"seaside theatre" from shonan beach FM 78.9

with DJ johnny SHIDA since2020

78.9MHz 湘南ビーチFM 映画音楽専門番組 "seaside theatre" 
構成・選曲・DJ ジョニー志田 毎週日曜23時〜24時放送
湘南ビーチFM >> https://www.beachfm.co.jp/
★毎週OA前に特集内容とプレイリストを公開しています。

★これまでのOA listはこちら。
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まだ少年だったあの頃。
映画館の暗闇に身を潜ませながら、あらゆるジャンルの映画を楽しみました。
まだビデオもない頃、映画を楽しむには、
サントラレコードを繰り返し聴いていたものです。

レコードに針を置くと、スクリーンの幕が上がるかのように、
思い出も再びどんどん蘇りました。
そんな映画の思い出を、音楽で集められたら…。
様々な風景を聴かせてくれる映画音楽で、皆の思い出も共有出来たら…。  

この番組はそんな映画音楽と一緒に、
“海辺の映画館=seaside theatre” で過ごす楽しいひとときです。


seaside theatre コンシェルジュ
ジョニー志田 (構成・選曲・DJ)

01  セブン・イヤーズ・イン・チベット John Williams & Yo-Yo Ma
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特集 アジア映画は長く静かな河
02  さらば、わが愛 / 覇王別姫 愛が終わる時 ジョナサン・リー&サンディ・ラム
03  バンジージャンプする Oh 君は美しいひと  パク・ホジュン
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04  2046  梅林茂
05  牯嶺街少年殺人事件 Angel Baby  Rosie & The Originals
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06  青いパパイヤの香り L'odeur de la papaye verte  Ton-That Tiet
07  パラサイト 半地下の家族 Jung Jaeil
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08  恋恋風塵 Dust In The Wind  陳明章
09  悲情城市 S.E.N.S.
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japanese ost
10  ノルウェイの森 Jonny Greenwood
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11  レッド・クリフ  心・戦~RED CLIFF~  阿蘭
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after report by johnny SHIDA
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アジア映画、などとカテゴライズするにはもはやワールドワイドな存在であって、中国映画とか台湾映画と呼ぶよりも、ひっくるめて既に「洋画」ではないか、とは思っております。最近ではやはり「パラサイト 半地下の家族」(しかしなんという副題…)の米国アカデミー賞受賞という“事件”でしょうか。これまでであれば外国語映画賞(現・国際長編映画賞)にくくられていたであろう純粋な韓国映画が、満を持して世界の映画祭の頂点に君臨したわけで、しかもそれが自国の作品群を祭り上げていた米国アカデミー賞なので驚きもひとしおでした。正直そのクオリティーやメッセージ性などを比較すれば、やはりカテゴリー、ジャンルは違えど、日本から発信されているアニメーション映画だって確実に同等の競争ラインに立って然るべきだとも思いますし、時代の流れによってこれからそういう事も起こり得る、そんな期待も抱かせたくれたのが、「パラサイト」の受賞事件だったように思うのです。

そうなるとやはりポン・ジュノ監督の過去作がさらなる再評価を得ていったように、歴代の素晴らしい映画作品を残してきた、たとえば台湾のエドワード・ヤン監督や、中国のホウ・シャオシェン監督など、そういった匠たちの世界的評価についてももっともっと伝えられたらと思いますし、映画の歴史をしっかりと汲み取った上での映画祭ガイドラインというか、つまりエキシビジョンやレトロスペクティヴのような催事もどんどん企画して発信してもらえたら嬉しいですよね。かつては「洋画」と言えば欧米がメイン。アジア地域は二の次で、どうしても欧州よりもさらなるアート作品が取り沙汰されるだけの異端の域であった事は否めません。あのチェン・カイコーが登場し評価されたのが80年代になってからでしたし、国それぞれの映画流通の発展の遅さもあるとは思いますが、まだまだ評価されるべき歴代のアジアン・ムービー、そしてクリエイターたちはいると思います。

面白いのは音楽=サウンドトラックもまた同じではないかと睨んでまして、きっと音盤化されていない映画音楽も多々あるのだろうなと想像しています。というのも、今でこそアジア界隈での(日本は除きますが)著作権に対する管理体制は強化されつつありますが、それこそ80年代くらいまでは無法地帯もいいところで、自国の映画であれば勝手に他の映画のサントラを持ってきて、当然権利処理もせず許諾も取らないで無断使用した上、さらにそのままセールスしていたのです。そもそも「著作権」という概念がまだ無かった、という事なのでしょうか。そんな状況だったため、日本がアジア映画作品の全権利(オールライツ)を買っても、使用不可な音楽がたくさん付いているのでそれらは独自に差し替えなくてはならず、国内上映はおろか、二次使用ビジネスであるテレビ放映や非劇場興行(ホール上映)、さらにはビデオグラムまで行使(セールス)出来なくなるという難儀なシロモノだったりしたわけです。(余談ですが、90年代半ばに香港へ行った際も、雑居ビル丸ごと海賊版ビデオ屋だったりしていまして、とにかく権利を守るという意識のカケラもない状態、これでは他人の著作物も平気で勝手に使ってしまっていても逆におかしくないのだろうなぁと呆れた記憶があります)

期待したいのはそんなデタラメな時代にも、オリジナルにこだわって音楽=サウンドトラックもしっかりと作りこんでいる映画作品は確かにあるのでは、という事なんですね。それはとても貴重で希少なものでしょうし、だからこそ陰ながら評価されている作品もあるのではと思っているわけです。世界に追いつけ追い越せと、スタッフもろとも国を飛び出して海外で製作したベトナム産フランス映画「青いパパイヤの香り」などは、映像クリエイター、そしてサウンドコンポーザー含めて顕著な例かもしれません。しっかりとした体制で映画を製作しなければ、権利運用はおろか、現場に関わるスタッフやキャストも割を食ってしまうという、劣悪な労働環境になってしまう事でしょう。日本はいち早く著作権法が確立しているのでその点は先進的ですが、そんな裏事情があると共にアジア界隈においての著作権事情を考察すると、まぁ災い転じて傑作の発掘あり、などいう事があるかもなぁと思ったりするわけです(妙な結びですみません)。

しかし90年代からすっかりそのようなお宝的映画やモンドだカルトだと言われつつのサウンドトラックなどは隅々まで掘りつくされているとは思うのですが、いやまだまだある筈なんですよね。なにしろ映画の歴史は深いものですから。リイシューでも良いのでコンプリート仕様含め、まだまだそういったフィジカル・コンテンツ、期待したいわけであります。

ではまた来週。次回は特集「アカデミー賞の旋律を聴く」をお送りします。お楽しみに。


お知らせ
★今回の再放送は今週木曜日午後6時からです。
★「seaside theatre」放送回リストを当ブログに新設いたしました。
★新番組「波の数だけAOR」公式ブログはこちら。(twitterは@namikazu_AOR)

次回の「seaside theatre」特集は、
「アジア映画は長く静かな河」
中国、香港、韓国、ベトナム。
様々なアジア界隈の映画から、
その個性が光る様式や美意識、芸術文化の素晴らしさを、
サウンドトラックにて編纂いたします。
予定しているのは下記作品群のサウンドトラック。
他にも関連楽曲を用意しております。
ご期待ください。
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特集 アジア映画は長く静かな河
さらば、わが愛 / 覇王別姫
バンジージャンプする
2046
牯嶺街少年殺人事件
青いパパイヤの香り
パラサイト 半地下の家族
恋恋風塵
悲情城市

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アジア映画、などとカテゴライズするにはもはやワールドワイドな存在であって、中国映画とか台湾映画と呼ぶよりも、ひっくるめて既に「洋画」ではないか、とは思っております。最近ではやはり「パラサイト 半地下の家族」(しかしなんという副題…)の米国アカデミー賞受賞という“事件”でしょうか。これまでであれば外国語映画賞(現・国際長編映画賞)にくくられていたであろう純粋な韓国映画が、満を持して世界の映画祭の頂点に君臨したわけで、しかもそれが自国の作品群を祭り上げていた米国アカデミー賞なので驚きもひとしおでした。正直そのクオリティーやメッセージ性などを比較すれば、やはりカテゴリー、ジャンルは違えど、日本から発信されているアニメーション映画だって確実に同等の競争ラインに立って然るべきだとも思いますし、時代の流れによってこれからそういう事も起こり得る、そんな期待も抱かせたくれたのが、「パラサイト」の受賞事件だったように思うのです。
(以下、after reportへ続く)


★聴きたいサウンドトラックのご希望にも出来るだけ対応してまいります。
Twitter @SeasideTheatre のメッセージへお送りくださいませ。

Litsen Here
★湘南ビーチFM 公式ホームページから。
★インターネットjpradio.jpやスマホアプリTune In Radioにて湘南ビーチFMを選択
★湘南逗子界隈のリスナーの方々は78.9MHzラジオにてお聴きいただけます。
是非、環境にあったかたちで番組にアクセスしてください。

