってことをはっきり覚えているんです。今思えば20世紀FOXファンファーレから静寂の字幕が入り、ジャーン!とジョン・ウィリアムズの音楽が叩きつけられぇのタイトル・イン、あれを見逃しているとはまったくの不覚ですよね。でも当時の映画館はそんなアバウトなノリだったんですよ。上映が始まっていても客の出入りはがんがんあったし、途中入場、トイレ、売店への途中退席、通路座りに立ち見に二度見にもうなんでもあり。だから見逃したシーンまで次の回で観ればいいわけで、そのあたりは場内にインしちゃえば皆自己責任で楽しんでましたね。時間予約に座席指定、完全入れ替え制の今の映画館とは本当に落差ありすぎで、あ、こういうのを最近流行りの昭和ネタって言うんでしょうか。いやですねぇ、つまりはオヤジネタでしょう。

とにかくそんな状況でもしっかりと観たわけですよ「スター・ウォーズ」。子供ながらに宇宙での戦いのシーンなどには凄いなぁと思いつつ、小中和哉監督の「Single8」みたいに、あれどうやって撮ったんだろう、とか、僕もこんな映画撮ってみたい!、なんて、これっぼっちも思いませんでしたね。むしろ、ただの正義の味方と悪者の戦いの話か、って、ちょっとそのシンプルすぎるストーリーにむしろ驚いていた記憶があります。あと、これに皆熱狂してるの?ふーん、みたいな。いやな子供でしたね。そのあたりはとてもクールに観察していたんです。「スター・ウォーズ」のストーリーについては今でもたまにそう思うときがあります。単純な話なだけにやってることが大袈裟すぎて、実に迷惑な家族の話だなぁなんて。

でも一方で子供の頃は違うかたちで「スター・ウォーズ」に熱中していたんです。それがコーラの瓶フタですね。当時商品タイアップで、コカ・コーラの瓶のフタ裏に「スター・ウォーズ」の画像が印刷されて、それが何種類もあるから何本も買ってはそのフタをチェックしなければならない、つまりこれ、オタク世代の元祖コレクション・アイテムってやつだったんですね。僕はまだ小学校低学年だから、熱中していたとは言えコレクトできていたわけではないんです。そもそも瓶コーラなんて子供がほいほい買えるものではなかったし(いや買えたかもだけど小遣いないし)、買ったはいいけどコーラ自体、そんなに好んで飲めないから結局一本買って母親に「ほら全部飲めないし」なんて言われるという。それでもとにかく瓶フタの「スター・ウォーズ」という、あの小さい小さいフタ裏にいろいろな画像が散りばめられていてそれが何種類も(50種類あったそうです)あるということに、なぜかとてつもない面白さを感じていたんですね。あと、どれが出てくるかわからないドキドキ感。これはライダーカードとかの原理と一緒なんでしょうけど、特撮系とかヒーロー計とかはまったく興味がなく、世界的に大人気の映画「スター・ウォーズ」がコーラの瓶のフタ裏に、っていう、そのニッチ感というかマニアックなアプローチというか、なんでかそんな戦略的タイアップに興味津々になったんです。

で、結局持っていたのは3個とか4個なんですよ。こんなに興奮してるのに(笑)。でも、それでも嬉しかったですね、そのいくつかを持っているだけでも。友達たちも持っていたのはそんなもんだったから、全然羨ましくもないし、むしろ見せ合って楽しんでましたね。で、コーラの自販機とかのフタ箱とかを見つけると一緒になって漁って。当時は皆漁ってたからそう簡単に出てこないんですよ。ここもダメだ~なんて言って。それも楽しかったんです。考えてみるとコレクターがやってることみたいですが、そういう気持ちもあまり無かったような。でもきっとちょっとはコレクター気質があるんでしょうね、僕には。でも飽きっぽいからある程度手に入るとあとはもういいやってなっちゃうんですけどね。

「スター・ウォーズ」はすべて観ていますが、やつぱり最初の三作(EP4,5,6)が好きです。CGに頼らないインディペンデント感がいいですよね。特撮の面白さはアイディアをどう具現化するかってことですから、今そうして観るとやっぱりその熱量たるや凄いですもんね。まぁそんなふうに冷静に観れるようになったのはだいぶ大人になってからですが。
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OA曲リスト
★新作映画のご紹介
ター Tar (5/12 公開)
 For Petra (Vocal Version) Hildur Gunadottir
 Barbarian Besomorph & Jurgas

★特集 オール・ザット・スター・ウォーズ
20世紀フォックス ファンファーレ 20th Century Fox Fanfare Dominik Hauser
スター・ウォーズ エピソード4 / 新たなる希望 Star Wars: Episode IV A New Hope Main Titles~Princess Leia

スター・ウォーズ エピソード5 / 帝国の逆襲 Star Wars: Episode V The Empire Strikes Back The Imperial March
スター・ウォーズ エピソード1 / ファントム・メナス Star Wars: Episode I  The Phantom Menace Anakin's Theme

★オール・アバウト・スター・ウォーズ
Star Wars Main Theme  Don Ellis & The Survival
Star Wars Main Theme  Graffiti Orchestra
Star Wars Samba  高中正義

★スター・ウォーズではないけれど
宇宙からのメッセージ 森岡賢一郎
フラッシュ・ゴードン Flash Gordon  Flash  Queen
宇宙空母ギャラクティカ Battlestar Galactica  Stu Phillips

スター・ウォーズ エピソード6 / ジェダイの帰還 Star Wars: Episode VI Return of the Jedi Lapti Nek Overture~ラプティ・ネック前奏曲 Joseph Williams

幸せはパリで The April Fools La La La Mongo Santamaria
*KECさんご希望曲

スター・ウォーズ エピソード4 / 新たなる希望 Star Wars: Episode IV A New Hope The Throne Room~End Title


★志田からのお知らせ★
『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』
 上映特別企画DJイベント!
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5/26(金)21:45〜22:30 DJ 志田一穂
菊川 strangerにて
愛すべきボウイ、愛すべきstrangerにて、
映画『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』上映後に
DJさせていただきます。もちろんヴァイナルで⚡️
DJのみでもお楽しみいただけます!(カフェにて要ご注文)

志田一穂トークライブ
「日本映画音楽を10倍楽しく聴く方法」!
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5月19日は、好評「時をかけて映画音楽の歴史の旅へ」シリーズ第三弾!
日比谷図書文化館主催による日比谷カレッジ、
志田一穂トークライブ「日本映画音楽を10倍楽しく聴く方法」!
いよいよこのシリーズもマニアライクでオモシロ楽しいディープな世界に突入していきます。
是非また日比谷図書文化ホールでお会いしましょう!
お申込みはこちらまで

日比谷図書文化館3階には志田監修による特別展示も!
こちらをのぞいていただくと、より講演が楽しめます!!
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小石川図書館 RETRO🎬CINEMA 開催
映画『東京物語』上映会
5月28日(日) 13:30〜
小石川図書館 第4ホール 入場無料
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いよいよ"レトロシネマ"に小津安二郎監督の不朽の名作『東京物語』が登場。この作品こそ小石川図書館のあのホール、あの座席、あのスクリーンで観るに相応しい名画。世界から絶賛され、今なお色褪せず観客に訴えかける感動作。是非ご来場いただきお楽しみください。もちろん今回も上映前の約15分で、さらに映画が楽しく観れる志田の解説トーク付きです。

『東京物語』1953年 日本映画 
監督 小津安二郎
脚本 野田高梧 小津安二郎
出演 笠智衆
   東山千栄子
   原節子
   香川京子
   杉村春子
   山村聡
音楽 斎藤高順

上映前解説トーク 志田一穂

好評発売中!!
「映画音楽はかく語りき
   いつか見た映画、時をかける音楽」志田一穂・著

志田一穂(ジョニー志田)、初の著書、好評発売中です!
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特集「Return of the "sound of MCU!」
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今週の特集は「Return of the "sound of MCU!」。
いまさらながら、MCUとは、
マーベル・シネマティック・ユニバースの略ですね。
前回のMCUサントラ特集は2022年5月1日のOAでしたから、
約一年経っての再特集です。
この一年のうちにまたさらにシリーズ作品が増えました。
新キャラもがんがん増えました。
その繋がりもどんどん複雑になっております。
そうなると…新たな展開を前に、
予習復習しておかなくてはなりませんよね。
それぐらいちょっとばかし、熱くなってきております!
お楽しみくださいませ!!

OA予定楽曲
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー : リミックス
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー : VOLUME 3
ソー : ラブ&サンダー
アントマン&ワスプ:クアントマニア
ムーンナイト
ミズ・マーベル
ブラックパンサー
ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー
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他、リスナー様からのご希望曲のご紹介も!

海辺の映画館からの手紙 志田一穂
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約一年ぶりのマーベル・シネマティック・ユニバース特集です。いやしかし「エンドゲーム」以降のマーベル・ヒーロー列伝、一体どこにどう着地するのか、皆目検討のつかない年月ですが、いよいよ「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のシリーズ最新作で何か急展開の予感がするので、ここらで先んじてしっかりまとめておくかと思った次第です。

とは言えここに至るまで、「ドクター・ストレンジ」や「アントマン&ワスプ」のシリーズ各最新作などでも、すわアベンジャーズの再来なのか復活か?とか、配信シリーズ「ミズ・マーベル」ではキャプテン・マーベルとのニアミスがあったり、「ムーンナイト」ではアベンジャーズとの強い関連性は無いけれども監督が「ロキ」シリーズのアーロン&ジャクスンなので、今後の繋がりを何かしら考えていないとも思えない。そして「ソー ラブ&サンダー 」においては、まぁあれは特に何も考えてなかったか...。ガーディアンズに自然に繋がるだけだろうし。

なのでいろいろいちいちさまざまなタイムラインと各国の状況が交錯し、さらにマルチバースまで絡んできてしまうので本当にこの行き先がまったく見えてこないのですが、まぁ相変わらず観ればワクワクドキドキなので、まったくもってして困ったユニバースなのでございます。ここからネクスト・アベンジャーズへと向かっていくと言われても、そういう意味では予想もできないくらいの広がり。さてさてどんなマーベル・ワールドが巻き起こりるのか、この特集音楽集を聴いてちょっとばかり予習をしておきましょう。
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OA曲リスト
ロードハウス Road House When The Night Comes Falling From The Sky The Jeff Healey Band
*SUENAGAToruさんご希望曲

特集 Return of the "sound of MCU !"  
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー : VOLUME 3 Guardians of the Galaxy Vol. 3
Creep(Acoustic) Radiohead

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Guardians of the Galaxy Moonage Daydream David Bowie
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー : リミックス Guardians of the Galaxy Vol. 2 Mr.Blue Sky Electric Light Orchestra

ソー : ラブ&サンダー Thor: Love and Thunder Mama's Got A Brand New Hammer Michael Giacchino
アントマン&ワスプ:クアントマニア Ant-Man and the Wasp: Quantumania Theme From "Quantumania" Christophe Beck

ムーンナイト Moon Knight Main Theme Hesham Nazih
ミズ・マーベル Ms.Marvel Ms.Marvel Suits Laura Karpman

ブラックパンサー Black Panther United Nations Ludwig Goransson
ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー Black Panther: Wakanda Forever Lift Me Up Rihanna

水曜日の夜~水曜ロードショーのテーマ Wednesday Night  Nini Rosso
*りーなさんご希望曲

大海原のソングライン SMALL ISLAND BIG SONG/小島大歌 Naka Wara Wara To'o Small Island Big Song

★志田からのお知らせ★
志田一穂トークライブ
「日本映画音楽を10倍楽しく聴く方法」!
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5月19日は、好評「時をかけて映画音楽の歴史の旅へ」シリーズ第三弾!
日比谷図書文化館主催による日比谷カレッジ、
志田一穂トークライブ「日本映画音楽を10倍楽しく聴く方法」!
いよいよこのシリーズもマニアライクでオモシロ楽しいディープな世界に突入していきます。
是非また日比谷図書文化ホールでお会いしましょう!
お申込みはこちらまで

日比谷図書文化館3階には志田監修による特別展示も!
こちらをのぞいていただくと、より講演が楽しめます!!
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小石川図書館 RETRO🎬CINEMA 開催
映画『東京物語』上映会
5月28日(日) 13:30〜
小石川図書館 第4ホール 入場無料
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いよいよ"レトロシネマ"に小津安二郎監督の不朽の名作『東京物語』が登場。この作品こそ小石川図書館のあのホール、あの座席、あのスクリーンで観るに相応しい名画。世界から絶賛され、今なお色褪せず観客に訴えかける感動作。是非ご来場いただきお楽しみください。もちろん今回も上映前の約15分で、さらに映画が楽しく観れる志田の解説トーク付きです。

『東京物語』1953年 日本映画 
監督 小津安二郎
脚本 野田高梧 小津安二郎
出演 笠智衆
   東山千栄子
   原節子
   香川京子
   杉村春子
   山村聡
音楽 斎藤高順

上映前解説トーク 志田一穂

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「映画音楽はかく語りき
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他、いろいろな情報は志田のTwitter @shidakazuho でチェックしてください!

特集「その映画、Part.2がおもしろい!」
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今週の特集は「その映画、Part.2がおもしろい!」をお送りいたします。
いや、妙な表現ですみません、
だからと言って「1」が面白くなかったというわけではありません。
「2」というものにこだわってズラッと並べてみると、
映画ってこんな風に継続性も楽しめるのね?
なんて新たな発見ができる、それもまた、
面白くないですか?的な、そんなアピールなんですね。
なのでまぁ奇特なことに集めた集めたパート2映画。
あれもあったこれもあった、なんて楽しみながら、
今週もお聴きいただければ幸いでございます。

OA予定楽曲
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トップガン マーヴェリック
ハスラー2
ビバリーヒルズ・コップ2
ミッション:インポッシブル2
エクソシスト2
ターミネーター2
エイリアン2
機動警察パトレイバー2
マルサの女2
インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説

海辺の映画館からの手紙 志田一穂
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パート2映画…。思えば80年代あたりからやたらと続編作品がドカドカと出てきて、わっせわっせと観ていたな、という記憶があるんですが正しいでしょうか?70年代とかでももちろんあったとは思うのですが、その時代はあくまで第一弾として作品が公開され(いや第一弾なんて言い方もしていない)、大ヒットしたから次も作るぞ的なノリでパート2=続編が作られた、それがたまたま時代的には80年代へとまたがっていったから、なんとなく80年代にそれらが多いなぁ…と感じてしまうのでしょうか…。まぁそこに関してはどうでも良いのですが、いや今回こんな特殊な特集を企画してみて、実は最初はラインアップを試み、これ成立するのかなぁなんてかなり弱気になったんです。それぐらい最初に揃えた作品群はサントラとして並べると“地味”だったんですね。で、やっぱりこれはなかなか難しいゾと。単にパート2だけ集めても、楽曲を並べて面白くならないとやっぱりダメだろと、途中で一旦諦めたのです。
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でもそのあといろいろな方々と雑談含めこの企画について話し合っていくうちに(おかげさまで映画愛溢れる仲間や友人、先輩諸氏らが最近は多々フォローしてくれておりまして)、あぁそれもあるね、これもいいな、と、作品選定が改めて盛り上がりました。要は僕がピックアップしていた作品自体が、とてもありきたりで地味だった…ということが分かっていったわけです。こう見えて僕、映画をそんなに知らない(笑)。諸先輩方に比べれば全然映画を観ていない。映画の話をしていても、いろいろな作品のタイトルが出てくるたびに、心の中で、(うわ、それ観ていない…)とか(そうだそれがあったんだどうして思いつかなかったんだ?)とか(それ!観よう観ようと思っていたけどいつか観るだろと思いながら結局もう何十年経ってるんだオレのバカ!)なんて思っているわけです。まぁそれもどうでもいい心の叫びなんですが、とにかく、そうかそんな作品もある、こんなのもある、これらを起用してもう一度ミックスし、再構成してみよう!と企画復活に至りまして。もう本当に皆さんのおかげでこの番組、頑張って生き延びているなと。そうしてまとまることができたのが、今回の特集なのでございます。
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で、軌道修正後、よしとばかりにこだわったのが、必ずタイトルに「2」と付記されている映画のみで構成するということですね。例えば「トップガン マーヴェリック」や「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」なんていう作品は確かに「パート2=続編」ではあるけれど、タイトルは別に「トップガン2」「レイダース2」ではないわけで、そういう作品はあえて外したと。混乱しますから。まぁ前後にはかけるんですけどね(笑)。でも全体構成のメインは基本「2」名義のものばかり。そうなると、あぁ続編ではこうなったああなった、前作もこうだったああだったと想起しやすくなるというか、「マーヴェリック」や「魔宮の伝説」や「帝国の逆襲」や「フルスロットル」や「リミックス」や「ウェルカム・トゥ・ジャングル」ではやっぱり単独作品としてのイメージをまず思い浮かべてしまうという、不思議な力が働いてしまう気がしているので、うん、やはり「2」という表示はとてもとても大事なのだと思ったわけであります。

相変わらずどうでも良いことばかりに頭を悩ませながら毎週毎週コツコツと番組を製作しているわけですが、この想い、この映画愛、伝わっていただいてますでしょうか(笑)。とにかく映画はまず楽しむことが一番。どんなジャンルでもです。どうぞ、今週も是非海辺の映画館にてお楽しみくださいませ!


OA曲リストはのちほど…
シン・仮面ライダー 岩崎琢

トップガン マーヴェリック Top Gun Marverick Main Titles (You’ve Been Called Back to Top Gun) Harald Faltermeier

ハスラー2 The Color of Money It's In The Way That You Use It~ザ・ギフト Eric Clapton
ビバリーヒルズ・コップ2 Beverly Hills Cop II Shakedown Bob Seger
ミッション:インポッシブル2 Mission : Impossible 2 Take A Look Around(Theme From "M:I-2") Limp Bizkit

エクソシスト2 Exorcist II: The Heretic Ennio Morricone
ターミネーター2 Terminator 2: Judgment Day Brad Fiedel
エイリアン2 Aliens James Horner

機動警察パトレイバー2 the Movie Theme of PATLABOR2(2002 version) 川井憲次
マルサの女2 Main Theme~Love & Threat 本多俊之 ラジオクラブ
ダイ・ハード2 Die Hard 2: Die Harder Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow! Vaughn Monroe

ベルヴィル・ランデブー Les Triplettes de Belleville Belleville Rendez-Vous(Demo) -M-
*おーちゃんさんご希望曲

インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説 Indiana Jones And The Temple Of Doom John Williams

★志田からのお知らせ★
志田一穂トークライブ
「日本映画音楽を10倍楽しく聴く方法」!
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5月19日は、好評「時をかけて映画音楽の歴史の旅へ」シリーズ第三弾!
日比谷図書文化館主催による日比谷カレッジ、
志田一穂トークライブ「日本映画音楽を10倍楽しく聴く方法」!
いよいよこのシリーズもマニアライクでオモシロ楽しいディープな世界に突入していきます。
是非また日比谷図書文化ホールでお会いしましょう!
お申込みはこちらまで

日比谷図書文化館3階には志田監修による特別展示も!
こちらをのぞいていただくと、より講演が楽しめます!!
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Corona Sunset Hour “THIS IS LIVING” presents
Shonan Breeze Surturday special edition 
“HAWAIIAN RADIO SHOW”
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4月29日土曜日12:00より「Shonan Breeze Saturday」の
スペシャルエディションを逗子surfersから6時間生放送!
スペシャルゲストにハワイの人気ラジオステーション
KIKIの看板DJでもあったKamasami Kongと、
湘南ビーチFM日曜20時『seaside theatre』のDJジョニー志田を迎えて、
George Cockleと石川茱帆がサーフミュージック一色、
ハワイ一色の6時間をお届けします!
 