特集 大林宣彦 サウンドトラックの玉手箱

01  HOUSE/ハウス ハウスのテーマ ゴダイゴ
02  瞳の中の訪問者 宮崎尚志
03  天国にいちばん近い島 朝川朋之
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04  漂流教室 久石譲
05  水の旅人 久石譲
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06  形見 作曲・ピアノ演奏 大林宣彦
07  Lovers of the World〜マンダム 男の世界 Jerry Wallace
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08  ふたり 風の時間〜白いページ 久石譲
09  あした さようならのあした 岩城太郎
10  あの、夏の日 とんでろ じいちゃん 學草太郎 
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11  野のなななのか ガタタンロード Pascals
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12  海辺の映画館 キネマの玉手箱   ハッピーエンド〜終演 山下康介
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after report by johnny SHIDA
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当番組二度目の大林宣彦監督特集です。去年は番組開始早々、4月10日に監督の訃報を受け、4月19日には追悼特集を緊急で組ませていただきました。

seaside theatre #3 2020/4/19

この時は本当に混乱状態で、大林監督が亡くなられたという事実を受け止めるよりも、とにかくこの番組を作り上げる事で気を散らせて、襲いかかるような絶望を紛らわせていたように思います。

早いものでそれからもう一年です。つまり番組も同時に一周年を迎えるというタイミングで、ごく自然に大林監督を偲ぶ機会にもなっていくわけです。おそらく番組が続く限りはこの機会を大切にしていきたいと思っていますので、リスナーの方々にもせっかくなのでどんどん大林監督の作品群をご紹介していきたいなと。なのでこの一周忌特集では前回お送り出来なかった作品のサウンドトラックから、再び多々編纂してみた次第です。尾道作品としては「時かけ」がマストですが今回は原田知世作品という切り口で「天国にいちばん近い島」をチョイスしたり、“A MOVIE” からの脱却から生まれたプログラム・ピクチャー系である「漂流教室」や「水の旅人 侍KIDS」などのダイナミックな楽曲も紹介させていただきました。さらに前回も紹介しました、知る人ぞ知る大林監督の個人映画時代のサウンドトラックも今回ピックアップしました。こちらは作曲とピアノ演奏を大林監督自身が担っており、消失してしまっていた8ミリ映画の音源を自ら再現、完全独奏した貴重な音源です。かつてはCDでもリリースされていましたが残念ながら長らく廃盤となっていたので、このタイミングで配信リリースが実現しました (バンドル・ダウンロード/ストリーミング)。監督の多才極まりないこの偉業を、今回のOAで興味を抱いた方は、配信でも是非堪能していただければと思いますね。

あとはやはり「新・尾道三部作」の連続OAをやってみた事が大きいでしょうか。90年代からスタートした新たなる尾道連作は「ふたり」「あした」「あの、夏の日 とんでろ じいちゃん」という、旧・三部作とは内容的にもやや一線を画するものという印象があるこの三作品。実のところ、個人的には「ふたり」「はるか、ノスタルジィ」「あした」が厭世観を持った珠玉の三部作と捉えていて、90年代後半からアプローチが始まったと感じられる、“新たなる個人映画的アプローチ” のスタートダッシュが、“脱・尾道” を感じさせるあえての尾道作品「あの、夏の日」であるとも思っている次第でして。便宜上(というか実質的な謳い文句としての)、尾道ロケ作品がこれにて三作完結、と示されたただけであって、本当はこの90年代に大林監督が体験して考えてこられた事は、寧ろさらなる “個への回帰” であり、商業スタイルから離れる事による、よりパーソナルな映画製作への扉を開拓していく事ではないかと。

だとしたら「新・尾道三部作」というアプローチではなく、また違うコンセプトでまとめればいいのではないかと思われるかもですが、まさにその90年代末に発表された重要作である「あの、夏の日」のサウンドトラックこそを紹介したかったので、通常謳われていた新・尾道三部作にてまとめたという事があります(ややこしいですが言い訳ではありません…)。「あの、夏の日」の音楽を聴いた時、これは久々に真なる大林サウンドの登板だ!と興奮したのですね(当時イマジカにて試写で観ました)。それは大林監督が作曲して宮崎尚志氏が編曲した16ミリ作品「廃市」のサウンドトラックの印象にとても近いものと感じた記憶が今でもあります。つまりその原点は8ミリ映画「絵の中の少女」や「形見」などで聴ける純粋な大林サウンドと言えるものだとも感じたわけで、クレジットを見ると、“學草太郎(まなぶ そうたろう)”とあって、こんな方は知らないな、さては…! と思い確認してみるとやはり大林監督自身だったわけです。道理で真骨頂なサウンドトラックだったわけでして、あまり知られていないのではないかと思われる「あの、夏の日」の音楽を、とにかく今回は届けたいと、そう思いながらプログラムに一ブロックとして組み込んだわけでありました。そうなると「新・尾道三部作」として編纂する方が座りが良かったと…(まぁ、理屈に近い言い訳ですかね…笑)。

そして、「野のなななのか」のPascalsによるリラクシンでオーガニックなサウンドトラックですね。このバンド(ユニット?)の音楽は、 “個の重要性”や“ローカライズの意義”などを継続して感じさせてくれてきた前後する作品群に、具体的サウンド・アプローチとして収まってくれたという気持ちをいただくに至るのです。これはまぁ個人の感想でしかないのですが、大林監督の道程では「ふるさと映画時代」と称される流れとPascalsのスムージーなサウンド、そのノリが遂にぴったりとマッチしたなぁと、映画を観た時に強く感じたのですね。Pascalsの楽曲の登場は「この空の花」からでしたが、「野のなななのか」ではより強く響いたのです。そして、ふるさとと寄り添いながら映画を紡いでいく、とは言えそこそこの予算をかけられて製作された劇映画の数々ですが、00年代から10年代を駆け抜けた大林映画たちは、自分的には「新・個人映画時代」として見事に統一化されているように見えるのです。そのリズムと音色と旋律とネイキッドな響きが、2000年以降の大林映画を語るには避けられない大切な存在として聴こえていたのだと思うのですね。

で、勝手に「新・個人映画時代」などと称してしまいましたが、しかしだからこそまだまだ評価されるべきなのになかなか広がりを見せられていない作品も多々あるんですね。中には劇場公開も短期間で終わった作品もありましたし、ビデオグラム化も遅れて届くような作品もありました。なので今後はそんな時代の作品たちとそのサウンドトラックも含めて、どんどん紹介し、次に繋いでいきたいと思ってるのです。リスナーの方々からは「時かけ」が聴きたい、「ふたり」が、「デンデケ」が聴きたい、というご希望もあるとは思いますが、もちろんそういった大林スタンダードも塗しながら、こんな素晴らしい作品もあるからどうぞ!と、まだまだ様々なメニューをご案内していきたいと思っています。

しかし番組の中でも呟きましたが、まだどこかで大林監督が新作を撮られているかのような、そんな気持ちが絶えず沸き起こるのです。いや、しかし多分おそらく、今もまたどこかで撮っていらっしゃるのでしょうね。いつか必ずその新作を皆して観れるのではないでしょうか。大林監督はそんな奇跡すら、これからも見せてくれる人だと、僕は信じていたりするんですよね。


ではまた来週。次回は特集「アジア映画は長く静かな河」をお送りします。お楽しみに。


お知らせ
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★新番組「波の数だけAOR」公式ブログはこちら。(twitterは@namikazu_AOR)

次回の「seaside theatre」特集は、
特集「大林宣彦 サウンドトラックの玉手箱」
2020年4月10日、大林宣彦監督ご逝去。
早いものでもう一年です。
当番組でも2020年4月19日に「追悼 大林宣彦監督~サウンドトラックの玉手箱」
と題して緊急追悼プログラムをセッティングしました。
今年も一周忌にやらせていただきます。
まだまだ大林監督の作品や思いを次世代や未来につなげていかねばです。

予定しているのは下記作品群のサウンドトラック。
ご期待ください。
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特集 大林宣彦 サウンドトラックの玉手箱
HOUSE/ハウス
瞳の中の訪問者
天国にいちばん近い島
漂流教室
水の旅人
ふたり
あした
あの、夏の日 とんでろ じいちゃん
野のなななのか
海辺の映画館 キネマの玉手箱


当番組二度目の大林宣彦監督特集です。去年は番組開始早々、4月10日に監督の訃報を受け、4月19日には追悼特集を緊急で組ませていただきました。この時は本当に混乱状態で、大林監督が亡くなられたという事実を受け止めるよりも、とにかくこの番組を作り上げる事で気を散らせて、襲いかかるような絶望を紛らわせていたように思います。

早いものでそれからもう一年です。つまり番組も同時に一周年を迎えるというタイミングで、ごく自然に大林監督を偲ぶ機会にもなっていくわけです。おそらく番組が続く限りはこの機会を大切にしていきたいと思っていますので、リスナーの方々にもせっかくなのでどんどん大林監督の作品群をご紹介していきたいなと。なのでこの一周忌特集では前回お送り出来なかった作品のサウンドトラックから、再び多々編纂してみた次第です。(以下、after reportへ続く)