午後2時からは“HAWAIIAN RADIO SHOW”のイベント営業となり、
チケットをお持ちの方(ご予約の方)のご案内となります。
Fee/Adv.(前売り電話予約)3,000yen
Door(当日)3,500yen  
電話予約  046-870-3307 surfers

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「映画音楽はかく語りき
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特集「映画とジャズの素敵な関係」
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今週の特集は「映画とジャズの素敵な関係」をお送りいたします。
ジャズの映画音楽特集、大変久々でございます。
ジャス゛&イージー・リスニングを提唱している湘南ビーチFM番組なのに…。
しかしですね。基本的に映画音楽にはジャズが多いのです。
しかもそのジャズ・サントラはとても種類が多い。
一言にジャズと言ってもコテコテのものからあれもこれもといった、
実に多くのタイプのジャズ・サウンドがサントラには起用されているんですね。
だからあえてジャズの特集と言うと、実はちょっと難しかったりする。
タイミングも必要。
そう、いろいろ考えながら特集は組まれているのでございます…。
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OA予定楽曲
EMOTION=伝説の午後・いつか見たドラキュラ
CONFESSION=遥かなるあこがれギロチン恋の旅
ラ・ラ・ランド
欲望という名の電車
黄金の腕
大運河
ピンク・パンサー(ピンクの豹)
欲望
夜の大捜査線
ジャスティス
コットンクラブ
コーラスライン
ルパン三世 カリオストロの城
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海辺の映画館からの手紙 志田一穂
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映画とジャズの素敵な関係、というタイトルは、先日まで開催していたジャズ・アルバム展示会でのシネジャズ・コーナーで用いた解説タイトルでもあります。ありきたりなコピーではありますが、なんとなくパッとこのタイトルが浮かんだのです。そもそも映画とジャズは切っても切れない関係ですし、それは映画史、音楽史とともに、かつてから証明されているんですね。それはそれは素敵な関係で一緒に歩んできたのだなぁとつくづく思っているのであります…。
そもそもジャズの発祥というものは19世紀末から20世紀の初めにかけて、ルイジアナ州ニューオリンズのアフリカ系アメリカ人コミュニティにて、と伝えられています。ブルーズやラグタイムといったトラディショナル・ミュージックがそのルーツであり、それらがスウィング・ジャズやビッグバンド・ジャズといったものに進化していったとのこと。音楽は時代時代によってその演奏スタイルを変えていくもので、のちにスウィングはブラスバンド・マーチなどに応用されたり、ビッグバンドはビバップ・ジャズへと変化していったりと、まさに音楽の多様性はジャズの貢献が大きいと言えるのです。

一方、映画もまた19世紀末よりリュミエールとその息子たちによって産み落とされ、サイレント映画と言えども劇場に楽団を招いての大がかりなライブ上映という、娯楽施設の最たる存在、常設映画館とともに隆盛を描いていきます。オーケストレーション・サウンドがメインであったその時代から、トーキー時代に移る1920年代後半になると、舞台で活躍していたアル・ジョンスンを主演に迎えた『ジャズ・シンガー』(1927)という映画が登場し、まさにジャズ歌手を主人公にした粋な作品が人気を博すのですが、本作の主題歌である「マイ・マミー」という歌を聴くと、なるほどバックはビッグバンドと洒脱なボーカルが、ポップな印象を与えてくれるジャジーな楽曲で、当時から大衆音楽の根底には既にジャズのフレーバーが多分に撒かれていたことがわかるわけです。
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時代の変遷をこうして紐解いていくと、ジャズと映画は同じ時間軸を辿って次第に進化、あるいは変化を続けていったことが理解できます。はじめて映画に本格的なジャズが映画音楽として起用されたのは、1951年の『欲望という名の電車』(音楽/アレックス・ノース)と語り継がれてはおりますが、実は既に延々とジャズの根源として巷に持て囃されていたスウィングやビッグバンドによるサウンドが、ミュージカルなどでも多く使われていて、そもそも辿っていくとジャズと映画は一緒になって歴史を共にしてきたのだなとも感じているわけです。

いつしかジャズはそうした街の人々の楽しさを演出するものから、社会性やメッセージ性をもった、つまりは自由を表現するためのサウンド・モチーフとしての存在に変革していきますが、これもまた荒ぶる時代ゆえに映画へと反映されていったジャーナリスティックなテーマに呼応し、ノンフィクション映画『私は死にたくない』(1958 音楽/ジョニー・マンデル)にてジャズを用いたり、その精神性がシンクロするフランスのヌーヴェルバーグなどではご多聞にもれずインプロヴィゼーションを積極的に取り入れたジャズ・プレイをダイレクトにフィルムに焼き付けたりもされました。こうした流れからも、脈々と成長をともにしていった、それが映画とジャズの関係性であり、まるで兄弟のように手と手を取り合って芸術文化の足跡を残していく、類まれなる素敵な関係だと思うわけです。

OA曲リスト

EMOTION=伝説の午後・いつか見たドラキュラ 宮崎尚志
CONFESSION=遥かなるあこがれギロチン恋の旅 宮崎尚志

ラ・ラ・ランド La La Land A Lovely Night The Cast(vocal by Ryan Gosling)
欲望という名の電車 Streetcar Named Desire Alex North

黄金の腕 Man With The Golden Arms  Elmer Bernstein
大運河 The Golden Striker  Modern Jazz Qualtet

ピンク・パンサー(ピンクの豹) The Pink Panther  Theme  Henry Mancini
欲望 Blowup  The Naked Camera  Herbie Hancock
夜の大捜査線 In the Heat of the Night  Quincy Jones  /  Ray Charles  

ジャスティス ...And Justice for All  Somethin' Funny Goin' On  Dave Grusin
コットンクラブ The Cotton Club  The Mooche  John Barry
コーラスライン A Chorus Line  Dance:Ten, Looks:Three  The Cast

ブラザー・サン シスター・ムーン Brother Sun Sister Moon/Fratello sole, sorella luna  Arif Mardin & His Orchestra
シークワーサーさんご希望

ルパン三世 カリオストロの城 炎のたからもの(jazz version)  You & Explosion Band


★志田からのお知らせ★
A MOVIE ALIVE 大林映画に集う日 at LIVE IN BUDDY
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2023.4.15(sat)
伝説の初期16ミリ三部作、
一挙上映+大林千茱萸&志田一穂トーク

上映作品(DVDにて上映)
Complexe=微熱の玻璃あるいは悲しい饒舌ワルツに乗って葬列の散歩道(1964/16mm/14分)
EMOTION=伝説の午後・いつか見たドラキュラ(1966/16mm/38分)
CONFESSION=遥かなるあこがれギロチン恋の旅(1968/16mm/70分)
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参加お申込みは江古田 LIVE IN BUDDYまで。


Corona Sunset Hour “THIS IS LIVING” presents
Shonan Breeze Surturday special edition 
“HAWAIIAN RADIO SHOW”
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4月29日土曜日12:00より「Shonan Breeze Saturday」の
スペシャルエディションを逗子surfersから6時間生放送!
スペシャルゲストにハワイの人気ラジオステーション
KIKIの看板DJでもあったKamasami Kongと、
湘南ビーチFM日曜20時『seaside theatre』のDJジョニー志田を迎えて、
George Cockleと石川茱帆がサーフミュージック一色、
ハワイ一色の6時間をお届けします!
 
午後2時からは“HAWAIIAN RADIO SHOW”のイベント営業となり、
チケットをお持ちの方(ご予約の方)のご案内となります。
Fee/Adv.(前売り電話予約)3,000yen
Door(当日)3,500yen  
電話予約  046-870-3307 surfers


「映画音楽はかく語りき いつか見た映画、時をかける音楽」志田一穂
志田一穂(ジョニー志田)、初の著書、好評発売中です!
2022年4月27日発売(ユニコ舎より) ★ご購入はコチラ
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「緊急特集 追悼・坂本龍一」
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今週の「seaside theatre」は予定を変更して、
「緊急特集 追悼・坂本龍一」をお送りいたします。

まずは坂本龍一氏のご冥福を心からお祈り申し上げます。
そして請謁ながら追悼特集を組ませていただくこと、大変恐縮に存じます。
しかし日本を代表するアーティスト、ミュージシャン、
そして映画音楽家である坂本氏であるわけなので、
当番組としてもその素晴らしい楽曲をアピールしないわけにはいきません。
かつ、やはりやるからには当番組にしかできない選曲と構成にて、
しっかりと提示したいと思うわけであります。
緊急にて制作ということにはなりましたが、
氏の偉業の数々を他では聴けない音源群で、
しっかりと編纂できたと思います。
この一時間は静かに、じっくりと、
氏の素晴らしい旋律の数々を堪能していただき、
その想いを共有いたしましょう。