★聴きたいサウンドトラックのご希望にも出来るだけ対応してまいります。
Twitter @SeasideTheatre のメッセージへお送りくださいませ。

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★湘南ビーチFM 公式ホームページから。
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是非、環境にあったかたちで番組にアクセスしてください。

特集 海辺の映画館でアナログレコードを
01  ゴールデン洋画劇場 オープニングテーマ
02  ベン・ハー 愛のテーマ Miklos Rozsa 
03  スパイ大作戦 / ノルウェイの森 Alan Copeland
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04  フレンチ・コネクション Enoch Light & The Light Brigate
05  ロッキー  You Take Heart Away?貴方に夢中 James Darren
06  白バイ野郎ジョン&パンチ I Love You,"Chips"  大野雄二 
  ナレーション田中秀幸(ジョン) 古川登志夫(パンチ) 
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07  ナイル殺人事件 ミステリー・ナイル サンディー・オニール
08  エマニュエル Oh My Belle Emmanuel  David Rose
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09  リトル・ロマンス   サンセット・キッス パオ
10  ゴッド・ファーザー Andy Williams
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11  パラダイス・アレイ Too Close To Paradise  Sylvester Stallone
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from japanese ost
12  海燕ジョーの奇跡 ランナウェイ ランアフター Anne Bertucci
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13  めまい Vertigo  Bernard Herrman
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after report by johnny SHIDA
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アナログレコードでラジオ放送をしていた時代の事を思うとなかなか背筋が伸びる思いがいたしますね。というのも、現在は、というかもう80年代中頃くらいからほぼCD対応で来ているわけで、実に30年くらいアナログレコードでの放送対応は皆無であったのでは、と思われるわけで。しかも既に今はCDですら使わず、全てデータがアーカイヴ化されて一文字検索されれば瞬時にその楽曲と関連曲がドドドと現れるぐらい便利なシステムになっているのですね。iTunesの台頭で自分のパソコンでもスムーズに楽曲管理が出来るようになった事も大きかったと思いますし、ことラジオ局で言うとレコード・ライブラリー室なんて巨大なレコード倉庫も、もう維持する必要もなく、スペースも費用も縮小出来てこの上ない良き管理時代になったと思うのです。

しかし、人の志向性というか嗜好性というか、ああいえばこういう主義なのか少し年月が経つと廃れたモノほど愛おしいと感じ始めるもので、00年代に入ったあたりからアナログレコードマニアたちがわさわさと中古レコード屋で暗躍し始め、やっぱりビニール盤の音が柔らかくて聴きやすくて一番だとか、ジャケットはアートだから大きい方が見栄えもイイに決まっているとか、懐古にふけりながらそれを愛でている自分に酔い始めたりするわけです。そもそも渋谷系とかが流行り始めた90年代頭から、CD全盛期になるにつれそのようにアナログ大好き反乱軍はちょいちょいいたわけですが(ファッション・アイテム的に捉えていたフシもありましたが)、本格的に騒ぎ始めたのは10年代ぐらいからでしょうか、どうもアナログレコード・ブームというものが国内外で本格的に起こり始めているらしい、つまり売り上げが何十年かぶりに上がってきているらしいと。この話を聞いた時は実はなかなか興奮したのですね。なんでかと言いますと、自分自身がアナログレコードDJとしてかなり活動していた時期だったからなのです。

正直言って90年代とか00年代ぐらいとかはレコードなんて全く興味がなく、普通にCDばかりで音楽愛を育んでいたわけですが、あるきっかけがあってやっぱり思ってしまったのです。レコードの音は温かくてイイなぁ、と。それから少しずつ買い集め、それらを当時のSNSで紹介ばかりしていたらそのレコードでDJをやってみませんかと誘われたのですね。要は好きなレコードを好き勝手にかけて遊びましょう的なお誘いで、これがやってみたらかなり楽しかったのです。で、10年くらいそのDJ遊びにどっぷりハマりまして、それが現在の志田の基本スタイルとして出来上がっていったわけですが、まさにその遊んでいる途中でブームの声を聞き、アナログレコードを主体としたレコードストアデイとかが日本でも発生したり、新譜もCDと一緒になってアナログがリリースされたり、どさくさに紛れてカセットテープまでもてはやされたりして、一気にヴァイナル・ムーブメントが確立されてきたのです。で、何が興奮したのかというと、自分たちが盛り上げてここまでスゴイことになっちゃったのではないの?という妙な自負と自信が入り乱れてのワクワク感があったんですね。まぁ別にその一端をちょっとだけ担っていたかもしれないけどどうなんでしょうかね、みたいなノリなんですが。

なので今やアナログレコードは一つの音楽コンテンツというか、一カテゴリーとして君臨するまでに至ったわけで、ラジオにてDJをやるようになってからはすっかりCDとデータで対応するも、そういえばかけたいあの音源はレコードでしかないからそれでやっちゃっていいのかな?と躊躇したり挑戦しようか悩んでいたりしていた次第。で、あるタイミングでリスナーの方からも、一度レコード特集やってほしい的なつぶやきも届いたりしたので、そうだ昔はあのアナログレコードでラジオも対応していたわけだし、いいじゃないかいいじゃないか針を落としたってええじゃないか!と妙に割り切れてしまったわけです。なので今回は待望のというか、そもそもアナログレコードDJであった志田が満を持してお送りするアナログレコード大特集だったわけで、わざわざ針を落とすところから音を拾ってみたり、静かな曲とか古くて汚いレコードをあえて選んでノイズ共々オンエアに踏み切ってみたり、ちょっとやりすぎた感はあるのですがこれぞ大特集と言えるものとしてやってみたかったので、たまにはこういう回もどうかお許しください、という事でした。

因みにここに至るまでテスト的に何回かアナログ音源はお送りしていまして、そのたびに反応を見させていただいたりしていましたが、結構あまり気にならないものなんだなぁと。むしろその違いってあまりわからないものなのかなぁと分析出来たので、だから今回も思いっ切りやれたという事もありました。不定期ながらですが、個人的にはとても面白かったので、アナログレコードでしか聴けないサウンドトラックはまだまだありますからまたやりたいと思ってはおります。


seaside theatre一周年を迎えて。
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あっという間の一年でした。毎週毎週やり切れるのかという不安もありましたが、とにかく毎回オンエアマスターを作る作業が楽しくて仕方なく、そういう意味であっという間に季節が巡っていったという感じです。基本的に自宅スタジオにて収録しているのである意味孤独な作業なのですが、コロナ禍の影響もあって最近はその方がとにかくストレスなく作業が進むので、なるほど自分の人生はこういう生き方に辿り着くためにこれまでドタバタとやってきたのかな、とプチ達観していたり。そしてこれまでの映画的知識を番組で編纂する事によって自分自身の映画的嗜好が分析出来たり、そこと相反するジャンルや作品へ、この機会に手を伸ばしてみようと様々な広がりを得る事が出来ていて、実は一番自分が番組を楽しんでしまっているのかもしれません。自己満足、自分本位にならぬよう気をつけねばですが。

さて、二年目突入ゴーサインをいただいたのと同時に、ビーチFMスタッフから、木曜18時に再放送もやりますという、何とも嬉しい報告をいただきました。当番組が平日夕刻に流れる時の雰囲気はどんなかなと今から楽しみで仕方ありません。さらにもう一番組のお誘いまでいただきました。金曜15時半からAORに特化した番組です。ほとんど洒落で「波の数だけAORな感じですね」とメールしたら「タイトルそれでいきましょう!」とマッハで返ってきたので、そんなノリでトントン拍子に決まりました。こういうの、良いですよね(笑)。今回のアフター・リポートでも記しましたが、自分はもともとアナログ・レコードDJとして年間100本以上のDJイベントを10年強オーガナイズしてきました。もちろん自身もDJとしてプレイし続けてきたわけですが、後年のイベントや、深夜にUstreamを用いてDJ配信していた際はAOR系、メロウサウンド系をチョイスしていたりしていましたので、サウンドトラック同様、新旧取り混ぜて自分の感性で選抜するAORミュージックを編纂していく事もまた凄く楽しみなんですね。これもまた、あぁ、こういう流れになっていくためにこれまでがあったのだなぁと、なかなか感慨深くなるのです。ありがたいですね、本当に。そんなわけで一年やってきたseaside theatre流を踏襲しながら、24分という短い時間ですけれども、AORの方も新たな志田の一面として増築していけたらと思っています。

そんなわけでさらにこれからも良き音楽をチョイスして全世界に発信していきたいと思っております。これからもよろしくお願いいたします。

お知らせ
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ではまた来週。次回は特集「海辺の映画館でアナログレコードを」をお送りします。お楽しみに。

次回の「seaside theatre」特集は、
特集「海辺の映画館でアナログレコードを」
CD化、デジタル化されていない(であろう)音源、
CD化されていてもなかなか希少高額で既に入手困難な音源。
それらを聴くにはアナログレコードとターンテーブルを持ち出すしかないでしょう。
これまでもアナログ音源はたまに活用していましたが、
今回は全音源をアナログレコードから
わざと針が溝に着地する音や、その溝を走るノイズも一緒にして
お送りしたいと思っております。
予定しているのは下記作品群。
ご期待ください。
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特集 海辺の映画館でアナログレコードを
ゴールデン洋画劇場 オープニングテーマ
ベン・ハー
スパイ大作戦
フレンチ・コネクション
ロッキー
白バイ野郎ジョン&パンチ
ナイル殺人事件
エマニュエル
リトル・ロマンス
ゴッド・ファーザー
パラダイス・アレイ

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01 ワンダーウーマン Wonder Woman Wrath  Rupert Gregson-Williams
02 ワンダーウーマン1984 Wonder Woman 1984  Themyscira  Hans Zimmer
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特集 Woman~Wの響き
03 マイ・インターン The Intern Love And Work  Theodore Shapiro
04 ワーキング・ガール Working Girl  Let The River Run  Carly Simon
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05 ニキータ Nikita The Dark Side Of Time  Eric Serra
06 ディーバ Diva Promenade Sentimentale  Vladimir Cosma
07 ミスターグッドバーを探して Looking For Mr.Goodbar
           Don't Ask To Stay Until Tomorrow  Marlena Shaw
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08 キャロル Carol  Carter Burwell
09 フォーエバー・フレンズ Beaches  The Glory Of Love Bette Midler
10 愛のイェントル Yentl The Way He Makes Me Feel  Barbra Streisand
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11 Wの悲劇 久石譲
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12 イングリッシュ・ペイシェント The English Patient 
   As Far As Florence(Lullaby For Katharine) Gabriel Yared
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after report by johnny SHIDA
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今回の特集「Woman~Wの響き」を思いついたのは、去年末に番組アシスタントの石井さんが選曲参加してくれた際、「女性が活躍する映画」をテーマにサウンドトラックを選んでくれたのがきっかけなのですね。この発想には少々驚きまして、シンプルでストレートなテーマにも関わらず、なかなか自分では思いつかなかったテーマだったので、これは改めて特集を組んでみたいなと思ったのです。しかしいざまとめようとすると、女性が活躍する、女性が主人公の映画というものは当然の事ながら物凄くたくさんあるわけで、いつものように自分的に印象深い作品のピックアップから始めてみるしかないかと。すると面白い事に様々なジャンルの作品が続々記憶の引き出しから出てきまして、これも毎度の事ながら選抜には苦労したわけです。以下、トピックス的にアフター・リポートを記していこうと思います。

★「マイ・インターン」はやはりアン・ハサウェイものという事で入れたかった一本ですね。かつてのジュリア・ロバーツやメグ・ライアン的存在で、正統派としてもコメディエンヌとしても観ていて楽しい女優だと前から思っていて、本作ではデ・ニーロとの共演作なのでかなり楽しみにしつつ劇場に向かった記憶があります。

★その音楽のセオドア・シャピロは自分と同世代(1971年生まれ)の新進気鋭コンポーザーらしく、しっかりと作品のテイストを鑑みて楽曲を提供されているなと感じました。聴いていて気持ちの良いオーケストレーションの展開は本作のようなコメディー・タッチには必要不可欠なソフィスティケート・サウンドであり、あぁ、ちゃんと「プラダを着た悪魔」あたりを参考にしているなと、勝手に想像したりしました。

★新し目の作品で「キャロル」を入れたのは自分的にちょっと誇らしい事でした。音楽のカーター・バウエルは前回もコーエン兄弟作品で紹介しましたが、彼が重鎮コンポーザーである事が本作においても改めて納得させられたからなのです。カーター・バウエルの楽曲は本当に素晴らしい。映画の舞台となる1950年代の、凛とした、しかしどこか不安定で一触即発的な雰囲気を絶妙に醸し出していて、とてもデリケートかつ緊張感に満ちた楽曲の数々なのですね。これは紹介せねばと本作を観ながらずっと考えていました。

★そして、ケイト・ブランシェットのエスコートによって本作がルーニー・マーラの代表作となった事は間違いないでしょう。静謐な空気感と熱い情熱的な恋愛物語。とても好きな作品でした。同じく愛してやまない作品、フィリップ・カウフマン監督の「存在の耐えられない軽さ」におけるジュリエット・ビノシュとレナ・オリンを想起したのは私だけでしょうか。

★「ミスター・グッドバーを探して」のダイアン・キートンについて。正直言って初期(70年代)のダイアン出演作品にあまり魅力を感じていないというか、「アニーホール」はおろか、本作に関しても自分的には「ダイアンらしくないダイアン作品」という評価をしてしまっていました。俳優としての個性に対して背伸びしている感が強く、この人は実際どこに向かいたいのか、という疑問が強かったんですね(個人の感想です…)。で、自分としてはその後の80~90年代からスパークし始めたダイアンにとっての円熟期こそがまさにハマリ役だと捉えていまして、特に「花嫁のパパ」シリーズ、「赤ちゃんはトップレディがお好き」などのコメディー作品が、より「ダイアンらしさ」がキラキラと光っていてとても素晴らしいと思っているのです。シリアス系正統派女優が一転コメディー枠に入ると意外な一面を見せて好感度アップ、という典型的な例のような気もしますね。

★で、本作の主題歌は大好きなボーカリスト、マリーナ・ショウ。映画の独特のテイストにこのジャズ・シンガーを起用した功績は大きいと思います。内容はなかなか退廃的なものでしたが、この主題歌がややともすれば暗く淀んだ空気を救ってくれているかのような気も。CDではマリーナのベスト盤等にも入っていますが、自分が持っているのはアナログ7インチレコードのみ。今回は雰囲気重視でそのアナログレコードからお送りしました。

★あとは「ニキータ」でしょうか。ベッソン×セラの最高作だと信じて疑わない本作。映画も傑作、音楽も素晴らしい。奇を衒わず、若き感性をそのまま放出したかのような奇跡の賜物か。「最後の戦い」から「グレート・ブルー(グラン・ブルー)」に至るまでのシネフィル感をもろともしない本作のエンターテイメント・アプローチは本当に爽快で、いよいよ本格的に欧州から米国へと攻め入る方角へと舵を取ったのか、あるいはやはり本能赴くままの放出品なのか、本作の誕生秘話においては諸説あるようで実際未だに謎なのですが、とにかくこれを劇場で観た時、カラックス、ベネックスを差し置いて、この男たち、ベッソンとセラはハリウッドへとこの後殴り込むことになるだろう、そう確信させられたのです。結果、本作のスピンオフとして「レオン」という大ヒット作に繋がり、主演のジャン・レノ共々大ブレイクに。さらに「ニキータ」はハリウッド・リメイクで「アサシン」が作られ、ベッソンらはSF超大作「フィフス・エレメント」や「TAXi」シリーズで欧米ひっくるめてブレイク街道まっしぐらになっていったわけです(まぁ「フィフス…」は酷評でしたが…)。もちろんセラも007シリーズや「ローラーボール」などで音楽を任されたりと、どんどん世界に広がっていきましたね。(前にも記しましたが、日本の川井憲次氏となんとなくスタンスが被る気がしているのですが、まぁどうなんでしょうか。)

★そしてもう一つ、忘れてはならない重要ポイントが主演のアンヌ・パリロー演じるニキータという女性像ですよね。無頼派のベッソンが描くこのヒロインの存在感がとても奥深くて、公開時の宣伝キャッチコピーにも使われていた「泣き虫の殺し屋、ニキータ」という一文がすべてを言い表していると今でも思っているのです。どんなに冷酷に見えても純粋さと繊細さを持ち合わせている主人公なので、だからこそ殺し屋として生きていかなくてはならなくなった非情な運命と、それによって流す涙の弱さが観客に強く切なく届くわけですね。こんな殺し屋は見たこともないという驚きと、さらにそこに儚すぎる恋愛ストーリーまで絡んでくるという、どこまでピュアネスに描く残酷物語なのかとさらに目を丸くしました。ベッソン監督はとにかくサディスティックにニキータをどん底まで叩き落していきますが、結果的に彼女に翻弄されてきた男たちも一緒になって絶望に追いやるわけです。しかしなぜか観た事もないようなハッピーエンドとして結ぶ妙にはもう感服しかありませんでした。そこに見えたのは強さと弱さを極限状態で使い分けてしまう、不器用な、だけど愛おしい女性像、その希少な一面の重要性だった気がするのです。

ではまた来週。次回は特集「海辺の映画館でアナログレコードを」をお送りします。お楽しみに。

次回の「seaside theatre」特集は、
特集「Woman~Wの響き」
女性の主人公が活躍する作品群にスポットをあてて、
アクション、社会派、恋愛、友情物語...
様々なジャンルによるサウンドトラックを編纂していきます。
予定しているのは下記作品群。
ご期待ください。