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OA曲リストはのちほど
緊急特集 追悼・坂本龍一

レヴェナント: 蘇えりし者 The Revenant 坂本龍一

★A Tribute to Ryuichi Sakamoto~To the Moon and Back~
戦場のメリー・クリスマス Merry Christmas, Mr. Lawrence Remodel by Electric Youth
シェルタリング・スカイ The Sheltering Sky Remodel by Alva Noto

★japanese movie & TV soundtrack
八重の桜 坂本龍一
御法度 坂本龍一
王立宇宙軍〜オネアミスの翼 坂本龍一
星になった少年 坂本龍一 *ユウキタイご希望曲

★Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano North America Tour 2010.10.24 tront/US
ラスト・エンペラー The Last Emperor piano solo by 坂本龍一

★Zero Landmine N.M.L. (No More Landmine)
参加アーティスト(五十音順)
アート・リンゼイ
伊勢友一
UA
大貫妙子
キム・ドクス(金徳洙)
クラフトワーク(“ZERO LANDMINE” Voice Sound logo)
坂本龍一(Keyboards/Piano)
桜井和寿(Mr.Children)
佐野元春
篠崎史紀
シンディ・ローパー
SUGIZO(LUNA SEA) (Guitar)
スティーヴ・ジャンセン(Drums)
高田亮
高橋幸宏(Drums)
TAKURO(GLAY) (Guitar)
CHARA
DJ KRUSH(Scratch/DJ)
デヴィッド・シルヴィアン
TERU(GLAY)
東京少年少女合唱隊
DREAMS COME TRUE
藤原真理
ブライアン・イーノ
細野晴臣(Bass)
ヤドランカ
山塚EYヨ(BOREDOMS) (Noise/DJ)
湯川潮音
伶楽舎 


★志田からのお知らせ★
A MOVIE ALIVE 大林映画に集う日 at LIVE IN BUDDY
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2023.4.15(sat)
伝説の初期16ミリ三部作、
一挙上映+大林千茱萸&志田一穂トーク

上映作品(DVDにて上映)
Complexe=微熱の玻璃あるいは悲しい饒舌ワルツに乗って葬列の散歩道(1964/16mm/14分)
EMOTION=伝説の午後・いつか見たドラキュラ(1966/16mm/38分)
CONFESSION=遥かなるあこがれギロチン恋の旅(1968/16mm/70分)
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参加お申込みは江古田 LIVE IN BUDDYまで。


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“HAWAIIAN RADIO SHOW”
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スペシャルエディションを逗子surfersから6時間生放送!
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KIKIの看板DJでもあったKamasami Kongと、
湘南ビーチFM日曜20時『seaside theatre』のDJジョニー志田を迎えて、
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ハワイ一色の6時間をお届けします!
 
午後2時からは“HAWAIIAN RADIO SHOW”のイベント営業となり、
チケットをお持ちの方(ご予約の方)のご案内となります。
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「映画音楽はかく語りき いつか見た映画、時をかける音楽」志田一穂
志田一穂(ジョニー志田)、初の著書、好評発売中です!
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「特集 ぼくの好きな映画音楽〜Go 80sサントラ Go!」
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今週の特集は、久々、
ぼくの好きな映画音楽、でございます。
このシリーズでは本当に勝手気ままなアラカルト選曲なのですが、
この度は80s縛り、しかもかなり変化球選曲でお送りいたします。
今話題となっている80sリバイバルな楽曲もフィーチャーしておりますので、
是非「えっ、こんな曲が?」と楽しんでいただければ。
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そして当番組もいよいよ4年目に突入!
ネットしていただいている長野信越放送/SBCラジオでは、
OA時間が20時スタートから22時スタートに編成チェンジです。
これでビーチFMの20時にお聴き逃しされた方も、
22時にリアルOAで挽回できちゃいます!
おぉ、まるでNHK朝ドラのような当日再放送編成。
しかもその後はもちろんradikoにもセットインされますから、
より多くの方々に楽しんでいただけるよう、
海辺の映画館コンシェルジュとして、さらに頑張っていきたいと思います!

OA曲
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特集 ぼくの好きな映画音楽〜Go 80sサントラ Go!
バック・トゥ・ザ・フューチャー 
ゴーストバスターズ
ベストキッド
オーバー・ザ・トップ
ロッキー4
フェイム
ヤァ!ブロード・ストリート
コーラスライン
他、リスナー様からのご希望曲もOAいたします。

"海辺の映画館からの手紙" from johnny SHIDA
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久しぶりに「ぼくの好きな映画音楽」でございます。そしてこれまた久々の80sサントラ特集です。しかし今回は一つフィーチャー・ポイントがありまして、それは聴いていただいてのお楽しみにしたいのですが、何気に最近80sリバイバルが沸騰気味で、懐かしい80sロック&ポップスが映画(や海外ドラマ)に引用されがちであると。そこがちょっとミソなんですね。あと最近ですとWBCのテーマ曲にジャーニーの「セパレイト・ウェイズ」がガンガンかかっていたりして、それを聴いた野球好き小学生が「カっコイイ!」などと興奮して、この2020年代に突如ジャーニー・ファンになってしまったりと、なかなか面白いことになっていたりするんですね。そんな時代背景も加味して構成したのが今回の特集であります。

あと今回は主題曲よりも少し変化球多めの選曲でしょうか。それはいつものことですが、相変わらず当番組らしく一筋縄ではいかない感じになっているのは確かであります。たとえば『ゴーストバスターズ』ではレイ・パーカーJr.のあの曲ではない曲で楽しんでいただこうかな、とか。大好きな映画『コーラスライン』も登板させてはいますがお馴染みの「ワン」ではなく、実はこんな80s寄りの楽曲もあったぞということで、そんなレア曲を持ってきたりしております。もちろんストレートに主題歌を楽しんでいただく作品もありますが、たまにそうした変化球をぶっこみますよ、ということ、どうぞご了承いただければと。
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80sはリアルタイム世代ですからどんなアプローチでも対応可能な志田なのですが、いよいよそのエリアにもこうしてディープな提示に乗りこんでいっても良いのかなと思ったりもしております。最近映画サントラDJ諸氏とも繋がりが増え、いかに映画的知識、映画音楽愛を持ってレコードをコレクト&プレイされているかを、見せつけられつつ勉強させていただいているのですが、そうした中で自分が一番強みとしてもっている分野はと問うと、やっぱり80年代映画になってしまうんですね。いつの間にか4年目に突入する「seaside theatre」ですが、ちょっとそのあたり(80s的なヤツ)を、改めて集中的にアプローチしていくのも面白いのかな?必要なのかな?やらなきゃ自分らしくないのかな??などと思っているところです。なので、番組も、リアル・イベントも、80年代映画ネタが多くなっていきそうなので、ご興味ある方は是非SNS等でマメにチェックしていただけると幸いです。一緒に楽しめる最後の時代である80年代映画たち。いろいろと考案していきたいと思います。

OA曲リストはのちほど…
月曜ロードショー オープニング~ピーター・パン 序曲 Elmer Bernstein
バック・トゥ・ザ・フューチャー Back To The Future  Johnny B.Goode  Marty McFly with The Star lighters
ゴーストバスターズ Ghostbusters  Creanin' Up The Town  The Bus Boys

ベストキッド The Moment of Truth / The Karate Kid  
The Moment of Truth  Survivor  1984
オーバー・ザ・トップ Over The Top Winner Takes It All Sammy Hagar 1987
ロッキー4 Rocky IV War Vince DiCola 1985

フェイム Fame Irene Cara 1980
ヤァ!ブロード・ストリート Give My Regards To Broad Street  
No More Lonely Nights (Special Dance Mix) 1984
コーラスライン A Chorus Line Surprise Surprise Gregg Burge 1985

ストレンジャー・シングス 未知の世界 Stranger Things 2022
Separate Ways (Worlds Apart) [Bryce Miller/Alloy Tracks Remix] Journey & Steve Perry
Running Up That Hill (A Deal With God) Kate Bush

漂流教室 A Reason To Be 今井美樹 1987

バックドラフト Backdraft Show Me Your Firetruck Hans Zimmer
★アビさんご希望曲
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★志田からのお知らせ★
A MOVIE ALIVE 大林映画に集う日 at LIVE IN BUDDY
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2023.4.15(sat)
伝説の初期16ミリ三部作、
一挙上映+大林千茱萸&志田一穂トーク

上映作品(DVDにて上映)
Complexe=微熱の玻璃あるいは悲しい饒舌ワルツに乗って葬列の散歩道(1964/16mm/14分)
EMOTION=伝説の午後・いつか見たドラキュラ(1966/16mm/38分)
CONFESSION=遥かなるあこがれギロチン恋の旅(1968/16mm/70分)
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参加お申込みは江古田 LIVE IN BUDDYまで。


展覧会ART in MUSICPOINT OF JAZZ

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絶賛開催中!