特集 Woman~Wの響き
マイ・インターン
ワーキング・ガール
ニキータ
ディーバ
ミスターグッドバーを探して
キャロル
フォーエバー・フレンズ
愛のイェントル
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今回の特集「Woman~Wの響き」を思いついたのは、去年末に番組アシスタントの石井さんが選曲参加してくれた際、「女性が活躍する映画」をテーマにサウンドトラックを選んでくれたのがきっかけなのですね。この発想には少々驚きまして、シンプルでストレートなテーマにも関わらず、なかなか自分では思いつかなかったテーマだったので、これは改めて特集を組んでみたいなと思ったのです。しかしいざまとめようとすると、女性が活躍する、女性が主人公の映画というものは当然の事ながら物凄くたくさんあるわけで、いつものように自分的に印象深い作品のピックアップから始めてみるしかないかと。すると面白い事に様々なジャンルの作品が続々記憶の引き出しから出てきまして、これも毎度の事ながら選抜には苦労したわけです。(以下、after reportへ続く)

★聴きたいサウンドトラックのご希望にも出来るだけ対応してまいります。
Twitter @SeasideTheatre のメッセージへお送りくださいませ。

Litsen Here
★湘南ビーチFM 公式ホームページから。
★インターネットjpradio.jpやスマホアプリTune In Radioにて湘南ビーチFMを選択
★湘南逗子界隈のリスナーの方々は78.9MHzラジオにてお聴きいただけます。
是非、環境にあったかたちで番組にアクセスしてください。

prologue soundtrack
01 トムとジェリー[新旧mix]
02 ミナリ Wind Song  Emile Mosseri & Yeri Han
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特集 90sサウンドトラックで行こう
03 バック・ドラフト Show Me Your Firetruck  Hans Zimmer
04 バック・トゥ・ザ・フューチャー3 Double Back  ZZ Top
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05 パルプ・フィクション You Never Can Tell  Chuck Berry
06 トレインスポッティング  Lust For Life  Iggy Pop
07 クライング・ゲーム  Crying Game  Boy George
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08 デッドマン・ウォーキング Deadman Walking  Bruce Springsteex
09 マグノリア Magnolia  Save Me  Aimee Man
10 グリーンマイル The Green Mile  Thomas Newman
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from japanese ost
11 鉄道員 ぽっぽや 坂本龍一
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12 ファーゴ Fargo  Carter Burwell
13 ビッグ・リボウスキ  The Big Lebowski
  Just Dropped In (To See What Condition My Condition In)
Kenny Rogers & The First Edition
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after report by johnny SHIDA
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90年代は今振り返るととても興味深い時代で、映画も音楽もカルチャー全般的にスクラップ&ビルトの時代というか、様々なニュー・ウェイブで新たなステージを構築してきた80年代の流れはそのままに、それらに相対するような動きとして、既製カルチャーの掘り起こしイズムが発生し始めるんですね。これは時間軸の周期的見解を示せば明らかですが、要は70年代に青春時代を過ごしたポスト業界人らが20年の月日を経て自らの業務プロジェクトを発信しやすくなったからだと。映像、音楽、代理店、アパレル、出版など、あらゆるカウンターカルチャーのオーガナイザーたちが一斉に自身の青春の思い出を媒体に撒いた結果、バック・トゥ・ザ・70sというムーヴメントが起こり始めた、と考えられるわけです。

まず音楽界隈ではかつて陽の目を見なかったソウルやジャズのレコードを掘り起こし、クラブカルチャーで披露する事で再評価熱を高めていくレアグルーヴという動きが始まり、そこから波及するかのように外資系CDショップが続々日本へ上陸。新旧入り乱れいろいろなジャンルのCDが次々に輸入盤として溢れ返りました。映画館も単館系と呼ばれるミニシアターが多々立ち上がり、音楽同様、アート系、インディペンデント系の新作から、なかなか劇場で観れなかったかつてのマニアックな作品などが発掘リバイバルされ、少数精鋭による配給会社からの封切りが盛んになるなど、ある意味懐古的ではあるが極めて新鮮なカルチャーフィールドが広がっていったわけです。

そこにさらに追い討ちをかけるような勢いで若者たちの間に浸透したのが「渋谷系」という呼び名だったのですね。もはや90sの代名詞でもありますが、かつてのファッションやデザイン、サウンドや映像など、そのどれもに何かしらの70s的キッチュで洒脱なテイストが盛り込まれ、モンドタッチなプロダクトがどんどん発信されていきました。まさに掘り起こしによるカルチャー再構築ブームであり、あまりにもわかりやすい20年周期による流行再拡大でありました。自分は割とリアルタイムでは斜に構えてその状況を見ていた方ですし、かと言ってそのブームだけが90年代の全てではないので、カルチャー全体を括って論じることは出来ないのですが、総体的には根底にスクラップ&ビルトという風潮はあったと思っていて、それが進化していよいよ次世代ではコピー&ペーストの時代にさらに発展していくのだなと捉えています。今回選曲した作品群で言うと、タランティーノなどはその代表格で、フェイヴァリット・アイテムをリサイクルする事により新たなコンテンツに生まれ変わらせるその手法は、実のところあらゆる新規開発における基本概念であるとも考えられます。90年代という時代はさらなる近未来を手に入れる為に必要な過去についてのリマインドと、ネクストステージに立つための実験室のような雰囲気もありました。CGの発達におけるトライアル的作品が発表、公開され始めたのもまさにこの時代です。今となっては、80sニューウェイブの加速度を一旦正常な位置にリセットし、さて材料と場は整ったからこれからどこに繰り出そうか、まぁここからはどこにでも自由に行けるけれど。そんな素敵な時代だったのではないか、とも思ってしまうのですね。

ではまた来週。次回は特集「Woman ~Wの響き」をお送りします。お楽しみに。

次回の「seaside theatre」特集は、
特集「90sサウンドトラックで行こう」
90年代に人気を博した代表的作品のサウンドトラックを編纂していきます。
予定しているのは下記作品群。
ご期待ください。


特集 90sサウンドトラックで行こう
バック・ドラフト
バック・トゥ・ザ・フューチャー3
パルプ・フィクション
トレインスポッティング
クライング・ゲーム
デッドマン・ウォーキング
マグノリア
グリーンマイル
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90年代は今振り返るととても興味深い時代で、映画も音楽もカルチャー全般的にスクラップ&ビルトの時代というか、様々なニュー・ウェイブで新たなステージを構築してきた80年代の流れはそのままに、それらに相対するような動きとして、既製カルチャーの掘り起こしイズムが発生し始めるんですね。これは時間軸の周期的見解を示せば明らかですが、要は70年代に青春時代を過ごしたポスト業界人らが20年の月日を経て自らの業務プロジェクトを発信しやすくなったからだと。映像、音楽、代理店、アパレル、出版など、あらゆるカウンターカルチャーのオーガナイザーたちが一斉に自身の青春の思い出を媒体に撒いた結果、バック・トゥ・ザ・70sというムーヴメントが起こり始めた、と考えられるわけです。(以下、after reportへ続く)

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特集「日本映画の新しい夜明け」

01  舟を編む 渡邊崇
02  日日是好日 世武裕子
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03  無能の人 ゴンチチ
04  ゆれる ford falcon wagon 1964  カリフラワーズ
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05 カメラを止めるな! zombeat  謙遜ラヴァーズ
06 シン・ゴジラ 組織結成 鷺巣詩郎
07 AKIRA  KANEDA  芸能山城組
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08 JUNK FOOD  LE TEMPS  DJ KRUSH
09 その男、凶暴につき 我妻のテーマ E.Satie/久米大作
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10 万引き家族 細野晴臣
11 PLANETIST  surfing on mind wave pt2  Cornelius
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12 萌の朱雀 家族のテーマ/レコード盤 茂野雅道
13 エレファントソング 彼女は(inst.)  SION
14 ペタルダンス crouka  菅野よう子(feat. egil olsen)。
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after report by johnny SHIDA
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日本映画の研究と考察も薄い拙者が今回のような特集を組むのは大変愚策で恐縮ですが、それでもやらねばならぬと思いました。やっぱり日本映画、気になるのです。とてもストレンジ・ワールドですし、とてもトライアルなフィールドだと思っているからです。ジャンルも欧米に負けず劣らず多種多様ですし、娯楽作やシネフィル、どちらに傾くわけでもなく、エンターテイメント作品からアート、文芸作品、アニメに特撮にドキュメンタリーまで。あまり無いのはミュージカルぐらいでしょうか。とにかくこの小さくて狭い島国ニッポンにはどれだけの映画的才能が生まれ開花しているのかと、そんな思いがあるわけです。

自分がはじめて自主映画という作品群を観たのは高校1,2年の時、だから1986、87年頃でしたか。ぴあフィルムフェスティバルという8ミリ映画のコンテストが毎年開かれていて、自分も映画を作りたいと思っていたので勉強の為に観に行ったのですね。そこで当時まだ大学生だった小松隆志監督の「いそげブライアン」に完全にノックアウトされまして、60分強の8ミリ映画にこんなに刺激や感動を受けるのだと驚きました。以後、園子温監督の「男の花道」や平野勝之監督の「愛の街角二丁目三番地」、斉藤久志監督「はいかぶり姫物語」に藤原章監督の「人糞作戦」、さらには塚本晋也監督の「電柱小僧の冒険」など、とにかく映画にはルールなど無く、自由な発想と限りない表現方法で挑んで良いのだという勇気を貰った気がしました。同じ頃に大林宣彦監督1966年の自主映画「EMOTION=伝説の午後=いつか見たドラキュラ」も観る機会があり、その映像アプローチの自由度の高さに、同様の衝撃を受けたりしました。要は60年代であろうと80年代であろうと、映画冒険は脈々と続いていた事も知る訳で、これはもう徹底的に様々な映画を観てさらに勉強しなくてはという思いと、いやそんな時間があったら自らの映画を作って、自己表現の可能性をどんどん探っていかねば、なんて思ったりして、もはや映画的悶絶に悩み苦しむティーンエイジャーと化していった時期がありました。

そんな昔話はともかく、日本映画には実はそんな特殊な才能や表現パワーを持った監督たちがたくさんいて、そういった方々がどんどんその後の邦画界を牽引していっている事がとても重要だと思っているのですね。ぴあフィルムフェスティバル出身の監督たち、つまりインディーズ出身の監督たちが現在の邦画界を支えていると言っても過言ではないと思うのです。黒沢清監督(「CURE」「スパイの妻」)、橋口亮輔監督(「二十歳の微熱」「ぐるりのこと」)、園子温監督(「冷たい熱帯魚」「新宿スワン」)、篠原哲雄監督(「草の上の仕事」「月とキャベツ」)、古厩智之監督(「ホームレス中学生」「のぼる小寺さん」)、矢口史靖監督(「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」、中村義洋監督(「ゴールデンスランバー」「殿、利息でござる!」)、荻上直子監督(「かもめ食堂」「めがね」)、熊澤尚人監督(「おとなり」「気味に届け」)、佐藤信介監督(「GANTZ」「図書館戦争」)・・・と、枚挙にいとまがありません。

もちろんこの界隈以外にも面白い映画を撮る監督たちは多々いると思いますが、はっきり言って今回特集でピックアップした作品の監督たちはこの界隈というか、限りなくインディペンデントに近いフィールドで自らの才能を爆発させ、傑作を携えている方々ばかりだと思っています。これについてはよく取り沙汰される製作予算の大小問題はあまり関係ないと思っていて、予算が少なければアイディアで勝つ、予算が潤沢であれば最大限効果的に使ってやはり勝つ。しかし勝てるのは映画的才能が並大抵ではないからで、たまたまとか運良くなんて着地はそもそも映画には皆無なんですね。分析して人気度や知名度だけがズバ抜けているキャスティングが実現すれば当たるだろう、何百万部売れてる原作の映画化だから確実だろうとか、そんな世界では全くないわけですね。だからこそ、新たなる傑作として評価される作品を産み出す監督たちは凄い人たちだと。だからもっともっと評価して広げていきたい、だから分析に疎くとも自らの感性で選んだ作品、音楽も含め、こういった切り口で特集をやらねばと思ったわけです。

ではまた来週。次回は特集「90sサウンドトラックで行こう」をお送りします。お楽しみに。

次回の「seaside theatre」特集は、
特集「日本映画の新しい夜明け」
新たな発想、新たな提示、そして新たなる評価。
seaside theatre独自の視点による、
刺激に満ちた日本映画作品のサウンドトラックを編纂していきます。
予定しているのは下記作品群。
ご期待ください。

特集 日本映画の新しい夜明け
舟を編む
日日是好日
無能の人
ゆれる
カメラを止めるな! 
シン・ゴジラ
AKIRA
JUNK FOOD
その男、凶暴につき
万引き家族
PLANETIST
萌の朱雀
エレファントソング
ペタルダンス
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日本映画の研究と考察も薄い拙者が今回のような特集を組むのは大変愚策で恐縮ですが、それでもやらねばならぬと思いました。やっぱり日本映画、気になるのです。とてもストレンジ・ワールドですし、とてもトライアルなフィールドだと思っているからです。ジャンルも欧米に負けず劣らず多種多様ですし、娯楽作やシネフィル、どちらに傾くわけでもなく、エンターテイメント作品からアート、文芸作品、アニメに特撮にドキュメンタリーまで。あまり無いのはミュージカルぐらいでしょうか。とにかくこの小さくて狭い島国ニッポンにはどれだけの映画的才能が生まれ開花しているのかと、そんな思いがあるわけです。(以下、after reportへ続く)


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prologue soundtrack
01 レイダース 失われた聖櫃〈アーク〉Raiders of the Lost Ark   John Williams
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特集 Growin'Up ~成長するってこと
02 大人は判ってくれない Les Quatre Cents Coups  Jean Constantin
03 若者のすべて Rocco e i Suoi Fratelli  Nino Rota
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04 スタンド・バイ・ミー Stand By Me  Ben E King
05 ベストキッド2 Glory Of Love  Peter Cetera
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06 バスケットボールダイアリーズ Catholic Boy  Jim Carroll with Pearl Jam
07 さらば青春の光 Quadrophenia  I've Had Enough The Who
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08 アウトサイダー Sunrise
09~Stay Gold  Stevie Wonder
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from japanese ost
10 リリィシュシュのすべて グライド salyu
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epilogue soundtrack
11 マップ・オブ・ザ・ワールド A Map Of The World Pat Metheny
 ★Masaruさん ご希望曲
12 君の名前で僕を呼んで Call Me By Your Name Visions Of Gideons  Sufjan Stevens
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after report by johnny SHIDA
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成長とは何をもって表現する事でしょうか。卒業式を受ければ学業期間の区切りにはなりますが、果たしてそれで成長したと具体で備わるものなのか。大きなトライアルに挑んでうまくいってもいかなくても、経験値が上がればそれが成長した事になるのか。子供の成長、青年期の成長、社会人としての成長、客観的視点による相手の成長、複数集合体による共同意識の成長、そして自意識から生まれる自己認識が生み出す成長、といったものたちに果たして、信憑性はあるものなのか。または今回テーマに掲げた、映画や音楽からの感性への刺激で、自身の思考や行動に影響した(のでは)という捉え、それもまた成長という粋に入るものなのか。

面倒くさい事を記し始めてしまいましたが、慢性的にそのような成長に対する疑問を持つ時期は、確かにあると思うのです。それを思春期と呼び、アイデンティティー、自我を意識し始めるあの辺りの時期のようでして、そこに焦点を合わせた映画や音楽も星の数ほどあるわけで、ではそういった作品を意識して観に行く事もまた、自らが成長する事を望んで行動しているのではないか、とも考えるのです。つまりそこに何か答えがあるのではないか、その映画を観れば、その音楽を聴けば、自分の苦悩を少なくとも解きほぐす何かがあるかもしれないと。自分自身がたまにですがそういった動機で映画と付き合っているふしがあるので、こと成長というテーマで考えると、映画や音楽に関しては格好の教室、講義講堂、研究室であるなぁ、とは思うのです。

この時期、特に今、2021年というこの状況下。卒業を経ていこうとしている方々、既に卒業を経た方々、これからどのような道を進んでいくべきか、今この道を歩き続けるべきなのか、様々な考えで混乱の中、進んでいる事と思います。成長するってことが、もしこのような極限状態にこそ答えがあるものだとしたら、この機会に全てにおいて一歩前身出来るチャンスであるのかもしれません。成長を描いた映画には概してラストには悲劇的な演出が待ち受け、因果応報、そこから再度這いあがって、そして少年は大人になる、という結びになりがちです。しかし現実はなかなかスムーズに事は運びません。だから映画や音楽に何かを求めるのか、という悩ましいスパイラル。いつになれば何かに頼らず人は成長出来るのでしょうか。チャンスは今。しかし、ずっと思春期にいるような自分としては、全く厄介な悩みであります。

ではまた来週。次回は特集「日本映画の新しい夜明け」をお送りします。お楽しみに。

次回の「seaside theatre」特集は、
特集「Growin'Up ~成長するってこと」
卒業式シーズン到来。大人の階段昇る映画作品のサウンドトラックを編纂していきます。
予定しているのは下記作品群。
その他、いつものように日本映画音楽や予告以外の楽曲もスタンバイ。
ご期待ください。

特集 Growin'Up ~成長するってこと
大人は判ってくれない
若者のすべて
スタンド・バイ・ミー
ベストキッド2
バスケットボールダイアリーズ
さらば青春の光
アウトサイダー
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特集 サウンドトラックをカバーせよ!