展示期間:2023.2.28TUE~3.12SUN
※3.3 志田のトークイベントは終了いたしました。

「映画音楽はかく語りき いつか見た映画、時をかける音楽」志田一穂
志田一穂(ジョニー志田)、初の著書、好評発売中です!
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「特集 映画音楽で気分はエモーショナル」
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今週の特集は、
『映画音楽で気分はエモーショナル』
自分世代では「シブい」とか「ヤバい」とか言いながら
青春時代を過ごしてきましたが、
最近は「エモい」、なんですね。
EMOTION=感覚的、EMOTIONAL=感情的、
そこからエモいってことなんでしょうけど、
うまいこと言うようになったなと。
とは言え普段から使う言葉では(僕は)ないですが、
こりゃエモい、と思うサントラ、
自然と集めてましたので披露させてくださいませ。

OA曲
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特集 映画音楽で気分はエモーショナル
いまを生きる
招かれざる客
愛と追憶の日々
夜も昼も
荒野を歩け
くちづけ
最強のふたり
アイス・キャッスル
ナチュラル
世界にひとつのプレイブック
her/世界でひとつの彼女

新作映画のご紹介は、
「オットーという男」 3月10日から絶賛公開中!
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他、リスナー様からのご希望曲もOAいたします。

"海辺の映画館からの手紙" from johnny SHIDA
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今回の特集タイトル、気分はエモーショナル、ということなんですが、特に大きな意味はなく、日常的に聴いている映画音楽たちの中で、今風に言って「これエモいな~」と感じた曲、それらを結構マメに自分のスマホの中でプレイリスト化していて、だいぶ溜まってきたからこれらを放出するのも面白いなと。実はそういう選曲構成することがよくあるんですね。ボーカルもののテーマ曲とか、年代ごとの個人的イイ曲とか、作曲家別とか。僕はごく普通の単なる映画好き人間なので日々こうして楽曲を聴きながら勉強していないと番組内容もマンネリ化していきますから、そういう意味でいつも楽曲ハントは欠かせないんです。でもただ聴いているだけでは忘れてしまうので、気になったら然るべきプレイリストのコーナーへ放り込んでいくということをルーティンとして行っているわけです。

だから、というわけではないですが、音楽から入っている作品なので実は観ていない作品も今回はあります。「荒野を歩け」「くちづけ」「アイス・キャッスル」あたりですね。「荒野を歩け」は英題が “Walk On The Wildside”なのでルー・リード好きの僕としてはいつか観ないと、と漠然と思っていたのですが、それを知ったのもエルマー・バーンスタインのベスト盤にクレジットされていたからで、実は邦題も知らなかった作品です。しかしこれはいい曲ですね。緩急の付け具合がかなり感情的で、さすが稀代のメロディメーカー、バーンスタインです。

「くちづけ」も70年代ラブストーリーで未見の作品でした。ライザ・ミネリ主演というぐらいで特に追うべき作品ではこれまでなかったというのが正直なところ。しかし主題歌がサンドパイパーズと知るとソフトロック好きでもある僕としては黙ってはいられないと、即ボーカル曲プレイリストに放り込みました。70年代はそういう意外なバンドやシンガー・ソングライターたちの隠れた名曲が映画のテーマ曲になっていたりするからうかうかと聴き逃せません。

「アイス・キャッスル」も同様でメリッサ・マンチェスターのAOR風味な佳曲でした。これは前からシングル盤では持っていたのですが作品自体があまり知られていない印象だったので特に手を出していなかったんですね。するとどうやら映画の主題歌だということを知り、レコードにはじめて針を落とすと、なんだイイ曲じゃないかと(笑)。実はサントラレコードも山ほどコレクトしているにも関わらず、恥ずかしながらすべて全曲チェックできているわけではないんです。中古レコード屋でサントラを見つけては買っておくものの、“そのとき”がくるまではなかなか聴かない(笑)。“そのとき”っていうのはつまりコロナ禍前まで年間100本やっていたDJイベントで、自分が回す際にいよいよ登板してもらう“とき”ってことなんですけど、このメリッサのレコードもそんな予備軍にいたから今日の今日まで気づいてやれなかったというわけで、すぐさまiTunesでも見つけてプレイリスト入りさせたのでした。

そんなわけでどんなわけか、とにかくまだまだ映画音楽の世界には見つけられていない名曲や佳曲が星の数ほどあるということですね。サントラマニアの諸先輩方に追いつけるよう、日々こうして精進していかねばなんですが、一つだけ、ちょっと気づいたことがあるのでそれだけここに記しておこうと思います。諸先輩方に唯一勝てるのは、僕がリアルタイムで攻めに攻め続けていた80sサントラ、そこだけは多分負けないだろうなと(笑)。勝ち負けとかそんなの別に無いんですけど、しかもそんな強味は相変わらずしっかりとした武器にはなりづらいと思ったりもするのですが、でもですね、真面目にこれだけは自信あります。今回のだって、80sサントラだけは堂々心からエモいの選べてますから。
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OA曲


★新作映画のご紹介
オットーという男 A Man Called Otto  Til You're Home  Rita Wilson & Sebastian Yatra

特集 映画音楽で気分はエモーショナル
いまを生きる Dead Poets Society  Keating's Triumph  Maurice Jarre

招かれざる客 Guess Who's Coming to Dinner  The Glory Of Love  Frank Devol 
愛と追憶の日々 Terms of Endearment  Michael Gore 
夜も昼も Night And Day  Fred Astair

荒野を歩け Walk On The Wild Side  Elmer Bernstein  
くちづけ The Sterile Cuckoo  Come Saturday Morning?土曜の朝には The Sandpipers
最強のふたり Intouchables  Feeling Good  Nina Simone

アイス・キャッスル  Ice Catsles  Through the Eyes of Love  Melissa Manchester
ナチュラル The Natural  Randy Newman
世界にひとつのプレイブック Silver Linings Playbook   Happy Ending  Danny Elfman

イヴの時間 岡田徹
??ジョーンズ卿さんご希望

her/世界でひとつの彼女 Her  Arcade Fire&Owen Pallett


★志田からのお知らせ★

A MOVIE ALIVE 大林映画に集う日 at LIVE IN BUDDY
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2023.4.15(sat)
伝説の初期16ミリ三部作、
一挙上映+大林千茱萸&志田一穂トーク

上映作品(DVDにて上映)
Complexe=微熱の玻璃あるいは悲しい饒舌ワルツに乗って葬列の散歩道(1964/16mm/14分)
EMOTION=伝説の午後・いつか見たドラキュラ(1966/16mm/38分)
CONFESSION=遥かなるあこがれギロチン恋の旅(1968/16mm/70分)
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参加お申込みは江古田 LIVE IN BUDDYまで。

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解説付き16ミリフィルム『鉄道員』上映会
上映前解説 志田一穂
4月1日(土)14:00〜16:00
東陽図書館 教育センター第一3研修室
申し込み人数 50名(無料)
3/16(木)から東陽図書館に電話または窓口で
☎︎03(3644)6121
※定員満員により受付終了

展覧会ART in MUSICPOINT OF JAZZ

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絶賛開催中!

展示期間:2023.2.28TUE~3.12SUN
※3.3 志田のトークイベントは終了いたしました。

「映画音楽はかく語りき いつか見た映画、時をかける音楽」志田一穂
志田一穂(ジョニー志田)、初の著書、好評発売中です!
2022年4月27日発売(ユニコ舎より) ★ご購入はコチラ
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他、いろいろな情報は志田のTwitter @shidakazuho でチェックしてください!

「特集 ムーンエイジ・デイドリームとデヴィッド・ボウイ映画の調べ」
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今週の特集は、
『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』公開記念、
「ムーンエイジ・デイドリームとデヴィッド・ボウイ映画の調べ」と題して
ボウイが関係した映画の数々を編纂いたします。
俳優として、音楽担当として、
さらにはテーマ曲の提供、
ゲスト&カメオ出演作と、
ボウイが愛した映画界にはいくつもの足跡があります。
まさにサウンド&ビジョンをコンセプトに活動してきた
ボウイのアプローチがこの「映画とのコラボレーション」なのですね。
是非、再認識していただきたい偉業です。
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OA予定曲
デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム
LIFE!/ライフ
ラビリンス 魔王の迷宮
ツイン・ピークス
戦場のメリークリスマス
コードネームはファルコン
風が吹くとき
舞台「Lazarus」

新作映画のご紹介は、
「Single8」3月18日から絶賛公開中!
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他、リスナー様からのご希望曲もOAいたします。

"海辺の映画館からの手紙" from johnny SHIDA
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当番組、二度目のデヴィッド・ボウイ特集です。前回は2021年1月10日、命日合わせの特集「デヴィッド・ボウイ サウンドトラックの星屑たち」と題して、ボウイの関係した映画たちのサントラを存分にかけ倒しました。そして今回、公式ドキュメンタリー映画が公開ということで、勝手に連動企画ではないですが、今一度ボウイ映画の特集に踏み切ったわけです。しかし未だにボウイのことを想うと心がキシキシと痛むのですね。それぐらいファンでしたし、彼のアーティスト活動に対して、心底リスペクトしていましたので。亡くなっても尚新作を待ちわびてしまう、そんなアーテイストはボウイとルー・リードぐらいでして、今回もそんな切ない気持ちとともに、新たに特集を編纂してみた次第です。

で、今年の1月に、自分のFacebookページに、よくある過去に投稿したものが突然現れたんです。何年前のあなたの投稿ですとかいったやつですね。それはボウイが亡くなった2016年1月のときの自分の投稿で、もう物凄い勢いでボウイ愛を綴っているんですね。こんな投稿記憶から消えていたし、改めて読むとなかなか熱い(笑)。そこで、現在ラジオ番組にて二回もボウイ特集をやってしまうというその理由を、このボウイ愛をとくとくと語った文章を再掲することでもろもろ理解していただけるのではないか?と思ったので、思い切って一気にここに復刻再掲しようと思います。志田がいかにボウイを追い続けてきたか、そして今でも何かしら追い続けているワケを、こちらを読んでいただくことで理解してもらえたら幸いです。拙い投稿文章ですし当然敬称略な文体で言いたい放題ですが、書き直さずにそのまま掲載いたします。