01 ツイン・ピークス Twin Peaks Theme  Platnick Dive
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02 グーニーズ Goonies"R"Good Enough  土岐麻子
03 サンダーバード Thunderbirds Are Go!  小西康陽
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04 小さな恋のメロディ Melody Fair  野宮真貴
05 7×7×7?黄金の7人メドレー  Out Of Tune Generation
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06 雨に唄えば Singin' In The Rain  Diana Krall
07 時をかける少女 Tatiana
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08 太陽がいっぱい 久石譲
09 七人の侍 PE'Z
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10 007 死ぬのは奴らだ Live And Let Die  Daffy
11 ブレード・ランナー Blade Runner  Love Theme 布袋寅泰
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12 ラストタンゴ・イン・パリ Last Tango In Paris  川上つよしと彼のムードメイカーズ
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after report by johnny SHIDA
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一度かけた楽曲を、機会があってもう一度かけようとした時、あるいはオリジナル音源の尺が短すぎたり、逆にSUITS(スーツ)といって、サウンドトラックを繋ぎ合わせて長尺で聴かせるバージョンしかなかったりした時。そういう時はちょっと趣向を凝らしたいと考え、カバーバージョンを探してかける事がありました。「スカーフェイス」や「雨に唄えば」、「マイ・フェア・レディ」などで試みましたね。で、ひらめいたのは、サウンドトラックにもスタンダードとして愛されている楽曲が多々あって、それらには面白いカバー曲もたくさん存在するのだと。いつも聴いている楽曲の違うバージョンをまとめて楽しむ回があっても良いのでは、と思ったのですね。

当番組を始める時に、自分が中学・高校生時代に好んで聴いていた関光夫さんの映画音楽番組にリスペクトするような内容にしたいと考えました。関さんのNHK-FMの映画音楽番組はとにかく多種多様な作品のサウンドトラックを次々に紹介してくれるメリー・ゴーラウンドのようなプログラムで、いい意味でジャンルレス、とにかく「全て同じ映画じゃないか、一緒に楽しもう」という雰囲気が伝わってくる内容だったのですね。自分の番組は毎週というローテーションなので、であれば毎週バリエーションを変えて様々な映画を同一線上に捉えていこうと思ったのです。そうするとどんなジャンルも扱えるし、様々な組み合わせも出来るだろうと。そう思うと、一番伝えたいのは、「映画の素晴らしさに垣根はない」という事だったりしますね。そしてそこから波及していく様々な音楽も、少しでも映画に紐付いているのならどんどん紹介していって、それによって映画の広がりも伝えられるかもしれないと。当初は、いわゆる既成楽曲の引用サウンドトラックは省いていくかとか、レコード(CD)用に再録された音源ではなく完全オリジナル音源にこだわるか、という考えもチラホラとあったのですが、結局そうする事によって映画の広がりを伝える事に制限が設けられ、せっかくの映画を楽しむ様々な楽曲たちがもったいない事になってしまうなとも思ったのです。そうなるとそもそも関さんへのリスペクトも希薄になるし、こうなったらとにかく映画作品に紐付くあらゆる音楽を編纂して、とにかく少しでも興味を持ってもらおうと。そのためなら既成楽曲でもカバー曲でも、楽しんでもらえれば全てはOKだという事にしたんですね。

で、カバー曲の件ですが、だからと言って何でもありにすると散漫になるのでもちろんかなりコンピレーションを作るかの如くしっかりと選曲選盤は致しました。もちろん誰もが知っている楽曲でないとカバー曲は楽しめませんから、作品的にもエバーグリーンなものを選んだつもりです。そこで気づいたのは、やっぱりいい映画にはいいサウンドトラックが付いているなぁ、と。これ、実は単純な事ですけど、物凄く大切なポイントですよね。音楽だけ一人歩きしてるものもあるとは思うのですが、大抵が作品と一緒に音楽も愛されているんですね。そういう意味では、こんなストレートなアプローチもたまには良いもの、と思ったのでした。

ではまた来週。次回は特集「90s サウンドトラックで行こう」をお送りします。お楽しみに。

次回の「seaside theatre」特集は、
特集「サウンドトラックをカバーせよ!」
文字通り、誰もが知っている有名サウンドトラックのカバー楽曲大特集。
ニクいアレンジで見事に新たな息吹で再生させたカバーたちを編纂していきます。
予定しているのは下記作品群(のカバー曲!)。
ご期待ください。

ツイン・ピークス
グーニーズ
サンダーバード
小さな恋のメロディ
黄金の7人
雨に唄えば
時をかける少女
太陽がいっぱい
七人の侍
007 死ぬのは奴らだ
ブレード・ランナー
ラストタンゴ・イン・パリ

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されど、映画じゃないか ~今週の雑文~



★(今週は)こんな映画を観た。


「男はつらいよ 寅次郎の縁談」

恒例BS寅さん。1993年の第46作目。泉との恋物語が一応の終焉を見た前作から、今度は満男の人生流転ネタにシフトチェンジ。就活に行き詰まり、嘘を付いてまで組織に媚びる自分が嫌になって、遂にはストレス大爆発し、いつものように親子喧嘩に発展。満男は家出し、成り行き上、四国にて突然漁業を手伝うという流れに。なるほどそこに寅が合流し、マドンナがいて、かつ満男にもちょっとだけ恋物語が描かれ、やがていつものようにドタバタと逃げるようにして東京へ戻り、葛飾柴又にては何とか大団円に持ち込む、で、めでたしめでたしという事か。はっきり言って構成上も寅次郎=渥美清の扱いも、観る度に辛い回にどんどんなっていく。これまでの「男はつらいよ」の面影はもはや無い。御前様も、もういない。おいちゃんもおばちゃんも、源公ですら、老いた。仕方ない事だが、本当に辛い。今週もさらにその思いは大きくなっていくのだろう。



★聴きたいサウンドトラックのご希望にも出来るだけ対応してまいります。
Twitter @SeasideTheatre のメッセージへお送りくださいませ。

Litsen Here
★湘南ビーチFM 公式ホームページから。
★インターネットjpradio.jpやスマホアプリTune In Radioにて湘南ビーチFMを選択
★湘南逗子界隈のリスナーの方々は78.9MHzラジオにてお聴きいただけます。
是非、環境にあったかたちで番組にアクセスしてください。

01 イノセンス Follow Me 伊藤君子
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特集 川井憲次の音楽世界

02 紅い眼鏡 エンディングタイトル
03 精霊のささやき エンディングテーマ
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04 機動警察パトレイバー2 the Movie Hallucination(2002version)
05 GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊  謡Ⅲ-Reincarnation
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06 イップマン 葉問 Ip Man
07 009 RE:CYBORG
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08 墨攻 A Battle Of Wits
09 セブンソード  Children At Dawn 
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以上、全て音楽 川井憲次

10 ラブINニューヨーク Night Shift
  That's What Friends Are For(Night Shift Love Theme) Burt Bacharach
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after report by johnny SHIDA
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以前「スカイ・クロラ」のサウンドトラックをOAした際に、twitter上でリスナーの方から思いがけず反応をいただきまして、自分としては実はそれがとても嬉しかったのですね。「スカイ・クロラ」は詳しくは言えませんがとても思い入れのある作品でして、それをきっかけにもっと川井さんの楽曲を知ってもらいたいなぁと思っていたのです。どうしても日本の映画音楽のコンポーザーですとやはりジブリ作品の久石さんにスポットがあたりがちなんですが、そのような一般的な広がりが、川井さんにもあって然るべき!と感じていたので、余計SNSでの反応は嬉しかったのです。そしてある意味勢いが付いたというか、こういう機会は大切にせねばと思って、総力特集を企画してみました。

改めて様々なサウンドトラックを聴いてみて思った印象は、やっぱり川井さんの根底にはROCKが流れている、という事でしたね。もともとギタリストであったという事にも繋がりますが、たとえ激しいテンポの曲でなくても、ビートを効かせたリズムの作り方や、展開の盛り上げ方がとてもとてもROCKなんですね。言い方を変えると、ドラマティックなのです。感情が伝わってくるパッション・センスは、例えば西田社中を起用してしまうアイディアはとても刺激に満ちていますし、そのようなコーラスを多様化して人間味を付け加えたり、前にも紹介しましたが、実写作品の「デスノート」や「GANTZ」などといったサウンドトラックではヒューマン・ビート=心臓の鼓動を感じさせるような、生々しいほどのエモーショナルなサウンド・ディレクションが成されていたりするわけで、これぞROCK SPILITSと言わずして何と言おう、という感じなのです。

そういった「味」が、やっぱりアジア圏にて製作される映画人たちに愛されるのだなぁと、そういう思いに繋がっていきましたね。やっぱりアツイんですよ、アジアン・ムービー・クリエイターたちは。特にアクションや大河ドラマを得意とする中国や韓国などは、いい意味でイナタくてアツイものの集合体で映画を盛り付けたいわけです。だからと言ってお決まりのオーケストレーションでと言うともう少し新鮮味が欲しい。そういったフィールドに、川井さんのアプローチがハマッていったのではないかと思ってしまうのです。

それと今回なんとなく思ったのが、あぁ川井さんてエリック・セラだなぁと。音楽の在り方とそのアプローチがとても似ている感じがしたんですね。個性は強いし、アクションから人間ドラマまでこなしてしまうし。活躍し始めたのも同時期だし、調べてみたらたった2つしか歳が違わないんですね。多分聴いてきた音楽も同世代だし、楽器や機材を扱ってきた流れも似たようなものなのかなと。当番組ではオープンエンドは必ずセラの「グラン・ブルー」サウンドトラックを使わせてもらっているのですが、編集しながら続けて川井さんの楽曲を聴いてみて、なんだか妙な同化感がある・・・と思ったものですから。まぁこれは単なる余談でございました。とにかく日本映画のサウンドトラック・コンポーザーに川井憲次あり。これからも機会を見つけては川井さんの映画音楽を紹介していきたいと思います。 

ではまた来週。次回は特集「サウンドトラックをカバーせよ!」をお送りします。お楽しみに。

次回の「seaside theatre」特集は、
特集「川井憲次の音楽世界」
世界で活躍する日本のコンポーザー、
川井憲次によるサウンドトラックを編纂していきます。
予定しているのは下記作品群。
この他にも若干の準備あり。
ご期待ください。
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紅い眼鏡
精霊のささやき
機動警察パトレイバー2
GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊
墨攻
セブンソード
イップマン
009 RE:CYBORG




されど、映画じゃないか ~今週の雑文~


★(今週は)こんな映画を観た。


「男はつらいよ 寅次郎の青春」

BS 4K寅さん、1992年の第45作目。今回で満男と泉の淡い恋愛模様は一応の幕が閉じられた。数年をかけて描かれた二人の思春期ストーリーは、寅次郎はもちろん、互いの家族や親族をも巻き込み、全国を駆け回りながら、爽やかに、しかし切なさや悲しみも伴いながら、文字通り青春の日々として疾走した。そして映画シリーズとしても、長きに渡る「男はつらいよ」のセオリーを、世代交代と共に路線変革しようと、舵をエイヤと取り続けた「満男と泉編」でもあった。舞台裏では寅次郎=渥美清の体調不良問題で負担をかけられない撮影体制だった、という話もあるが、そのような事情があったとしても、遅かれ早かれ青年となった満男をどう描いていくか、その青年が一番慕う叔父の寅次郎との対比と交流を、そもそも主役である寅次郎の放浪人生へどう活かしていくか。また、満男の家族の物語、老いていく柴又の叔父や叔母の物語など、多くのテーマがまだまだ噴出していった事は間違いない。それはまさに固定化した「男はつらいよ」という世界観の中に生きる「大家族」の宿命であり、そこには山田洋次監督を筆頭としたレギュラー・スタッフの面々も当然含まれるほど、巨大な運命共同体としての共通問題なのだ。アニメのように声優を代えればリニューアル出来るわけではない。まさに映画として生き続けている名シリーズ「男はつらいよ」ならではの存在感ではないか。特に今回はそんな息吹を感じてしまうほどの物語であった。

尚、本作を以て笠智衆演じる御前様としては最後の作品になったという。1993年没。晩年は黒澤、ヴェンダースなど、まさに映画の天使たちに支えられながらその映画人生のフィナーレを華やかに彩られた。一方で柴又帝釈天を守り続けた姿にもやはり心を打たれる。こんな名優は、本当に他にはいないのではないだろうか。



★聴きたいサウンドトラックのご希望にも出来るだけ対応してまいります。
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★湘南ビーチFM 公式ホームページから。
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★湘南逗子界隈のリスナーの方々は78.9MHzラジオにてお聴きいただけます。
是非、環境にあったかたちで番組にアクセスしてください。

特集 片想いチョコレート大作戦

01 ローマの休日 Roman Horiday  Georges Auric
02 プリティ・イン・ピンク Pretty In Pink  The Psychederic Furs
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03 ラ・ブーム Gon On For Ever  Vladimir Cosma
04 ラ・ブーム2 your eyes(inst.) Vladimir Cosma
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05 初体験リッジモントハイ So Much In Love  Timothy B. Schmit
06 アメリカン・スウィートハート All The Love In The World  The Corrs
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07 チャーリーとチョコレート工場 Charlie and the Chocolate Factory
    Wonka's Welcome Song
08      Wonka's First Shop  Danny Elfman
09 ショコラ  Chocolat   Rachel Portman
10 フォレスト・ガンプ  Forrest Gump   Alan Silvestri
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11 リトル・ロマンス A Little Romance  Georges Delerue
12 恋人たちの予感 But Not For Me  Harry Connick Jr.
13 シング・ストリート Sing Street  To Find You  Sing Street
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14 ウーマン・イン・レッド Woman In Red It's More Than You  Stevie Wonder
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15 ウーマン・イン・レッド Woman In Red
I Just Call To Say I Love You   Stevie Wonder
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after report by johnny SHIDA
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「片想いチョコレート大作戦」。2月14日当日という事でこのようなタイトルで、個性的構成による特集を試みてみました。バレンタイン・デーと言えばやはり自分としては「片想い」というキーワードが出てきてしまうのですね。そしてそれは青春の代名詞であり、皆さん若き頃の淡き想い出がそれぞれにあるのではないでしょうかと思ったり。そういったポイントに突き刺す作品群のチョイスをしたつもりなのですが、結局自分の淡き想い出に呼応するかのような選曲ばかりになってしまいました。申し訳ございません。

さて、当然丸刈り中学生時代にソフィー・マルソーへ恋していた身としては「ラ・ブーム」音源はマストでして、ソフィーに手を出すならやはりライバル・アクトレスであったフィービー音源も必須。そうなると80sラブストーリー系も放ってはおけないし、80sだらけだとマズイので90sでも思い出してみようかと。するとあっという間に候補が増え、結局また淘汰していくハメになったりでした。

しかももう一つのキーワードとして「チョコレート」はどうなんだ?と考え始めたりもして、そんなにチョコレート映画なんてないだろうと思っていたら3作品ほどマッハで思い浮かんだのでそれも構成に入れてみようとか。そしていつものように往年の作品も入れたいなと思い、必殺の「ローマの休日」というカードをここで切るかどうか物凄く悩み、結果採用したり。単純なテーマだから結構楽かなと思っていたのですが、自分的にはとんでもなく大変な回になってしまったという印象でした。

そうした多岐に渡る選曲で初めて気づいた点がちょいちょいあったので、備忘録としてリポートしておきたいと思います。

「ローマの休日」
サントラはアルバムとしてのリリースが無いような・・・。自分は往年の名画ベストと題したようなレコードやCDを山ほど持っていて、その中にたまにテーマ曲として収録されてはいるが、単体でのサウンドトラックはどうやら現在は出回ってないらしい。今回はそんなコンピレーション盤からチョイスしたので、短くまとまった聴きやすいバージョン。実際はもっと映像にあわせて跳んだり跳ねたりな劇伴集だと思われるが。

「初体験リッジモントハイ」
フィーチャーソング・アルバム、と勝手に呼んでいるのだが、いわゆる80年代のMTVブーム時に流行った、主題歌や挿入歌ばかりを集めたロック/ポップス・コンピレーション・アルバムのようなものの事で、BGMとしての劇伴インストゥルメンタルなどが入っていないものの事を指していて。例えば今回の「初体験リッジモントハイ」のサントラアルバムもそのような構成なのだが、ここにティモシーBシュミットの「So Much In Love」が入っていたんだっけか?と驚いてしまった。この曲のオリジナルは悪ガキ青春映画シリーズに多々使われていた印象があって、(「グローイングアップ」シリーズや「ポーキーズ」シリーズ等) まぁ確かに「リッジモントハイ」もその類いとは思うのだがちょっと別格的に見ていたので、フィービー・ケイツお前もか、とちょっと思ってしまったり。

「リトル・ロマンス」
先週紹介した「マイ・ライフ」同様、日本版のみパオによる限定主題歌があってそのイメージしかなかったのだが、調べてみたら本編音楽が天下のジョルジュ・ドルリューではないか。持っていたドルリューベスト盤をチェックしたら確かに本作のテーマも収録されていた。まだまだ勉強が足りないという事か。反省。

「ウーマン・イン・レッド」
このサントラアルバム、当時幾度か聴いていたとは思うが、久々にレコードに針を落として両面聴いてみて、こんなにR&Bで最高のアルバムだったかとちょっと嬉しくなった。前に聴いたのは中学生の時だからスティーヴィー・ワンダーやディオンヌ・ワーウィックのグルーヴィンな楽曲よりも、大ヒットした主題歌「I Just Call To Say I Love You」が聴ければ良かったのだろう。年齢を重ねてこそ味わえる曲もあるのだな。だからちょっと珍しく、本作からは2曲もチョイスしてしまった。「It’s More Than You」のメロウ・グルーヴは深夜帯に必ずハマる筈、とも思えたので。いやはや聴き返し、大切。


・・・そんなノリで今回もお送りしました。たかが映画、されど映画。深いです。
ではまた来週に。次回は特集「川井憲次の音楽世界」をお送りします。お楽しみに。

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