「デヴィッド・ボウイとオレ。」 2016年1月23日 Facebookより
※印は今回追記したものです。
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いまだラジオからもボウイの歌が鳴り止まない。最初は、皆こんなにボウイが好きだった?と疑心に震えたし、SNSでもスチールやPVやライブ動画のコピペの嵐でうるさくて仕方なかったが、訃報から数日経ち、その熱量がさらに強大に日々膨れ上がっていく様を見て、なんだかんだでボウイの影響力ってのは凄かったんだな、たくさんの人に愛されてたんだなと、冷静に思い直した。当たり前である。天下のボウイじゃないか。いやしかしなんか自分の中で物凄く複雑な気持ちなのだ。やはりそれなりにリスペクトしてきたし、ささやかながらそれなりの関わりもあったわけだし。なので昨夜のイベント(※追悼DJイベントをオーガナイズした)もかなりこだわって開催させていただいたと思っているし、ひとまずそれを経た今、きっちりと自分とボウイの事、これまでの流れも振り返りながら記録し、ここにきちんと残しておこうと思うのだ。かなり長いので、「なんで貴様とボウイのことなど…」と思われる方はこの時点で離脱してくださいね。

さて、では始めよう。ボウイとの付き合いは長い。もちろんファンとしてだが、途中からちょっと密な関係になっていくから人生は何があるか本当にわからない。はじめの出会いが何だったかは覚えてないが、心底気になり始めたのは80年代中期の「映画×ボウイ」時代である。自分は無類の映画好きで毎週休みになると映画館に入り浸っていた映画少年(丸刈り中坊)だったため、注目ポイントは第一に「映画」。次にそこから付随する「サントラ」。当時サントラと言えば「80sロック&ポップス」も同一線上にあり、「映画」も「音楽」も同様に仕入れていたのだ。で、ボウイである。既に大ロックスターである認識はあったが、オレの歴史では、まず「戦メリ」なのである。ミュージシャンの筈なのに役者に徹したそのスタンスにシビれた。普通なら坂本龍一のように音楽も兼ねてこそだろうが、ボウイはそうじゃなかった。その潔さが何よりカッコ良かったのだ。そして「ラビリンス」「ビギナーズ」「眠れぬ夜のために」「コードネームはファルコン」「風が吹くとき」と立て続けに映画とのセッションがアピールされた。時には主演、時には主題歌も。助演、カメオ出演など、この80年代の頃のボウイはスクリーンがステージであるかのように様々な銀幕に映りゆくムービースターだった。そしてもちろん連動して発表されるPVもクオリティーが高く、どれもカッコよかった。それからは過去音源を漁り、自伝を読み、来日を待ちわびる日々になっていった。つまり「大ファン」になっていたのである。そして80年代の集大成であるかのようなアルバム「Never Let Me Down」(1987)をリリース。そのツアー「Grass Spider Tour」のスチールを音楽雑誌で見つけるたびに、見たこともない巨大なステージセットに驚嘆していた。最終的にはやはりあまりにもスケールがデカすぎて日本での開催場所が決まらずまさかのスルー。気づけばボウイはロックバンド"ティン・マシーン"を結成して、新たなアプローチを始めていた。
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しかしこのティン・マシーンなのだがどうにもいまだに評価されず、ボウイの黒歴史とか言われて酷評されているが、自分的にはドンズバでハマった破壊力満点、生身勝負のロックバンドだったわけで。「何がしたかったのかよくわからない」とか「いまさらバンドにこだわるのはなぜ」とか散々な批評だったが、そういうのを読む度に、こいつら全然ボウイを理解していない、と呆れていたものだ。80年代と90年代の狭間にボウイがアプローチしたこの「生身大作戦」こそ、飽食の時代と言われた80sの、必要以上にデコレートされた無駄な飾りをいち早く捨て去った斬新な表現だったと今でも思っている。1989年5月にリリースされた1stアルバム「Tin Machine」は、そんなネイキッドな衝撃に溢れていた。酷評していた評論家たちは、その直後にバブルが弾けて全てが丸裸になることも、その翌年にニルヴァーナが「Never Mind」をリリースしてパンク以来のリセットが訪れる事も予見出来ていなかったのだ。ボウイは文字通り一歩先へ行って、爆音で時代をリードしていた。実はその時こそ、「この人は本当にスゴイのだ」と確信した時だった気がする。まさにティン・マシーン=ボウイは90sの幕開けにもガッツリハマっていたのだ。オレは当時それを(なぜか物凄く)リアルに感じていて、後年必死に周りに説いてもなかなか伝わってはいかなかったので、遂にはmixiにティン・マシーンのコミュニティを作成し現在も管理人を務めていたりするのだが…。

さておき、ボウイ自身もティンマ・プロジェクトが本気なのだと言わんばかりに、過去曲の封印ライブ「SOUND + VISION TOUR」(1989~1990)を並行して行い、ようやく自分も東京ドーム公演を観ることが出来たわけだが、これがまたド肝を抜かれたライブだった。多分はじめて映像シンクロをコンセプトに完璧なショーへと仕立て上げた巨大コンサートであるこのツアー。ステージ全てを覆い隠す透過型スクリーンにイメージ映像が投影され、演奏パフォーマンスとも同期していく前代未聞のロック・ショーだったのだ(1990年当時)。さすがボウイ、ティン・マシーンの「ネイキッド」と完全に反対の「プロダクト」の世界。それを同時進行で行っていたこの人は本当に「ナニモノなんだよ…」と尚も驚愕させられたっけ。
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ティンマは結局その後2ndアルバム「Tin MachineⅡ」(1991)をリリース、ワールドツアーに繰り出し、最終的にプロジェクトとしては大団円を迎えるのだが、自分の中でのボウイ熱はこの頃がとにかくピークで、実のところ'91年頃からグランジ連中が大挙して押し寄せてきたとしても、U2が'92~'93年にZOO TVツアーとか言いつつ映像シンクロショーに繰り出したりしても、正直「全部ボウイの二番煎じ」と思っていた(いやホントに)(いやZOO TVもスゴかったけども、泣いたし)。そのタイミングで自分も大学卒業~就職し、仕事で映像制作業務にどっぷり漬かっていくわけだが、オリジナルの映画やVシネを作っていくのと並行して、海外からビデオ化権を買ってリリースする、いわゆる「二次利用」の業務にも心底熱中していく事になる。なぜならそこに「ロックビデオ業界」が広がっていたからだ。

とにかくビデオグラム・ディストリビューターと組んで、海外からのビデオ化権を買って買って買いまくった。ソフトと言えば、まだVHSとLD(レーザーディスク)の時代。最初はアシスタントとして、先輩が買い付けた作品のリリース業務を手伝っていたのだが、その時既に、レッツ・ダンス・ムーブメント時の「Serious Moonlight Tour」と、あの日本上陸不可能だった「Grass Spider Tour」のライブビデオを手がけられた事は本当に嬉しい仕事だった(まぁ再発モノなのでリマスタリングしたり字幕付け直したりジャケット作り直したりライナーノーツを現状から解説したものにするような作業ですが。あとプロモーションも)。その後、いっぱしになって自ら最初に買い付けた作品はイギリスのチャンネル4が制作した、ヴェルベット・アンダーグラウンドの再結成ドキュメンタリー「Curious」で、この時のディストリビューターが、オレがボウイ好きということを憶えていてくれて、その後、映画「地球に落ちて来た男」の権利も取得する流れになる。この頃は音楽評論家の大鷹俊一さんとべったりで、とにかく大鷹さんにライナーを書きまくってもらい、たくさんのアイテムをリリースした。つまりロックの趣味嗜好が似ているので、自然とタッグ作も増えていったというわけだ。当時リリースしたタッグ作品はジミヘンの「レインボウ・ブリッジ(完全版)」に「ラトルズ 4人もアイドル!」、「モンタレー・ポップ・フェスティバル」は3枚組のコンプリートDVD BOXで、アムネスティの「シークレット・ポリスマンズ・コンサート」も巨大なBOXセットで限定リリースした。
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そうした中で大鷹さんとはしょっちゅう夜な夜な「ロック呑み会」も繰り広げていたのだが、そこでよく話に出ていたのは、ボウイの「Ziggy Stardust」の権利は一体どうなってる?ということだった。ジギーのライブ映画は80年代中半に日本でもビデオが出ていたが、権利が切れてからの90年代はその行方がはっきりわからなくなっていて、各ディストリビューター諸氏らには徹底捜査網を敷いてもらって世界中を捜索してもらっていた。そして遂に98年にワールドセールスが再び始まり(全世界各地に切り売りされていた権利が一度リセットされるまで待たされていた)、我々が日本国内のオールライツを(もう気合い一つで)取得した。オールライツなので、全ての権利という意味であるからして、ジギーとしてはなんでも出来るってことなのである。とにもかくにもビデオ化はさておき、「劇場公開」ではないか、と大鷹さんとも盛り上がった。配給宣伝会社にも入ってもらい、シネセゾン渋谷のレイトショーをブッキングしてもらった。ポスターにはボウイファンにもお馴染みの鋤田正義氏によるジギー時代のphotoセッションのアザーカットまで使用させていただき、劇場用パンフはデザイナーが気合いを入れて7インチレコードサイズで製作、もちろん大鷹さんにライナーも執筆してもらい、いかにロック史にとって本作が重要かを随所でしっかり演出した(※どさくさに紛れて小生もD.A.ペネベイカー監督についての解説も執筆)。かくして84年の日本初公開以来、実に15年ぶりのジギー・スターダスト映画館返り咲きである。でかいスクリーンで観るジギーとスパイダース・フロム・マースの勇姿は本当に素晴らしかった。ボウイファンのただのその辺に転がっている男が、一つ一つを積み重ねて東京の夜にボウイの歌を轟かせるところまでなんとなくやってきた。スクリーンを観ながら、あんなに感動したのは、最初で最後だった。
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一方その頃、当のボウイは「Earthling」(1997)「hours…」(1999)と変わらず快進撃を続けていたが、自分の中ではジギーを手がけた達成感もあって、一気にボウイ離れの00年代に突入してしまう。実際、「HEATHEN」(2002)「Reality」(2003)の後は長い沈黙時代に入り、たまに旧譜のコレクターズ・エディションが出たり唐突にベスト盤が編纂されたりという曖昧な時が流れていった。実のところ、自分の中ではあの「SOUND+VISION TOUR」の時に様々封印したというのはあながち本当で、それ以降は各アルバムが既に毎回が遺作を意識するような作りで、正直いちいち落ち着かなかった日々でもあった。その間、自分としてはジギー以来の大物買い付けとして、「Lou Reed / Berlin」(日本公開2008年)を手がけ、渋谷シネクイントで爆音上映を敢行。我々のロックムービーの旅も究極に辿り着いたねぇ、とか言って相変わらず大鷹さんと呑みながら、ぼそっと、ボウイどうしてっかねぇ、などと話したりもしていた。

そして10年代に入って、突如としてボウイが新譜をリリースする。傑作「THE NEXT DAY」(2013)の登場だ。そしてそのアルバムがリリースされた3月からわずか7か月後の10月にルー・リードが旅立ってしまった。これにはもう言葉がなかった。ボウイが自分のヒーローならば、ルーは師のようなものだったからだ。とても不吉な気分だった。ルーが歌いあげる「完璧な日」に対して、ボウイは尚も「次なる日」を求め続けていたのも理解はするのだが、「THE NEXT DAY」のビジュアルはあの「HEROES」のジャケを全面的に引用した、ここに来て「またもや」の「封印演出」。死期を悟り、ボウイもいよいよ「総括」時が遂に来たのでは...と本気で思ったのは自分だけではない筈だ。ましてや盟友ルーも召された直後であれば…。だからこそすぐに新作の「★」情報が入ってきた時はさらに驚き安堵した。まだここから再生するのかと心から信じた。90年代と2010年代とで度重なる封印をしてきたボウイが第三の命でまたもや羽ばたこうとしていることにとても嬉しく思ったし、それぐらいフラットに受け止めていた「★」だったが、反面突如としてリリースからあまりにも早い流れで届いた訃報に、正直呆然としてしまい、何がなんだかわからない、という感情をリアルに感じた瞬間だった。

「完璧な最後」などとボウイの生き様自体が評されているが、どこの世界に、終わりを夢見るアーティストがいるというのか。永遠にアーティストでいられれば、永遠に創作活動が出来れば。そう思わないわけがないだろう。ましてや彼はデヴィッド・ボウイなのだ。あれだけの作品を生み出してきたアーティストではないか。まだまだ生きたかっただろうな、無念だっただろうなと思うと、涙がとまらなかった。
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まぁ別にオレはボウイ殿に会った事もないしただのファンだし、この溢れる気持ちはなんなんだかよぉという感じではある。SNSにはいちいちご丁寧な追悼メッセージとかがたくさん溢れていって、お前らそんなにボウイ愛持ってたの?的な不信感爆発で。自分は一言も何も発したくもないし発するつもりにもならないし、むしろ静かに喪に服していたいと思っていて、辛くて悲しくて、しかしそれでも、なんというか、何かせねば的な「ナニカ」が自分の中でふつふつとアオラレていたような気分だったのは、恐らく、これまでのボウイとの間接的密接感(なんだよそれ)の使命感というか(わかんねえよ)、とにかくオレはなにかボウイのナニカを(なんなのよ)、ネクスト・デイにネクスト・サムシングを繋げていかなきゃって(横文字意味不明)、カッコ良く言えば「タスキを渡された」というか、バトンを繋いでいかなきゃと…、わけわかんないまま、数日を過ごしていたわけで。

そして冷静に考えて、なんというかオレは今DJとか言ってレコード遊びしているヤツだから、だったら出来ることはもうそれしかないだろうと、ボウイのレコードを皆で回して、繋げていく作業をしていこうと思った。それが昨夜のイベントなのだ。気持ちは複雑だったが、やらないよりはやった方が気持ちの整理が少しでもついていくというものだ。なにより仲間たちが集まってくれたことも嬉しかったし、それぞれなりのレコードでボウイを想ってくれていることがとてもとても嬉しかった。これをきっかけにボウイを聴こうという仲間もいて、それはつまり、「繋げられた」ということなんだなと思うんだよボウイ殿。あなたの映画やビデオを世に送り出してきた仕事も、若い世代に観てもらって、語り継いでいってほしいからこそだったんだと、今は思うんだよな。DJというか、オレ、レコード遊びおじさんも、そんなのと大して代わりはなくて、これからも、つまづいたりトラブったりしても、一つ一つ丁寧に「繋げていく」ってことを頑張るしかないなって。今日もラジオから流れてきたあなたの歌を聴きながら、なんとなく、ちょっとそういうところに、着地した感じがしましたよ。
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OAリストはのちほど…
Single8 メインテーマ 宮﨑道

舞台「Lazarus」より Life On Mars? (lazarus ver.) Sophia Anne Caruso

LIFE!/ライフ Space Oddity(mitty mix) David Bowie feat. Kristen Wiig
デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム Moonage Daydream Hallo, Space Boy  David Bowie with Pet Shop Boys
ラビリンス 魔王の迷宮 Labyrinth Opening?Underground  David Bowie

ツイン・ピークス Twin Peaks Theme Angelo Badalamenti
戦場のメリークリスマス Merry Christmas, Mr. Lawrence  Germination 坂本龍一
コードネームはファルコンThe Falcon and the Snowman This Is Not America David Bowie & Pat Metheny

風が吹くとき When The Wind Blows David Bowie
舞台「Lazarus」より Absolute Begginers(lazarus ver.) The Cast

ある愛の詩 Love Story Francis Lai 
★ふうKさんご希望曲

SAYONARA  Mary MacGregor
★MASARUさんご希望曲

God Only Knows David Bowie

江東シネマパラダイス
映画音楽でタイムトラベルに連れてって
~サントラ・レコードを聴きながら映画のお話を~
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サイレント映画からトーキー映画へと映画に歴史があるように、
映画音楽にも「そうだったのか!」と思えるエピソードがたくさんあります。
チャップリンにミュージカル映画、
ジェームス・ディーンやオードリー・ヘプバーンの映画にも、
素晴らしい名曲が付きもの。
だけどそれらにもまたもう一つのドラマが…。
まさに、映画音楽はかく語りき。
往年の名画のサウンドトラック・レコードを聴きながら、
少しの時間、懐かしのあの頃へタイムトラベルしてみませんか?
ラジオDJの志田一穂が、旅のご案内をさせていただきます。
 
日時 2023年3月24日(金)18:30~20:00
場所 城東図書館 7F 会議室
料金 無料
★3/10から受付中!
城東図書館カウンターか、電話/城東図書館 03(3637)2751まで


江東シネマパラダイス
3/24の城東図書館の次は東陽町へ!
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解説付き16ミリフィルム『鉄道員』上映会
上映前解説 志田一穂
4月1日(土)14:00〜16:00
東陽図書館 教育センター第一3研修室
申し込み人数 50名(無料)
3/16(木)から東陽図書館に電話または窓口で
☎︎03(3644)6121


展覧会ART in MUSICPOINT OF JAZZ

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絶賛開催中!

展示期間:2023.2.28TUE~3.12SUN
※3.3 志田のトークイベントは終了いたしました。


「映画音楽はかく語りき いつか見た映画、時をかける音楽」志田一穂
志田一穂(ジョニー志田)、初の著書、好評発売中です!
2022年4月27日発売(ユニコ舎より) ★ご購入はコチラ
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「特集 もうすぐ春、魅惑のスクリーン・ミュージック」
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今週の特集は、
「もうすぐ春、魅惑のスクリーン・ミュージック」
というか、すっかり春な最近ですけれども、
まぁ暖かいこの季節になって、
ちょうど良い選曲構成になっているのではないかと、
今回の楽曲たちは本当にうららかで魅惑的な曲ばかりです。
往年の名作たちからあえてチョイスしたのも良かったと思っておりますし、
やはりたまにこのような作品群で、
グッとくる映画音楽を楽しみたいなと。
是非ご堪能いただければ幸いでございます。

OA予定曲
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愛情物語
昼下がりの情事
日曜はダメよ
赤い風車
知りすぎていた男
007/危機一発(007/ロシアより愛をこめて)
007/ゴールドフィンガー
007は二度死ぬ
夜霧のしのび逢い
ブーベの恋人
酒とバラの日々
死刑台のエレベーター
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他、新作映画のご紹介は、
「ビリー・ホリデイ物語」3/10公開より絶賛公開中
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リスナー様からのご希望曲もOAいたします。

"海辺の映画館からの手紙" from johnny SHIDA
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今回は「魅惑のスクリーン・ミュージック」というタイトルにいたしました。もう聴いているだけで魅惑的なオーケストレーション・アレンジな楽曲が多いということと、もちろんこれらはオリジナル・サウンドトラックではない、レコードやCD用に新録されたアレンジバージョンになります。だけどこれらが思いの他良いと思うのは、3分台でしっかりと楽曲として楽しめる構成になっているからなんですね。本来のオリジナル音源はどうしても場面に合わせた演奏で、尺も当たり前ながら映像優先のため短かったり長かったり、あるいは緩急つけた展開になっていたりで(つまり映像に合わせているからですね)、リラクシンに聴くにはちょっと展開がありすぎると。一方60年代、70年代にブームとなったラウンジ・ミュージック的なアレンジで施された別音源は、そうしたオリジナルとは違ったかたちで楽しませてくれる、かつ、あえて言えばラジオ向きであるなとも思うのです。

最近プライベートでよく遊びに出かけるDJイベントで、サントラDJの面々がやっている楽しいイベントがあるのですが、そこではオリジナルやカバーに関わらず、聴いて楽しい、あるいは珍しい、ちょっと面白い、といった、垣根を超えた映画音楽のレコードがたくさんプレイされているのです。サントラDJと言えばオリジナル音源、オリジナル原盤にこだわるのかなと思っていたのですが、結構そんなことはなく本当に自由に様々なサントラレコードを紹介してくれるので、聴いている側もとても楽しくて仕方がないわけです。もちろん一方ではしっかりとオリジナル音源も入手されていて、たまにそうした大物をインサートして驚かせてくれるところがさすがだなとも思うのですが、基本的には楽しむための選盤は限りなく自由なんですね。

そうした面々に影響されたと言っては大袈裟なのですが、聴きやすい、カバーでも良いものは良い、と割り切ると、手前の番組でももっともっと紹介したい音源の幅が広がっていったということがあったのですね。今回の選曲がすべてあてはまるわけではないのですが、例えばニーノ・ロータの「道」のジェルソミーナですが、これはもうたくさんアレンジ・バージョンがある中で、特にダークでストレンジなところがお気に入りのバージョンをあえてセレクトしてみたりしました。こうしてふり幅をやや広げることにより、構成へのちょっとしたスパイスにも成り得るのだなとも思いますし、そもそも映画音楽自体がノンジャンルで自由なものであるわけだから、いろいろなアプローチをしても許されるだろうと、最近はちょっとそんなふうにルールもゆるめで、改めて映画音楽を楽しんでいる次第なのです。
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OAリストはのちほど…


各地で大好評、志田一穂のトーク&レコードDJイベント
"映画音楽を聴きながら、映画の歴史の旅へ!
~アナログ・レコードで聴く素晴らしき映画の名曲たち"
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                                                                                                                                      photo by hatsue OWAKI
香川県 善通寺市立図書館 図書館カーニバルに登場‼︎
2023年3月19日14:00  善通寺旧偕行社 大広間にて


展覧会ART in MUSICPOINT OF JAZZ

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絶賛開催中!
展示テーマ:シネジャズ
選盤&ジャケット提供:志田一穂&小久保剛(映画音楽DJ)
ジャズが扱われた映画サントラジャケをズラッと飾ります。
展示期間:2023.2.28TUE~3.12SUN
※3.3 志田のトークイベントは終了いたしました。


「映画音楽はかく語りき いつか見た映画、時をかける音楽」志田一穂
志田一穂(ジョニー志田)、初の著書、好評発売中です!
2022年4月27日発売(ユニコ舎より) ★ご購入はコチラ
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「特集 爆走レース映画でぶっ飛ばせ!feat. バニシング・ポイント」
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今週の特集は、
「爆走レース映画でぶっ飛ばせ!feat. バニシング・ポイント」
ご多聞にもれず本作が久々スクリーンに登場するということで、
新旧取り混ぜドカドカ映画音楽番組の当方としては
黙ってはいられないので特集を組んでしまうわけであります。
で、せっかくですからレース映画大集合です。
まあまあ騒がしい回になりますが、
日曜夜に気分は大爆走していただき、
月曜からの新たな一週間の活力=ガソリン!...
にしていただければと思います!!

OA予定曲
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バニシング・ポイント 3月3日より公開!
栄光のル・マン
フォードvs フェラーリ
栄光への5000キロ
グラン・プリ
レーサー
キャノンボール
デスレース2000
Speed Racer
爆走!ヘルズ・エンジェルス
汚れた英雄
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他、リスナー様からのご希望曲も。

"海辺の映画館からの手紙" from johnny SHIDA
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レース映画特集は前々から考案しておりました。やっぱりビートの効いたサントラが多々ありますし、愛のテーマなども含めれば構成もバラエティーに富んでいい特集になるだろうなと思ったりしていましたので。そんなとき、キングレコードのプロデューサーから、今度遂に「バニシング・ポイント」やります!という感激の報せが。思わず、マジですか!?と喜び飛び上がりました。いいですよね、70sアメリカン・ムービーは。埃っぽくて、粗野満開で、ちょっとしたことで大トラブルになるし、ちょっとしたことで心をグッとさせるし。そして何より音楽。シンセも打ち込みもない時代だから生々しさはサウンドトラックにも充満しているわけです。形式ばった構成もくそくらえ。ハッピーエンドなんてぶっ飛ばせ。そうした自由度と共にスカっとさせてくれるのが70sアメリカン・ムービーであり、同じくらい絶望にも叩きのめしてくれるのもまたこの時代の映画たちなんですね。だからイイのです。

そこにこの「バニシング・ポイント」のような車、ドライバー、レース、ですね。文字通り疾走感を表わすのに、この時代の映画たちにはとにかくドカドカと車が走りまくります。今回は割愛していますが、バート・レイノルズ×ハル・ニーダム・コンビの映画などはもうそれでしかないですし(あ、彼らの「キャノンボール」は今回ぶち込みました)、車が爆走するだけでもう映画というものが成立してしまうと言っても過言ではないわけです。正直それがあればストーリーなんて薄っぺらくてもイイ。B級だろうがC級だろうが、それが映画に求めるロマンと冒険心だったりするから、70年代あたりのアプローチは本当に今考えても羨ましい世界観なんですよね。多分今若い人たちがこの時代の映画を観るとハチャメチャだな~なんて笑い飛ばすかもしれません。現在の作りこまれた映画を観ている者たちにとっては、なんてデタラメな映画だ!と呆れかえられるかもしれない。だけどそれぐらい、パワフルなインパクトがあるってことなんですよね。そんな衝撃をもらえる映画、今ありますか?って話なんです。

80年代になるとどれもが優等生的な映画になっていって、それはそれでいいんですがどこか何か物足りない。どうせなら思い切ってやってくれと思っていたら、やっぱりスピルバーグやゼメキスなんかがあの頃の意志を持ったまんま新時代に突入しているから、まあまあよろしくドッカンドッカンやってくれるんですけど、結局予算は使えるくらいの監督になってはいるから、そういう意味ではカッチリはしている。つまり彼らの80年代も優等生映画ではあるんですよね。勝手な持論ばかりですが、肌感覚ではそんな風に映画の空気感を感じていたりするのです。
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で、2020年代になって「バニシング・ポイント」が久々スクリーンで唸りをあげると。これは貴重ですよ。映画好きなら絶対に劇場体験しなくてはいけない作品です。機会があれば「デスレース2000」も「キャノンボール」も本当は体験しなくてはならない映画ですが。逆に普通の方は無理して観なくて大丈夫です。少しでも興味があれば別ですが、全然知らないけど好きなやつに連れられて、みたいなノリで観てもらっても全然この熱量は伝わらないだろうし、観た上で、うーんなんだかよくわかんなかったけど~なんて吹聴された日にはちょっと映画にも迷惑だ(笑)。そんなわけで観なくてヨシ、なわけです。あぁ随分熱く語ってしまいました。が、そんな思いも込めながら爆走レース映画たちのなんだかムヤミヤタラに熱いサントラを集約させてみました。たまにはこのような賑やかな回もないと、ですよね。どうか燃え上がりながら楽しんでいただきたいと思います。

OAリスト
カーズ/クロスロード Cars 3 Run That Race  Dan Orbach

バニシング・ポイント Vanishing Point
Super Soul Theme The J.b. Pickers
Freedom of Expression The J.b. Pickers

栄光のル・マン Le Mans The Race, First Laps Michel Legrand
フォードvs フェラーリ Ford v Ferrari Le Mans 66 Marco Beltrami, Buck Sanders
栄光への5000キロ Safari 5000  黛敏郎

グラン・プリ Grand Prix Maurice Jarre
レーサー Winning 500 Miles Dave Grusin

キャノンボール The Cannonball Run Ray Stevens
デスレース2000 Death Race 2000 Fight Scene Paul Chihara
Speed Racer Go Speed Racer Go Sponge

爆走!ヘルズ・エンジェルス Hells Angels on Wheels  Stu Philips
汚れた英雄 Riding High Rosemary Butler

シェナンドー河 Shenandoah  Frank Skinner
✴︎シークワーサーさんご希望

キャノンボール The Cannonball Run You've Gotta Have A Dream California Children's Chorus

各地で大好評、志田一穂のトーク&レコードDJイベント
"映画音楽を聴きながら、映画の歴史の旅へ!
~アナログ・レコードで聴く素晴らしき映画の名曲たち"
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                                                                                                                                      photo by hatsue OWAKI
香川県 善通寺市立図書館 図書館カーニバルに登場‼︎
2023年3月19日14:00  善通寺旧偕行社 大広間にて


展覧会ART in MUSICPOINT OF JAZZ

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絶賛開催中!
展示テーマ:シネジャズ
選盤&ジャケット提供:志田一穂&小久保剛(映画音楽DJ)
ジャズが扱われた映画サントラジャケをズラッと飾ります。
展示期間:2023.2.28TUE~3.12SUN
※3.3 志田のトークイベントは終了いたしました。


「映画音楽はかく語りき いつか見た映画、時をかける音楽」志田一穂
志田一穂(ジョニー志田)、初の著書、好評発売中です!
2022年4月27日発売(ユニコ舎より) ★ご購入はコチラ
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他、いろいろな情報は志田のTwitter @shidakazuho でチェックしてください!

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